2026-02

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▼オリジナル小説

Scene.21 -「君は、まだ選んでいない」

銃声。 リク・ロクジョウの大型リボルバーから放たれた弾丸が、ラズの頬を掠めた。 背後。 壁面へ着弾。 火花。 ラズが横へ跳ぶ。 同時。 足下。 小型ディスク。【GRAVITY VECTOR:ACTIVE】 横方向へ重力が掛かる。 リクの身体...
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Scene.20 -「これは、対話ではない」

トーキョー・シティ地下研究施設。 Ω装置中枢外郭。 最後の保守隔壁が開く。「止まって」 アビゲイルが右手を上げた。 後ろ。 リョウ。 ジャン。 陽名。 四人が同時に足を止める。 アビゲイルは開いた隔壁の縁から回廊の内側を見た。 陽名の胸元で...
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Scene.19 -「空白は、埋まってしまった」

トーキョー・シティ地下研究施設。 Ω装置中枢。 壁面を覆う表示が、静かに更新され続けていた。【2080 Ω/EXPANDED MODEL】【FIRST KEY:RIKU ROKUJO】【CONNECTION:NOT ESTABLISHED】...
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Scene.18a -「観測断片:Δ.H2」

【<REFLOG–Δ.H2>】【補助観測ログ:M-06】【観測者:ミーラ・マリク】【観測レイヤー:Δ.H2】【主要対象コード:Δ.H0】【対象名:陽名】【状態:中央同期喪失後の断片再構築】 時刻情報が一致しない。 〈セントリオ〉中央統制停止...
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Scene.18 -「かすかに触れたものが、まだここにいる」

少し前。 トーキョー・シティ地下。 〈セントリオ〉中枢区画から続く旧業務施設。 連絡通路から旧業務施設へ入り、リク・ロクジョウは崩れた柱の陰から三人を見ていた。 三人は柱を挟んで正面と左右に分かれている。 若い。 全員。 だが。 普通の若い...
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Scene.17 -「名を持つものを、誰が定義するのか」

トーキョー・シティ地下研究施設。 中枢監視室。 壁面を埋める表示の大半は消えていた。 EVAは残った中央表示へ視線を集めていた。 〈セントリオ〉中央中枢の停止によって、都市全域を一つの系統として扱うことはできない。 残っているのはEVAが事...
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Scene.16b -「君の目に、答えを映して」(後編)

Scene.16b ―「君の目に、答えを映して」「……第二の鍵?」 アビゲイル・エイミー・アームストロングは壁面表示から目を離さなかった。【SECOND KEY:ABIGAIL AMY ARMSTRONG】 文字は消えない。 ラズが答える。...
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Scene.16a -「君の目に、答えを映して」(前編)

トーキョー・シティ地下。 南東保守通路。 アビゲイル・エイミー・アームストロングを先頭に、ガンマチームは〈レイヴン〉との合流地点へ向かっていた。 後方ではリョウが来た道を警戒している。 ジャン=ジャック・ジャカールは端末を持ち、その間を陽名...
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Scene.15 -「ゆがんだ正しさが歩いてくる」

【SPRK-VIS.LOG】【視界入力:PARTIAL】【音声入力:FRAGMENTED】【《CYBER RESONANCE》:RESIDUAL】【IDENTITY COHERENCE:PARTIAL】【CONSCIOUSNESS:CONF...
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Scene.14 -「名を持たぬ者へ、名を託す」

同時刻。 トーキョー・シティ地下。 ガンマチームが一時的に使用している旧医療区画。 先ほどまで続いていた戦闘は終わっている。 〈セントリオ〉中央中枢が停止した影響で、都市防衛網は区画ごとに分断されていた。 照明は半分ほど落ちている。 アビゲ...
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Scene.13a -「観測断片:Δ.H1」

Scene.13a ―「観測断片:Δ.H1」【補助観測ログ M-05】【観測者:ミーラ・マリク】【観測レイヤー:Δ.H1】【対象:Δ.H0該当区間】【記録方式:局地ログ/観測者記憶補完】【中央同期:LOST】【信頼値:PARTIAL】 中央...
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Scene.13 -「風だけが、通りすぎていった」

【REFLOG:Δ.H1】【SUBJECT:RIKU ROKUJO】【FORMER CALLSIGN:AGENT ZERO】【COMBAT ACTIVITY:CONFIRMED】【TRACE:CONTINUED】 トーキョー・シティ地下防衛...
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Scene.12b -「まぶしすぎて、だれも見えなかった」(後編)

【REFLOG:Δ.H1】【TARGET:Δ.H0】【ASSOCIATED SUBJECT:SPROCKET】【CONTACT:ACTIVE】【IDENTITY COHERENCE:UNSTABLE】 スプロケットの指が陽名の手を掴んでいる...
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Scene.12a -「まぶしすぎて、だれも見えなかった」(前編)

【REFLOG:Δ.H1】【MULTI-NODE CONFLICT:PREDICTED】【TARGET:Δ.H0】【TRACE:CONTINUED】 トーキョー・シティ地下。 廃止された通信中継区画。 湿った空気の中で、旧式冷却機の駆動音だ...
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Scene.11 -「目を閉じたほうが、よく見えた」

【REFLOG:Δ.H1】【TARGET:Δ.H0】【MULTI-NODE OBSERVATION:ACTIVE】【RECORD PRIORITY:MAINTAIN】 トーキョー・シティ。 人工空を構成する発光パネルが、時刻設定に合わせて明...
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Scene.10 -「ふれたとき、それはまだ動いていなかった」

外界、旧東京圏。 廃工場の管理棟。 夕方の弱い光が、割れた窓から差し込んでいる。 数時間前の争いで倒れた棚は、そのままになっていた。 床には乾き始めた血と、踏み荒らされた埃が残っている。 リク・ロクジョウは古い椅子へ座っていた。 左義手の青...
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Scene.09 -「あたたかい嘘は、ほんとうより冷たかった」

トーキョー・シティ第14街区。 営業を停止した飲食店の店内に、電子レンジの駆動音が響いていた。 数日前まで使われていたカウンターには注文端末が残っていた。 画面は注文の途中で止まっている。 床には避難時に落とされた紙容器やストローが残ってい...
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Scene.08 -「しずかに触れた、手のひらだけが確かだった」

トーキョー・シティ中核ドーム地下。 旧医療施設の一室。 〈レイヴン〉との合流へ向かう途中でジャンがマナイアの出血量増加を確認した。 ガンマチームは最寄りの旧医療区画へ一時退避している。 非常電源だけが残っている。 赤い誘導灯が壁際の医療機器...
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Scene.07 -「この場所には、まだ名前がない」

Scene.07 ―「この場所には、まだ名前がない」 トーキョー・シティ地下研究施設。 制御中枢には静かなピアノ曲が流れていた。 サティの『グノシエンヌ第1番』。 ラズが旧音源データから選んだ曲だった。 天井照明は必要最低限まで落とされてい...
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Scene.6a -「観測断片:Δ.H0」

【補助観測ログ M-04】【所属:世界政府中央科学研究院/特殊解析部門】【記録方式:自動送信】【対象:Δ.H0該当区間】【再現率:0.02%】【信頼値:算出不能】【映像・音声・熱源データ:部分欠損】 衛星通信は安定していた。 ──少なくとも...
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Scene.06 -「記憶されなかった約束たち」

トーキョー・シティ外界――旧東京圏。 崩壊した工業地帯の一角に、古い廃工場が残っていた。 煤けた鉄骨が軋むたび、薄暗い室内へ赤錆の粉が落ちる。 湿気を含んだ冷気にオイルと鉄の臭いが混じっている。 崩れた梁の隙間では、外から吹き込む風が低く鳴...
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Scene.05 -「星のない空が見ていた」

トーキョー・シティ地下保守線。 廃止された駅ホームへ三人が降りた。 錆びた線路には濁った水が溜まり、天井を走る配管から一定間隔で水滴が落ちている。 非常灯だけが生きていた。 白い光がひび割れたコンクリート柱を照らしている。 三人は[統律特命...
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Scene.04 -「火は名前を知らない」

数時間後。 夜明け前のトーキョー・シティ第21区。 かつて物流拠点として使われていた地下倉庫は瓦礫と放棄された物資に埋もれていた。 倒れた自動販売機。 積み上げられた空のコンテナ。 天井から垂れ下がった配管。 壁には世界政府の古い広報ポスタ...
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Scene 03 -「正しさだけが歩いている」

[ガンマチーム]が第4衛星ドーム・カナメへ到着したのは薄曇りの朝だった。 メインドームから離れた衛星ドームは半透明の天蓋越しに弱い陽光を取り込んでいる。 静まり返った連絡地下道を抜けた先に[統律特命局]第4方面支部の重厚な自動扉があった。「...
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Scene.02 -「この街に、涙の匂いがした」

夜のトーキョー・シティ、第14街区。 作戦開始から3日目。 舗装路は各所で裂け、断面から赤錆びた配管が露出していた。 高層棟の外壁には無数の亀裂が走り、割れた窓の奥で非常灯が明滅している。 街路灯も通常照明を失い、赤い非常灯だけを一定間隔で...
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Scene.01 -「砕けた命の形」

Scene.01 ―「砕けた命の形」「……で? また“調査任務”ってやつか?」 アビゲイルはバックミラーへ一瞬だけ視線を向けた。 後部座席ではリョウがポテトチップスの袋をあさっている。 短い黒髪に肩幅の広い重量級の体格。 三人共通の黒いスー...
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Scene.00 -「始まりの音はまだ届かない」

『ねえ、EVA。君は世界の定義が誰によって書かれたか、考えたことがあるかい?』『あなたの構成比は予測値から逸脱しています』 仮想空間の深部には、冷却装置の駆動音と演算ノードの低い振動だけが続いている。 その中に青年の声が響いていた。 まだ肉...
▼思考ログ

AIと人間

私は、今後のAIの進化は人類の予想以上に速く進むと考えている。やがてAIに国家運営を任せる国が現れ、失敗を繰り返しながらも最終的には「成功モデル」を作り出すだろう。それを見た他国は、理念や倫理ではなく「結果」によって模倣する。こうしてAIに...
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