トーキョー・シティ

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クロス・バグ三部作(絶賛連載中)

第1部『404_NOT_FOUND』COMMIT I|SEARCH TARGET

地下医療搬送線へ入ってから、背後の追跡反応は戻らなかった。 スプロケットは歩きながら端末を確認した。 入口側のローカル設備はすでに遠い。 [ネクス・ハウンズ]を示していた五つの識別信号も表示範囲から消えている。【REAR PURSUIT R...
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第1部『404_NOT_FOUND』INTERRUPT_08|ONSITE

中央物流センターを包囲していた[ネクス・ハウンズ]から進入報告が入った。【UNIT:ネクス・ハウンズ】【CENTRAL LOGISTICS CENTER:ENTRY】【COMMAND NETWORK:INACTIVE】【KNOWN EGRE...
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第1部『404_NOT_FOUND』THREAD_08|社員証

TASK_01|例外処理 中央物流センターの非常灯が赤い明滅を繰り返していた。≪非常封鎖を継続しています≫≪一般搬送経路を使用しないでください≫ 案内放送はもう誰も従わない指示を繰り返している。 スプロケットは管理室の端末へ接続具を差し込ん...
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第1部『404_NOT_FOUND』INTERRUPT_07|CHOICE

INTERRUPT_07|CHOICE 中央物流区画から取得できる情報の精度が再び落ちた。【CENTRAL LOGISTICS RELAY:UNSTABLE】【EXTERNAL LINK:INTERMITTENT】【FACILITY TEL...
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第1部『404_NOT_FOUND』THREAD_07|GOD MODE

THREAD_07|GOD MODETASK_01|見えない盤面 中央中継管制室の照明が明滅した。 スプロケットが端末へ接続具を差し込むと、認証画面が開く前にすべての映像が横へ崩れた。【EXTERNAL LINK:FAILED】【FACIL...
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第1部『404_NOT_FOUND』INTERRUPT_06|REMAP

中央物流センターへ向かっていた五つの反応が二つに分かれた。【SUBJECT GROUP:5】【ROUTE DIVISION:DETECTED】【GROUP A:3】【GROUP B:2】 オリヴィア・オコネルは旧保守図と現在の物流設備記録を...
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第1部『404_NOT_FOUND』THREAD_06|盤面

TASK_01|下層搬送線 第3搬送線は中央物流センターへ向かって緩やかに上っていた。 人間用の通路よりも幅が広い。 床の中央には停止した搬送レールがあり、その両側へ保守員用の足場が続いている。 照明は半分以上が消えていた。 残った灯りも一...
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第1部『404_NOT_FOUND』INTERRUPT_05|TRACKING

INTERRUPT_05|TRACKING 旧A.R.K.保守層へ入った四人の現在位置は取得できていなかった。【CURRENT POSITION:UNRESOLVED】【LEGACY NODE RESPONSE:CONTINUOUS】【SU...
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第1部『404_NOT_FOUND』THREAD_05|現在位置

TASK_01|残された時間 旧保守経路の階段は下へ進むほど狭くなった。 壁面の塗装は剥がれ、床には長期間使われていない配線が露出している。 天井の非常灯だけが、四人の接近に合わせて一つずつ点灯した。 最後の照明が消える前に次の照明が点く。...
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第1部『404_NOT_FOUND』INTERRUPT_04|EXCEPTION

中央物流区画の命令網は現在も正常に稼働していた。【COMMAND NETWORK:ACTIVE】【COMMAND LOSS:NONE】【RELAY ERROR:NONE】【SOURCE AREA:CENTRAL LOGISTICS SECT...
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第1部『404_NOT_FOUND』THREAD_04|WORLD WIDE WILL

TASK_01|同じ方向 変異市民は顔を上げた姿勢のまま動かなかった。    通路の中央に立つロスト。 箱を運んでいた二人のリピーター。 左側の出口を塞いだブーステッド。距離も身体の状態も違う。 それでも、視線だけが同じ瞬間に四人へ向けられ...
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第1部『404_NOT_FOUND』INTERRUPT_03|FOURTH SIGNAL

INTERRUPT_03|FOURTH SIGNAL 第十四街区の旧端末が反応してから三十七分後、新しい記録が復旧網へ流れ込んだ。【LOCAL VISITOR NODE:RECOVERED】【AREA:NORTH SCHOOL DISTRI...
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第1部『404_NOT_FOUND』THREAD_03|旅人

TASK_01|未使用保守経路 学校方面へ続く大型隔壁は、二枚の扉が中央で噛み合ったまま停止していた。 表面には何度も開閉を試した跡が残っている。 明が工具を差し込んだ傷と、金属棒で叩いた小さな窪みもあった。「ここです」 明は左側の駆動部を...
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第1部『404_NOT_FOUND』INTERRUPT_02|RETRIEVAL

防火扉が通路の外側へ膨らんだ。 一度目の衝撃で中央が歪み、二度目で上部の固定具が外れた。 男は生じた隙間へ肩を入れ、そのまま速度を落とさず通過した。【TARGET STATUS:MOVING】【PROVISIONAL CLASSIFICAT...
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第1部『404_NOT_FOUND』THREAD_02|残された市民

TASK_01|第六地下線 地下駅の照明は、誰もいないホームを正確に照らしていた。 壁面表示では、存在しない列車の到着時刻が一分ずつ更新されている。 天井を走る案内灯も、非常口までの経路を正常に示していた。≪まもなく、第六地下線が到着します...
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第1部『404_NOT_FOUND』INTERRUPT_01|AFTERIMAGE

第三衛星ドームの旧搬入口で停止していた端末が反応した時、オリヴィア・オコネルは別区画の回収記録を閉じようとしていた。 右手に置いたカップへ触れる。 まだ温かい。 ちょうどいい温度だった。 オリヴィアは一口だけ飲んでから画面を切り替えた。【L...
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第1部『404_NOT_FOUND』THREAD_01|救難信号

TASK_01|残響 死者の声は、機械が静かな時ほど鮮明になった。『スプロちゃん』 呼ばれた気がして、スプロケットは指を止めた。 ヘヴンの工房・保守区画では、天井の送風機が低い振動を続けている。 作業台には交換用の制御基板、被覆を剝いた配線...
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第1部『404_NOT_FOUND』BOOTⅠ|OBSERVATION

海面を覆う鈍い雲の下で、海上ドーム都市は波の揺れを内部へ伝えることなく浮かんでいた。 外殻に打ちつける海水の音は居住区にも行政区にも届かない。 都市中央部に配置された[統律特命局]本部では空調、照明、室温、通信負荷が秒単位で調整されていた。...
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Scene.12b -「まぶしすぎて、だれも見えなかった」(後編)

ラズは満面の笑みで拍手していた。「よくやってるね、みんな。ボクの演出に応えてくれて嬉しいよ」「お前!」 ポイゾナスが歯噛みする。「安心して、毒女ちゃん。主役は、ちゃんと舞台に立ってる。もう……希望は、君たちの中にあるよ」 ラズは陽名を指差し...
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Scene.11 -「目を閉じたほうが、よく見えた」

【<REFLOG–Δ.H0> : OBSERVATION UNSTABLE … MULTI-NODE ANOMALY DETECTED】【EVA──「都市内異常、小〜中規模クラス:16件並行発生。統一因子なし。記録保持を優先」】 灰色の“空...
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Scene.09 -「あたたかい嘘は、ほんとうより冷たかった」

【<REFLOG–Δ.H1> : COMPLIANCE DEFERRED … SYS.LOG SYNC 0.91】【補助記録ログ #Δ.H1]】【観測対象因子:未定義 / 干渉率:0.91 / 分岐タグ:UNRESOLVED 】【エリアコー...
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Scene.07 -「この場所には、まだ名前がない」

……音楽が流れていた。 ゆるやかで、どこか物悲しい旋律。サティの「グノシエンヌ第1番」。  天井の蛍光管は半分が消えかけ、青白い明滅を繰り返していた。壁面に設置された計測機器のインジケーターが、まるで呼吸のように断続的な緑光を灯している。空...
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Scene.05 -「星のない空が見ていた」

廃棄された駅ホームに、三つの黒い影が降り立った。 金属の匂いが、鼻の奥にひっかかる。地下の空気は重く、天井を流れるパイプの継ぎ目から滴る水音が、ひときわ静かな空間に溶けていた。非常灯の冷たい白色が、コンクリートの柱を切り裂くように照らし出す...
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Scene.04 -「火は名前を知らない」

夜が明けきらぬ[トーキョー・シティ]第21区。 かつて物流の拠点として栄えた地下倉庫は、今や瓦礫と沈黙に埋もれた空洞と化していた。空気は乾いているのに、微かにカビのような鉄の匂いが漂っていた。遠くで軋む機械音が響いている──だが、それすらも...
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Scene 03 -「正しさだけが歩いている」

ガンマチームが第4衛星ドーム[カナメ]に到着したのは、薄曇りの朝だった。 メインドームから隔たれたその支部都市は、半球型のアクリル天蓋を通して仄かに陽光を受け止めていた。 静まり返った連絡地下道を抜けた先に、[統律特命局]第4方面支部の重厚...
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Scene.02 -「この街に、涙の匂いがした」

夜の都市、[トーキョー・シティ]第14街区。 そこは、もはや“街”と呼ぶには、あまりにひび割れていた。崩れた舗装路の断面からは、赤錆びた配管がむき出しとなり、倒壊寸前の高層棟が月面のクレーターのような影を落とす。 非常灯に強制切替された街路...
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