【ディアスキン/鹿革の殺人鬼】RE-3195

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洋画

作品データ

公開年月 2019/11/17
ジャンル コメディ/ホラー
原作 なし
監督 カンタン・デュピュー
脚本 カンタン・デュピュー
製作 マシュー・ヴェラーゲ、トーマス・ヴェラーゲ、ほか
製作国 フランス
鑑賞方法 レンタルDVD

あらすじ

44歳となったジョルジュは、夢に見た憧れの鹿革100%のジャケットを手に入れた。
ジョルジュの鹿革のジャケットに対する愛はついに会話までできるほどになり、他愛ない話しからお互いの夢の話しまで語り合うようになる。
「世界で唯一のジャケットになりたい」とい鹿革ジャケットの願いを聞いたジョルジュは、それを叶える為に“死”のジャケット狩りを始めるのだった。

登場人物&出演者

ジョルジュ(演:ジャン・デュジャルダン)

代表作に『アーティスト』、『プレイヤー』があります。

主人公。44歳。妻との生活に嫌気が差し地方に行く。鹿革のジャケットを買って人生が一変。

ジャケットとにデジタルカメラを手に入れ、飲んでいたバーで映画の製作者だと語っていた。
妻が勝手に口座を凍結したせいで金欠となり、古本屋で映画製作の本を盗んで勉強する。
ジャケットを奪うのに失敗すると、話し合いよりも殺害した方が早いと気付いて惨殺を開始。
一晩で何十人も殺害してジャケットを手に入れ、穴に埋めて偉大な夢に近づいていく。
店を売った金を手にしたドゥニースが編集と製作をすると言われ、仕方なく従う事になる。
最後はドゥニースに全身を映してもらうが、ケガさせた少年の父親に頭を撃ち抜かれて死亡。

ドゥニース(演:アデル・エネル)

代表作に『水の中のつぼみ』、『BPM/ビート・パー・ミニット』がある。

地方のバーで働くウェイトレス。いつも来る商売女と談笑し、ジョルジュに興味を持つ。

元々は映画の編集を希望して試しに『パルプ・フィクション』を時系列に編集していた。
編集をジョルジュに頼まれる代わりに金を工面し、映像を渡されて内容に感動してしまう。
撮影を続行させる為に店を売って資金を手に入れると、編集と製作をジョルジュに言い渡す。
仕方なく納得したジョルジュの為に全身を鹿革のコーディネートにして完成させる。
最初からジョルジュのウソを見破っていたが、彼の映像とジャケットにハマってしまう。
最後はジョルジュが撃たれて死亡するが、ジャケットを受け継いで撮影を続行させていく。

感想

[個人的な評価]

評価 :4/5。

本作は『のむコレ3』にて上映された作品となります。
『ラバー』で知られるカンタン・デュピューが監督を務めています。
この作品は最近じゃめっきり少なくなった一方向に尖った作品でした。
元々メジャーな映画というのは万人受けを狙ってマイルド志向が強く、一つの特殊なモノにこだわって展開する作品は少ないです。
しかしながら、この現象はクソ映画界隈にも影響を及ぼし、低クォリティのクセにマイルドな内容で少し物足りないと感じていました。
そんな中で本作はタイトルから殺人鬼が登場するB級映画だと思ったら、こんなにも尖った作品だと思わなかったです。
主要人物は片手で数えるぐらいしか登場しないが、その中で主人公が冒頭から放つ異様な雰囲気が実に素晴らしい。
当初は本当にジャケットが語りかける演出だと思っていたが、普通に主人公が二役になって会話をする危険な人間性を発揮しています。
この時点から本作は完全に一般受けを拒否し、監督が尖った作品を最後まで貫く姿勢を感じさせる構成は自然と引きつけられます。
第一段階としてジャケットを手に入れると、次に帽子、ブーツ、ズボンと段階を経て全身が鹿革のトータルコーディネートになるところも面白い。
それに本作はフランス映画である事を忘れさせない為に、主人公がジャケットを着る唯一の男になる惨殺も淡々とこなしていく演出もとてもいいのです。
あくまで本作はジャケットを愛した男の物語であり、惨殺は彼にとっての手段で物語の中核ではないのです。
協力者だったドゥニースの真意が分かると、受け継ぐべく人間になってからの展開は予想の斜め上過ぎて普通に笑いました。
あれだけ物語を盛り上げてきた主人公をあっさりと退場させ、ドゥニースに引き継がせる潔さもまた本作の良さでもあったと思います。
非常に短くて登場人物も少なく、物語のスケールは小さいけど、この作品には惹きつけるだけの独特な魅力がありました。
ただ、普通のエンターテイメントを楽しみたい人にはガッカリするだろうが、尖った作品が観たい人には大いに楽しめるだろうという怪作でした。

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