【口裂け女0/ビギニング】RE-3693

作品データ

あらすじ

井上弥生と美里は仲の良い姉妹であったが、美里は幼い頃に顔に負った火傷のせいでコンプレックスを抱えていた。
ある日、森の中を歩いていた美里が誤って穴に転落し、偶然にも白骨化した死体を発見する。
翌朝、森の中で刃物にメッタ刺しされた夫婦の惨殺死体が発見され、行方の分からない美里に疑いの目が向けられるのだった。

登場人物＆出演者

・井上弥生（演：遠藤舞）

代表作に『あばしり一家』、『コネコノキモチ』などがあります。

主人公。16歳の時に両親が交通事故で亡くなって高校を中退して妹を養う。妹の為に整形手術の費用を稼いでいた。

妹に顔の火傷の真実がバレていて、責め立てられて突き飛ばし、足をケガさせ管理人を呼ぶ。
管理人夫婦が殺害され妹が消息不明となるが、刑事から犯人の可能性を言われるも認めず。
家に妹が突然帰ってくると、殺人鬼の姉だと言われたくない為に殺害して遺棄しようとした。
最後は口裂け女となった襲われてしまい、抵抗しないまま喉を切り裂かれてそのまま死亡。

・井上美里（演：折山みゆ）

代表作に『深海獣雷牙』、『アメイジング グレイス/儚き男たちへの詩』などがあります。

弥生の妹。幼い頃にストーブを倒して服に炎が燃え移って顔に火傷を負う。治療に成功しても心の傷は癒えず。

顔の火傷は姉のせいと知っていて、責め立てると突き飛ばされ、足を挫いて動けなくなる。
西岡の妻の白骨死体を見て取り憑かれ、ロッチ管理人夫婦に病院へ送られるも殺害し消える。
再び姉の前に戻るも警察に行かず、姉を再び責め立てると頭を殴られて殺されてしまう。
最後は復活して刑事を殺害し、姉までも手にかけると、大都会を見据えて向かおうとした。

・刑事（演：小休暁）

代表作に『ダブルス』、『新・SとM/劇場版』などがあります。

ベテランの刑事と組んでいる若い刑事。井上美里が失踪してベテランの刑事を組んで捜索をしていた。

姉の弥生から事情聴取するが、美里の病歴と殺された夫婦の状況から彼女を犯人と推測する。
捜査で徐々に美里が夫婦を殺害した疑いが強くなり、外で新聞を読んでいた弥生に説明した。
井上姉妹の家を監視して写真を撮ると、口裂け女に取り憑かれてベテラン刑事を殺害した。
最後は家の中に入って美里の遺体を見るが、突然消えると背後から包丁で刺されて死亡した。

・西岡雅臣（演：品川徹）

代表作に『龍三と七人の子分たち』、『さがす』などがあります。

慶安大学心理学部の教授。ロッチの管理人夫婦が殺害された現場で妻の白骨化した死体が見つかっていた。

弥生に礼を言う為に生家へ呼んで、妻の仏壇に手を合わせてもらって過去の話しをしていた。
妻がバスの事故で口が裂けて精神的におかしくなり、32年前に家を出て行ったと語っていた。
著書には「口裂け女」についての研究があり、実は妻の殺害を隠蔽する為に広げたという。
最後は口裂け女となった妻が憑依した美里に鎌で刺され、弥生の前で吐血して死亡した。

感想

［個人的な評価］

本作は都市伝説で有名な『口裂け女』を題材にした新たな作品となります。
この作品は『ほんとにあった！呪いのビデオ』シリーズで知られる児玉和土が監督と脚本を務めています。
一応、シリーズとして4作目になっていますが、当然のように全部の作品に繋がりがなくて単体と言ってもいいです。
サブタイトルに「ビギニング」がついているので、口裂け女が誕生する前日譚のような物語にしたかったと思います。
しかしながら、すでに『口裂け女2』で前日譚が語られているので、この作品は別の切り口で作っているようです。
超低予算で作られる都市伝説をベースにした作品は総じてギャグやコントになってしまうが、本作はあくまでシリアスに展開しています。
その雰囲気を出したくて昼間でも薄暗い映像になっていて、何が起きているのか分からないような状態で個人的に鑑賞する気持ちが減りました。
ただ、最初から期待していなかったので最後まで鑑賞したが、ハッキリ言って88分の上映時間が長すぎると感じました。
超大作なら短すぎますが、本作ではメインの姉妹が物語を進めて、あとは大学教授と若い刑事が出てくる程度で深みはありません。
ドラマパートも雰囲気でしか説明しておらず、それをダラダラと引き伸ばしたところで面白さには直結しません。
肝心の口裂け女が誕生する経緯も雑で、その正体は気が狂った妻であるけど、幽霊なのか実体なのか曖昧すぎました。
そもそも、作っている当人もよく理解せずに撮っているような感じで、そうなってくると鑑賞する側なんて面白いと伝わるはずがありません。
姉妹にしてもどちらもクズで同情の余地がなく、他人を巻き込んでしまった事から、単なる世間に迷惑しかかけない存在だという事しか残らなかったです。