【ファーザー】VD-651

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洋画

作品データ

公開年月 2021/01/08
ジャンル ドラマ
原作 フローリアン・ゼレール 『Le Père 父』
監督 フローリアン・ゼレール
脚本 フローリアン・ゼレール、クリストファー・ハンプトン
製作 フィリップ・カルカソンヌ、サイモン・フレンド、ほか
製作国 イギリス、アメリカ
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

ロンドンで一人暮らしする81歳のアンソニーは、認知症の兆候が見え始めていた。
娘のアンはヘルパーを付けようとしたが、気難しいアンソニーは難癖をつけて追い出してしまう。
しかし、アンソニーの病状が悪化の一途をたどり、次第に記憶だけじゃなく、自分が置かれた状況すら把握できなくなっていくのだった。

登場人物&出演者

アンソニー(演:アンソニー・ホプキンス)

近年の出演作に『2人のローマ教皇』、『マイティ・ソー/バトルロイヤル』などがあります。

主人公。ロンドンで一人暮らしをしている81歳の老人。自分が住む家を「フラット」と称して自慢する。

娘のアンがほぼ毎日のようにやって来るが、老人ホームに入れたいという企みを見抜いている。
クセが強い性格のせいで何人もの介護士が辞めてしまうが、一人で大丈夫だと言い張っていた。
実際は認知症が悪化しており、娘の顔が別人に見えて他人だと思い込むような状態になっている。
記憶もゴチャゴチャになっていて、娘が恋人とフランスに移住する話しを聞いても理解できず。
新しい介護士が次女に似ていると思っていたが、実際は別人でそれを知って戸惑っていた。
ついに老人ホームへ入れられてしまうが、自分の家だと混乱して介護士が何者か尋ねていた。
最後は自分の名前すら忘れる状態になって、母親を求める中で、介護士の言葉で静かになった。

アン(演:オリヴィア・コールマン)

代表作に『ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!』、『女王陛下のお気に入り』などがあります。

ヒロイン。アンソニーの娘。一人暮らししていた父親を心配して、毎日のように家へやって来て様子を見ていた。

父親が認知症だと理解しているが、段々と物忘れが激しくなる中で戸惑いを覚えてしまう。
実際は介護士を追放した父親を一時的に自分の家に預かっているような状態だと説明していた。
ついに自分の顔を他人のように見えられた事実にショックを受けて、今後について考え込む。
恋人のポールとフランスに移住すると父親に話すが、それを忘れられて行かないと思われていた。
ポールから父親を老人ホームに入れるべいだと言われるが、どうしても決断ができずに悩む。
父親が介護士を妹に似ていると話すも、実際は単なる思い違いだと分かって決断をする事になる。
最後は父親を老人ホームに入れて、ポールとフランスに移住して週末に来て話しをしていた。

ポール(演:ルーファス・シーウェル)

代表作に『オールド』、『ジュディ/虹の彼方に』などがあります。

アンの恋人。アンソニーの介護に自分の人生を潰しているアンを以前から心配している。

認知症を悪化させるアンソニーから他人のように見られ、時計を盗んだとして疑われていた。
実際は前の介護士を追放したアンソニーを自分たちの家に住まわせ、しばらく面倒を見ていた。
アンソニーの言動をワザと苛つかせていると強く迫り、そのせいで彼を追い詰める事になる。
最後はアンソニーを老人ホームに入れて、フランスに移住して週末にアンとともに訪れている。

ローラ(演:イモージェン・プーツ)

近年の出演作に『フレンチ・イグジット/さいよならは言わずに』、『ビバリウム』などがあります。

アンソニーの新たな介護士としてアンに雇われた若い女性。認知症を患い相手に対して理解している。

新たな介護士としてアンソニーに紹介され、彼から元ダンサーだと言われて話しが盛り上がる。
お酒まで付き合う事になるが、実際はアンソニーの策略でキツイ言葉を浴びせられてしまう。
次女に似ている事から介護士として何度か来るが、実際はアンソニーが間違えて覚えていただけ。
最後はアンソニーの記憶が混乱する中で、過去に車の事故で死んだ娘の顔だと判明する。

キャサリン(演:オリヴィア・ウィリアムズ)

代表作に『ポストマン』、『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』などがあります。

老人ホームで働いている女性介護士。アンソニーの担当として認知症の彼の面倒を見ている。

認知症を自覚していなかったアンソニーが娘と間違えられるなど、記憶の違いを起こされている。
新たな介護士としてアンに案内されてアンソニーと会うが、別人の顔として覚えられてしまう。
当初はアンの妹に似ていると言われていたが、実際はまったく違う事にアンソニーが混乱する。
最後は老人ホームの部屋で目覚めたアンソニーの混乱を理解し、静かに彼を落ち着かせていた。

ビル(演:マーク・ゲイティス)

代表作に『ヴィクター・フランケンシュタイン』、『プーと大人になった僕』などがあります。

老人ホームで働いている男性職員。毎日のようにアンソニーと顔を合わせて仲良くなっている。

認知症を自覚していなかったアンソニーが娘の夫と間違われ、冷たい態度を取る男として登場。
状況を理解できないアンソニーにアンの夫だと説明し、素っ気ない態度を取り続けていた。
実際は本物のポールと顔を間違えられており、アンソニーが記憶違いによって号泣させていた。
最後はいつものように老人ホームへ来て、アンソニーに挨拶をしてキャサリンに説明された。

感想

[個人的な評価]

評価 :3.5/5。

本作はフローリアン・ゼレールの戯曲『Le Père 父』を基に製作されています。
この作品は『第93回アカデミー賞』にて主演男優賞、脚色賞を受賞し、作品賞、助演女優賞、美術賞、編集賞にノミネートされています。
まず、本作で主人公のアンソニーを演じているアンソニー・ホプキンスの演技が圧倒的でした。
更に認知症が悪化する父親を介護していた娘のアンを演じるオリヴィア・コールマンの受け手も非常に良かったです。
自分の親が認知症になる辛さはテレビなどでも伝えられるほど、親族にとって過酷な現実をリアルに描いています。
何より本作での視点が認知症の主人公になっているので、鑑賞する側も同じように混乱する構成が非常に上手いと思います。
しっかりとした土台のストーリーがあって、それを敢えて認知症の症状に合わせるような混乱させるシーンの練り方が半端じゃないです。
そこにアンソニー・ホプキンスの演技力が加わるので、あれだけ知的であると自分で言っていた彼の記憶が混濁する様子が分かりやすくなっています。
とにかく、頑固なまで自分は大丈夫だと言い張る主人公だが、徐々に記憶が混乱していく様子に悲しみすら感じさせます。
当初はずっと拒否して娘すら疑っていた主人公だが、ラストの方で自身の記憶と混乱で存在が小さくなる寂しさも感じました。
アンソニー・ホプキンスが本当に追い込まれているような感じであり、アカデミー主演男優賞を受賞するだけの説得力がありました。

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