【ジョーカー】MY-288

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洋画

作品データ

公開年月 2019/10/04
ジャンル サスペンス/ドラマ
原作 ボブ・ケイン、ビル・フィンガー、ジェリー・ロビンソン(キャラクター創作)
監督 トッド・フィリップス
脚本 トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー
製作 トッド・フィリップス、ブラッドリー・クーパー、ほか
製作国 アメリカ
鑑賞方法 購入Blu-ray

あらすじ

大都会の片隅で体の弱い母親と2人で慎ましく暮らしている心優しいアーサー・フレック。
コメディアンとして成功を夢見ながら、ピエロのメイクで大道芸人をして日銭を稼ぐアーサーはどん底の生活に苦しんでいた。
そんな中、同じアパートに住むシングルマザーのソフィーに心惹かれるアーサーはある日、暴行を受ける中で相手を射殺した事で人生が一変するのだった。

登場人物&出演者

アーサー・フレック/ジョーカー(演:ホアキン・フェニックス)

近年の出演作に『ゴールデン・リバー』、『マグダラのマリア』などがあります。

主人公。スタンダップコメディアンを目指す。精神疾患による発作で笑いが止まらなくなる。

プロのコメディアンを目指しながら、大道芸人として様々な仕事をするも貧困生活を送る。
母親がトーマス・ウェインと肉体関係を持ち、自分が息子だと判明するも実際は養子だった。
ウェイン社のエリートを殺害し、母親も殺し、精神安定薬を飲まなくなり、無敵の人へ。
最後はマレーを射殺して逮捕され、アーカム精神病院に収容されるが、あっさりと脱走した。

ソフィー・デュモンド(演:ザジー・ビーツ)

代表作に『デッドプール2』、『ワウンズ:呪われたメッセージ』があります。

アーサーと同じアパートに住むシングルマザー。娘とともにエレベーターでアーサーに会う。

アーサーとは同じ階に住んでいるが、ほとんど接点がなく、片想いされる彼に尾行された。
それを追求すると、コメディアンである彼と親しくなり、ライブにも来て楽しんでいた。
アーサーの母親が倒れて病院に運ばれると、彼を心配して一緒に病室で看病していた。
最後は実はすべてアーサーの妄想で、まったく関係なく、家にいた彼を怖がって追い払った。

ペニー・フレック(演:フランセス・コンロイ)

代表作に『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』、『アビエイター』などがあります。

アーサーの母親。認知症気味で体が不自由。若い頃はウェイン家にメイドとして働いていた。

アーサーの介護がないと生活が困難な状態で、貧困な状況から脱しようと手紙を書いていた。
その内容は過去に世話となったトーマス・ウェインに援助を求めるモノで返事は来なかった。
アーサーがトーマス・ウェインの子供だと書き記すが、実際はすべて妄言だと判明する。
最後は人生を壊した元凶だとアーサーが理解し、彼により病院のベッドで窒息死させられた。

ランドル(演:グレン・フレシュラー)

代表作に『エヴァの告白』、『サバービコン/仮面を被った街』などがあります。

アーサーの同僚の大道芸人。大柄でアーサーに対して、フレンドリーな態度で接している。

看板を奪われて暴行まで加えられたアーサーを心配して、隠していた銃を彼に手渡した。
銃を持っている事が原因でアーサーがクビになると、自分は無関係だという立場を取った。
最後は母親を亡くしたアーサーの元に来るが、無敵の人になった彼に殺されてしまう。

ゲイリー(演:リー・ギル)

代表作に『スコーピオン・キング4』、『ヘッド・フル・オブ・ハニー』などがあります。

アーサーの同僚の大道芸人。小人症。ランドルと同じくアーサーにはフレンドリーに接する。

いつものようにランドルから小人である事を小バカにされ、みんなの笑い者にされている。
不気味なアーサーとは障害を持っている点で共通性を持っていて、本心から彼を心配する。
事務所をクビになったアーサーが立ち去っていくと、誰もしなかった慰めの言葉をかけた。
最後はランドルを殺したアーサーに恐怖を感じてしまうが、何もされずに逃げ出した。

マレー・フランクリン(演:ロバート・デ・ニーロ)

近年の出演作に『アイリッシュマン』、『嘘の天才/史上最大の金融詐欺』などがあります。

人気トーク番組「マレー・フランクリン・ショー」の司会者。テレビ業界では大物である。

アーサーを含めた多くの視聴者から人気を博し、番組では下品なトークは禁止している。
あくまで他人をネタにしていて、興味のある映像を番組中に流してツッコミを入れている。
アーサーを番組に招待し、ピエロのメイクを拒むスタッフと違い、大ウケすると賞賛した。
最後はアーサーが無敵の人となるべく、番組の放送中に頭を撃ち抜かれて死亡した。

トーマス・ウェイン(演:ブレット・カレン)

代表作に『ゴーストライダー』、『ダークナイト・ライジング』があります。

ゴッサムシティの名士で大富豪。ストライキが起きている街の為に市長選へ立候補した。

会社の部下たちがピエロに殺された事で、貧困層に問題があるという発言で物議を醸す。
エリート階層たちから支持を得ている反面、貧困層からデモを起こされるほど嫌われ者に。
アーサーがやって来て息子だと認めて欲しいと迫るが、母親の妄言として彼を殴って去った。
最後は暴動が起きる中で外に出ると、待ち構えたピエロのマスクをしたチンピラに殺された。

感想

[個人的な評価]

評価 :3.5/5。

本作はDCコミックスの『バットマン』に登場する最凶の悪役である『ジョーカー』を主人公にした作品となります。
『第76回ヴェネツイア国際映画際』にて金獅子賞を受賞し、『ゴールデングローブ賞』では主演男優賞を受賞しています。
とにかく、本作は昨今のアメリカン・コミックという枠を大きく超えた作品であり、歴史的に不変である問題を提示しています。
マーベルが展開するド派手でエンターテイメント全開の作品と違い、DCコミックスの作品は昔から暗くてどんよりした雰囲気があります。
それを上手く継承しながら社会派に近い作風にしたのは、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』だろうと思います。
主人公であるバットマン以上に、悪役のジョーカーを演じたヒース・レジャーが示した新たなキャラクターがアカデミー助演男優賞を受賞しています。
それ以前にもジョーカーを演じたジャック・ニコルソン、その後に演じたジャレッド・レトなども狂気を見事に演出していました。
そして、ついに“悪のカリスマ”であるジョーカーの単体映画が作られ、その重要な役を演技派俳優のホアキン・フェニックスが演じました。
世間の評判は非常が高く、必然的に期待値を上げてしまうが、あくまで自分自身の目で確かめないとなんとも言えなかった。
ハッキリ言って、本作は世間の評価は少し持ち上げすぎている感じがして、冷静に鑑賞するとジョーカーたるキャラクターとしての狂気が足りない気がしました。
それに加え、個人的に記憶しているジョーカーの持っている狂気は決して外的な影響ではなく、あくまで本来持っていたモノが覚醒しているイメージです。
なので、本作のジョーカーは完全に外的要素で形成されており、自分が思い描いているジョーカーとは少し違っています。
本作は他の作品との繋がりを無視しているので、ユニバースとしての制限を受けていないから自由度が高い分、ちょっとした矛盾も生じてしまっている。
なんと言っても、アーサー・フレックとブルース・ウェインの年齢差が気になってしまう。
原作の設定では両者はそこまで年齢が変わらず、同じ世代として善と悪に別れて戦っているので、本作だと親子ぐらいの違いもあって本来の形と違っています。
ある考証サイトでは本作のジョーカーはみんなが知っているバットマンの敵じゃなく、その師にあたる人物という考え方は面白いと思いました。
やはり、ホアキン・フェニックスの演技は凄まじく、劇中で何度も笑っていますが、ラスト以外の笑いは本心から笑っていない。
その昔、ティム・バートン監督の『バットマン』でジョーカーを演じたジャック・ニコルソンのセリフで「顔は笑っているが心は笑っていない」的な発言を見事に体現していました。
ただ、本作のジョーカーは劣悪な環境で形成されて持ち上げられただけのキャラで、強引にウェイン家に繋げたのはいらなかった。
ちょっとばかり余計な肉付けをしてしまった点、自分が持つジョーカーとのイメージの相違点など含め、残念ながら世間ほどの高評価にはならなかったです。
それでも、本作が世間に与えた衝撃は素晴らしいと思いますし、DCコミックスのイメージをしっかりと捉えているから今後はこの路線で突っ走って欲しいと思いました。

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