作品データ
公開年月 | 1980/01/11 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | バーナード・テイラー 『The Godsend』 |
監督 | ガブリエル・ボーモント |
脚本 | オラフ・プーリー |
製作 | ガブリエル・ボーモント |
製作国 | イギリス |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
子宝に恵まれたマーロー家は、ピクニックをしていた時に謎の女と出会って家に迎え入れる。
出産間近だった謎の女は急に産気づくと、そのまま妻のケイトが手伝って自然分娩で無事に赤ん坊を出産した。
翌日、謎の女は姿を消して赤ん坊を置き去りにして、マーロー家の一員として育てるが、数年後に子供たちが亡くなる事故死が連続するのだった。
登場人物&出演者

代表作に『失われた航海』、『必死の暗殺者』シリーズなどがあります。
主人公。マーロー家の大黒柱。有名なイラストレーター。妻のケイトからの願いで田舎暮らしをしていた。
謎の女が家にやって来ると、怪しいと思いながら出産して、赤ん坊を代わりに育てると決意する。
次々と実の子供たちが事故死していくと、その度に現場にいたボニーに対して疑いの目を向ける。
ルーシーに攻撃したボニーが危険だと判断するが、まったく信じない妻に手を焼いてしまう。
最後はルーシーが死亡して妻から別居されると、謎の女を公園で見つけるが見失っていた。

代表作に『ヒューマン・ファクター』、『仮面の殺意』などがあります。
ヒロイン。アランの妻。テレビ関係の仕事をしていたが、子育ての為に田舎へ引っ越している。
謎の女に声をかけて仲良くなると、そのまま家に連れて来るもアランに小言を言われていた。
出産して姿を消した謎の女に代わって赤ん坊を自分の子供として育て、次々と実子が亡くなる。
田舎から都会へ引っ越し、再びテレビの仕事を始めるが、夫がボニーを疑うも一切認めない。
最後はルーシーが目の前で高所から落下して死亡し、ボニーを見捨てないと宣言してしまう。

本作が長編映画デビュー作となります。
マーロー家の長女。他の兄弟と仲良く活動的な性格。いつも父親の傍にいるようなタイプ。
謎の女が産んで置いていった赤ん坊に「ボニー」という名前をつけた張本人。
末っ子の赤ん坊が原因不明の死を遂げると、代わりにいたボニーを正式に妹として認知する。
成長して都会へ引っ越してくるが、母親の愛を独占しようとするボニーに警戒していた。
最後は家でボニーと二人っきりになると、慌てて帰ってきた両親の前で高所から落ちて死亡。

代表作に『優雅な人々』、『拷問の魔人館』などがあります。
マーロー家を古くから診察している老齢の医師。謎の女が赤ん坊を産み落とすと、診察の為に連れてこられた。
子供を次々と亡くしているマーロー家を心配して、アランやケイトの元に来て話しを聞きに来る。
アランの話しを聞いていた時にケイトがやって来ると、離婚をしたい彼女の話しを聞いていた。
最後は別居してやつれたアランを心配するが、公園で謎の女を見た彼が走る姿を見ていた。

本作が長編映画デビュー作となります。
謎の女が産み落として置いていかれた赤ん坊。アランとケイトがそのまま引き取って実の娘として育てられる。
まだ赤ん坊だった頃に同じ時期に生まれたマーロー家の末っ子を無意識に殺害するも疑われず。
次に次男と一緒に川辺へ行くと、溺れた状態で発見されても手首の傷から助けられたと思われる。
都会へ引っ越し、母親を独占しようとルーシーを殺そうとするも失敗して父親に疑われる。
最後は父親を不妊にして母親の赤ん坊を流産させ、ルーシーを殺して、念願の独占を果たした。

代表作に『クリスマス・キャロル』、『ロード・オブ・クエスト/ドラゴンとユニコーンの剣』などがあります。
近所にいた出産間近の女性。ケイトと仲良くなって、そのまま家にやって来て話しをしていた。
たくさんの子供がいると抽象的な言葉しか言わず、ずっとマーロー家の様子を観察していた。
ロンドンからやって来て、友人の家に泊めてもらっていると話し、帰ろうとして陣痛が始まった。
そのままゲストルームでケイトの手伝いで自然分娩を果たして、無事に赤ん坊を出産した。
最後は何も告げず翌日に姿を消して、赤ん坊にショールを巻いた状態で置き去りにしていた。
感想
[個人的な評価]
本作は『呪われた血族』や『ダーク湖の怪獣』で知られるガブリエル・ボーモントが監督を務めています。
この作品は近年公開された『ビバリウム』に本作が似ている事から、カルト映画として認知されたようです。
まず、名前も聞かずに家へ他人を入れる行為自体にツッコミを入れるしかないが、それだけ物語が進みません。
とにかく、本作はツメの甘さを如実に出していて、大まかな構成から何をやりたいか分かるが、あまりにも大雑把すぎると思います。
主人公の夫婦は子宝に恵まれる幸せな一家だが、放置された赤ん坊を家族に迎え入れた瞬間から不幸が始まります。
三人も子供を失った夫婦とは思えないほど元気で、すでに過去の事として振り返らない時点でおかしいです。
子供に対する愛情がないように見えてしまい、本来なら体の一部を失うようなモノなのに何も思い出さないのは不自然すぎます。
このような描写が非常に多いので、謎の女が残した赤ん坊の怖さだけを追求して他を疎かにしたようにしか感じられません。
大抵の場合、母親がすぐ異変に気づくパターンが多いが、本作は逆で父親の方が異変に気づくような展開でした。
頑なに夫の話しを聞かない妻の心理状態がよく分からないし、客観的にみると製作側の都合に合わせているだけにしか見えなかったです。
やりたい事は充分に分かりますが、もう一度脚本を読み直すべきで、明らかにおかしな描写が多すぎると思いました。
それだったら、まだ『ビバリウム』を鑑賞した方がいいと感じずにはいられなかったです。
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