作品データ
公開年月 | 2011/11/02 |
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ジャンル | コメディ/ヒューマンドラマ |
原作 | なし |
監督 | エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ |
脚本 | エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ |
製作 | ニコラ・デュヴァル・アドソフスキ、ヤン・ゼノウ、ほか |
製作国 | フランス |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
パラグライダーの事故で首から下が麻痺した大富豪のフィリップは、新しい介護人の募集に場違いな雰囲気の黒人青年ドリスがやって来る。
スラム街に暮らすドリスは失業手当をもらう為で、腫れ物扱いされるフィリップはふてぶてしい彼の態度が気に入って採用する。
ドリスは介護の経験がなく、フィリップとは趣味や生活習慣がまったく違う世界だったが、そんな二人は次第に固い絆で結ばれていくのだった。
登場人物&出演者

代表作に『殺意の夏』、『唇を閉ざせ』などがあります。
主人公。大富豪。パラグライダーの事故で頚椎損傷し、普段は電動の車椅子で移動している。
何人も介護人を雇うも1週間しか続かない中、ドリスの変わった雰囲気に惹かれて採用。
当初は粗暴な人間と周囲が警戒するが、障害者として扱わないドリスを認めていた。
ドリスの後押しで半年も文通していた相手と進展し、彼の家庭事情を考えて契約を解消。
最後は発作を起こしてドリスを呼び、彼の演出で文通相手と食事を実現して感謝をした。

近年の出演作に『野性の呼び声』、『ウルフズ・コール』などがあります。
主人公。スラム街出身の黒人青年。失業手当を目的としてフィリップの介護人に募集する。
当初はイヤイヤで仕事をしていたが、徐々に教養あるフィリップと互いに影響を与える。
最初から気になっていたマガリーを口説き、何度も断られても諦めない心で挑戦した。
フィリップとも介護人以上の絆で結ばれ、複雑な家庭事情から重荷になる契約を解消。
最後は発作を起こしたフィリップを連れ出し、文通相手とのデートを実現して去った。

代表作に『ムッシュ・カステラの恋』、『ぼくを探しに』などがあります。
フィリップの助手で初老の女性。誰よりもフィリップの頑固さを知り、介護人を指導する。
試用期間で雇われたドリスを部屋に案内し、事情を知らない彼に淡々と説明をしていた。
スラム街出身で荷物に刃物を見つけると、周囲の人間にドリスの危険さを危惧していた。
ドリスの人の良さを認めるようになり、庭師との片想いを応援されてデートまで発展。
最後は発作を起こしたフィリップの為、契約を解消したドリスを呼んで気を利かせた。

代表作に『屋根裏部屋のマリアたち』、『パリの家族たち』がある。
フィリップの秘書。口述筆記を担当。介護人の面接ではフィリップの代わりに書類を読む。
面接の時からドリスに口説かれるが、まったく興味がないとして取り合わなかった。
試用期間でも何度かドリスから誘われ、承諾するような冗談を言うまでに認めていく。
ドリスが使っていた部屋に恋人を呼ぶと、自分がレズビアンと発覚して彼を驚かせる。
最後はなぜドリスの誘いをずっと断っていたのかをからかう態度で示し、笑顔で送った。

代表作に『ベティの小さな秘密』、『愛して飲んで歌って』などがあります。
フィリップの娘。実は養子でフィリップとは血縁関係がなく、親子関係も微妙な状態。
好き勝手にやっていて、似合わない派手なメイクをして、使用人たちを小バカにする。
ドリスの部屋にも勝手に入ると、怒られてしまうが、当然のように悪いとは思わない。
恋人にヒドイ言葉を言われて部屋に引きこもり、ドリスに話しをつけてくれと頼んだ。
最後はドリスから言われたフィリップに態度を改めるように言われ、何も言い返せず。

代表作に『イタリア式サッカー狂騒曲』、『ブラインド・デート』などがあります。
フィリップが健常者だった時から付き合っている長年の友人。常にフィリップを心配する。
新しく雇ったドリスの悪い噂を聞き、フィリップを呼んで忠告するも無視されてしまう。
フィリップか買った絵を売りつけられるが、ドリスの描いたモノと知らず高値で買った。
最後は文通相手とのデートから逃げたフィリップやドリスと、パラグライダーを楽しむ。

代表作に『行進』、『Girlhood』などがあります。
ドリスの弟。実際は養子だったドリスの従兄弟で、家に帰らず悪い連中と付き合っている。
母親や兄弟たちと会話をする事なく、帰ってきたドリスを無視して悪い連中と過ごす。
悪い連中と仲違いしてケガを負い、家に帰れずドリスかいるフィリップの豪邸に来た。
最後は家に戻ったドリスに従い、悪い連中と縁を切って、マトモな生活を送っていく。

代表作に『唇を閉ざせ』、『ブラインドマン/その調律は暗殺の調べ』などがあります。
半年に渡ってフィリップと文通していた女性。フランスの北にあるダンケルクに住む。
ドリスの後押しでフィリップか、電話を受けると、快く彼との会話を楽しんでいた。
写真を送って欲しいと頼んだが、障害者ではなく、健常者だった頃の姿を送られていた。
会うはずだった店に寄ったが、痺れを切らしたフィリップかちょうど出てすれ違いに。
最後は気を利かせたドリスからデートをセッティングされ、フィリップとの会話をした。
感想
[個人的な評価]
本作は『第37回セザール賞』にて主演男優賞を受賞し、作品賞、監督賞、脚本賞、助演女優賞、撮影賞、編集賞、音響賞にノミネートされています。
他に『第24回東京国際映画祭』のコンペティション部門にて東京サクラグランプリ、最優秀男優賞を受賞しています。
前から知っていて、いつか観ようと思っていた作品をようやく鑑賞した。
率直な感想として、もっと早く観るべきだったと思ってしまうぐらいの名作でした。
ネットでの評価を見ているだけで良作だと分かっていたが、なんだか重そうなイメージがあってなかなか鑑賞しなかった。
しかし、今回の鑑賞で面白いと評価された作品は本当に面白いのです。
実話を基にした作品ですが、ちょっとばかり設定が違っているようです。
介護人となるドリスは黒人だが、モデルとなったアブデルはアルジェリアからの移民という。
ただ、この設定の違いはそこまで物語に強い影響がなく、フランス社会へのメッセージとして人種を変えたのかもしれない。
高い評価を受けたオマール・シーの演技が自然体であり、個人的に持っていた暗いイメージと違っていて良かったです。
障害者の富豪を演じるフランソワ・クリュゼも相性が良く、珍しく邦題がしっかりと内容を表現していると感じさせました。
育った環境が違うだけじゃなく、趣味や肌良さの色も違っていのに、あそこまで気が合うのは素晴らしいと思いました。
お互いを必要として、支え合うだけに限らず、それぞれが成長するところもまたいいです。
まったく違う生活を送っていた二人だが、永遠に両者の関係が続けて欲しいと思わせるほどに微笑ましい関係でした。
ですが、そこはズルズルと続いてしまう男女の関係と違い、雇い主のフィリップが独占せず、ドリスの為に契約を解消した判断もお互いを思いやるからこそ彼の感情が分かる。
フランス映画はどこか気取った印象があるけど、このような砕けた感じもまたいいと思わせる作品で、観ていない人は是非とも鑑賞して欲しいぐらいオススメです。
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