作品データ
あらすじ
郊外で森林伐採業を営んでいたサントは、妻と娘のソフィアと平穏な暮らしをしていた。
ある日、ソフィアがサントの顔写真をSNSに投稿した事で、彼が過去に属していたマフィア組織に見つかって妻と義理の兄が暗殺される。
逃亡するサントはソフィアに自らの過去について告白し、妻と義理の兄の復讐、そして娘の安全の為に協力して立ち向かうのだった。
登場人物&出演者
・サント・ロメロ/ドメニコ・フランツェ(演:アレッサンドロ・ガスマン)
代表作に『トランスポーター2』、『泣いたり笑ったり』などがあります。
主人公。人里離れた家で妻と娘たちと平穏に暮らす。義理の兄とともに森林伐採業者を営んでいた。
娘がSNSに自分の顔写真を投稿したせいで身元がバレて、妻と義理の兄が殺され状況を知る。
パニック状態の娘に自分の過去を話すが、信じてもらえず勝手な行動を取られて負傷する。
反撃の為に娘とともにミケーレを捕まえるが、アンジェロを殺害しないと終わらないと判断。
最後はアンジェロの屋敷に侵入して殺害し、踏み込んできた警察の銃弾を浴びて死亡した。
・ソフィア・ロメロ(演:ジネーヴラ・フランチェスコーニ)
代表作に『ステイ・ホーム』、『Parents vs Influencers』などがあります。
ヒロイン。17歳の高校生でアイスホッケーをやっている。恋人もいて車の免許を取る為に父親から教えてもらう。
父親の顔写真をSNSに投稿したせいで身元がバレて、叔父と母親がルディたちに暗殺された。
一人逃げ延びて戻ってきた父親と合流するも信じられず、恋人を巻き込んで犠牲となった。
覚悟を決めて復讐を果たす為に協力し、アンジェロを倒すも父親の死で施設送りにされる。
最後は父親の復讐を遂げるべくミケーレの会社に入り、彼を簡単に殺害して難なく逃げた。
・ルディ・クリサラ(演:フランチェスコ・ヴィラーノ)
本作が長編映画デビュー作となります。
マフィア組織「ヌトランゲタ」のボスの右腕。アンジェロの指示を受けてフランツェの暗殺に繰り出す。
フランツェの妻と義理の兄を殺害して達成したと思ったが、本人じゃないと知って焦った。
ソフィアが電話で恋人を呼び出した事で仲間に知らせて任せるが、結局は逃げられてしまう。
フェラーリオのシステムでフランツェを見つけ、アンジェロから必ず殺すように言われる。
最後は油断してフランツェに足と腕をナイフで切られ、喉を刺されて苦しみながら死亡した。
・フェラーリオ(演:ガブリエレ・ファルセッタ)
代表作に『Eva Braun』、『ステイ・ホーム』などがあります。
アンジェロに雇われているハッカー。過去に政府の職員として働いた経験を持ち、現在は組織の為に働いている。
SNSに投稿された顔写真からフランツェを特定するシステムを作り、瞬時に居場所を知った。
フランツェが娘とともに逃げ出すと、アンジェロにシステムの強化を言い渡されて従った。
実は息子のミケーレと繋がり、父親が出した無茶な指示について報告して実行していた。
最後は施設に入ったソフィアの監視をしていたが、逃げ出した事をミケーレに伝えていた。
・ミケーレ・ロ・ビアンコ(演:アレッシオ・ブラティコ)
代表作に『マフィア・アンダーカバー』、『ザ・ルースレス/とあるマフィアの転落人生』などがあります。
マフィアであるアンジェロの息子。クアドラ社という会社を経営する社長で、組織の資金源として合法にやっている。
フランツェに兄弟を殺害され、父親が復讐の為に組織を動かしている事態を止めようとした。
結局は父親の暴走を止める事ができず、フェラーリオからの報告を聞いて金の管理をする。
反撃に出たフランツェによって簡単に捕まるが、彼が死亡して警察に保護されて生還した。
最後は施設にいたソフィアに挨拶するが、企みがバレていて会社に来た彼女に殺された。
・アンジェロ・ロ・ビアンコ(演:レモ・ジローネ)
代表作に『ヘヴン』、『フォードvsフェラーリ』などがあります。
マフィア組織「ヌトランゲタ」のボス。過去にフレンツェが息子を殺し、復讐の為に長年探していた。
ソフィアがSNSで父親の写真を投稿し、フェラーリオのハッキングで見つけ復讐を開始する。
叔父をフランツェと間違えいた手下たちに怒り、逃げた娘とともに始末するように言い渡す。
もう一人の息子であるミケーレから止められるが、彼の助言を無視して復讐に囚われていた。
最後は反撃に打って出たフランツェがやって来ると、抵抗できず首をヒモで締められて死亡。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品はイタリア産の親子による復讐劇を描いた内容となっています。
父親が元マフィアで過去を隠していたが、娘のせいで顔がバレて長年に渡って追っていた組織に見つかってしまうという展開になります。
イタリア映画という事でマフィアが関わっているのは分かるけど、これをアメリカのマフィアと言われても変わらないという点にオリジナリティがない。
せっかくのイタリア映画なのだから、もっと現地の雰囲気を作品に反映させないとアメリカの映画と同列になってしまう。
本作がイタリア映画だからこそ出せるオリジナリティを出さず、なぜ多くの作品があるアメリカと似たような雰囲気にしたのか分かりません。
作品のタイトルに「ヴェンデッタ」が入っているが、これはイタリア語で「復讐」を意味していて一応の内容とリンクさせています。
ただ、全体的に形としてできているけど、肝心の中身がスカスカで設定が上辺だけで深みがまったくありませんでした。
まず、メインとなる父親と娘の絆についてのエピソードが非常に少なく、ラストに訪れる悲しい別れに共感を持たせるには足りていなかったです。
娘も急な出来事で混乱するのは分かるが、あまりにも軽率すぎる行動で母親、叔父、恋人を死なせてしまっているから同情が湧きませんでした。
父親もちゃんと説明していないから悪いだろうけど、元凶と言ってしまえばおしまいだが、現実にすべてを変えたのは娘という事になりました。
そこから娘が現実を受け入れて父親に従っていくが、母親と叔父が巻き込まれたのは父親が原因だけど、恋人は明らかに彼女のせいだとしか思えない。
しかも、大事な人を失った悲しみの描写がほぼないから、本作の底が知れてしまう部分でもあったと思います。
やはり、タイトルは「ヴェンデッタ」ではなく、イタリア語で死神を意味する「ラ・モルテ」の方がしっくり来ると感じました。
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