作品データ
公開年月 | 2023/11/03 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | 日本昔話 『花咲か爺さん』 |
監督 | 浦崎恭平 |
脚本 | 浦崎恭平、川崎一真、ほか |
製作 | 叶井俊太郎、星野和子 |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
あるところに正直者のお爺さんが愛するお婆さんや愛犬ハルと一緒に暮らしていた。
しかし、隣人のいじわる爺さん一家は、次々と人を拉致して殺害する猟奇的な変態家族で、ある日ハルを殺害して燃やし灰にしてしまう。
悲しみに暮れながらハルの灰を手にした正直爺さんは復讐の鬼と化し、いじわる爺さん一家への逆襲を開始するのだった。
登場人物&出演者
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本作が長編映画デビュー作となります。
主人公。婚約者を連れて久しぶりに実家へ帰ってきた。家族とは疎遠であまり仲が良くないという。
家に帰ると異変に気づき、父親が目の前で人を殺害するもあまり動揺せず姉から説明される。
婚約者が逃げ出そうとして殺されるが、母親の死が自分のせいだと知って少し動揺していた。
姉の提案でハルが代わりに殺され、泣きながら遺灰を壺に入れて両手を火傷してしまう。
最後は両手の火傷を見た復讐の鬼と化したシゲオに見逃され、ソウタとともに家を出ていく。
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代表作に『櫻の園/さくらのその』、『Lost Harmony』などがあります。
タケオの長女でアンナの姉。臨月間近の妊婦。息子のソウタが母親の死を受けて笑顔を失くしている。
父親がソウタの笑顔を取り戻すべく他人を誘拐し、眼の前で殺害するも警察に連絡できず。
その後も次々と父親が人を誘拐して殺害するが、ソウタは笑顔を取り戻せず処理を任される。
妹のアンナが帰ってくると逃げるように催促するが、失敗してハルを生贄にするべきと提案。
最後は復讐の鬼と化したシゲオが登場し、陣痛が始まると父親にスコップで殺されてしまう。
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本作が長編映画デビュー作となります。
ミサキの息子。アンナが家出をして追いかけた祖母が交通事故に遭い、その場面で最後の笑顔を見せる。
今では父親が家族の実態を知って家を出てしまい、母親と祖父とともに実家に住んでいる。
感情を完全に失っている状態で一切会話をせず、いつもグロテスクな絵を描いている。
祖父が笑顔を取り戻すべく他人を誘拐して眼の前で殺害するが、まったく表情を変えない。
最後は復讐の鬼と化したシゲオが登場するが、なぜか見逃されて姉のアンナとどこかへ行く。
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近年の出演作に『鎮魂歌/たましずめのうた』、『エツコ・ブランニュー・デイ』などがあります。
いじわる爺さん。アンナとミサキの父親。自分勝手で借りたモノは返すのが面倒という主義。
妻が交通事故で死亡して以来、孫のソウタが笑わなく鳴って笑顔を取り戻そうとしていた。
道端で他人を誘拐して孫の前で殺害するも笑顔を取り戻せず、処理を娘のミサキにやらせる。
帰ってきたアンナを殺そうとするが、ミサキの代案でハルを殺害してシゲオにバレてしまう。
最後は復讐の鬼と化したシゲオにハルの遺灰を浴びせられ、死体の木として飾り付けられる。
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代表作に『デスフォレスト』シリーズ、『劇場版 ほんとうにあった怖い話2020/呪われた家』などがあります。
シゲオの妻。末期ガンで大量の薬を飲んで症状を抑えている。夫と愛犬のハルと散歩を日課にしている。
杖をシゲオに化した夫に返さないと言われると、甘やかしすぎだとやんわりと注意していた。
散歩中に桜が咲く季節が近づいていくと、元気に家族で一緒に見るという約束をしていた。
孫の笑顔を取り戻したいタケオにハルを貸した夫だが、家族だと強く訴えて返すように話す。
最後はタケオによってハルが殺され遺灰を見ると、絶望して薬を大量に飲んで自殺を果たす。
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代表作に『SP/革命篇』、『されど居酒屋/折り紙編』などがあります。
正直爺さん。妻のユリコと愛犬のハルと幸せに暮らしている。隣人のタケオとは友人で何かと面倒を見る。
身勝手なタケオの頼み事を断りきれず物を貸すが、当然のように一度も返してもらわらず。
末期ガンの妻の面倒を見ていて、必ず病気は治るとして家族で桜を見ようと約束していた。
孫の笑顔を取り戻そうとしたタケオにハルを貸すが、逆上して殺されて遺灰を手渡される。
最後は遺灰を体に付けて復讐の鬼と化し、タケオを殺害して人肉の桜を作って家族と眺める。
感想
[個人的な評価]
本作は「エクストリーム」と「オレオゾーン」がタッグを組み、日本の昔話を現代風にアレンジした作品となります。
この作品は「第5回学生残酷映画祭」にてグランプリを授賞した浦崎恭平が監督と共同脚本を務めています。
どうやら本作が第一弾となるべく作られた作品となっていますが、強引な上に無理やりすぎる設定で失笑を買うようなレベルでした。
本当に花咲か爺さんに登場する正直爺さんといじわる爺さんという設定だけで、ここまで曲解して作れるのは逆にスゴイと言えます。
バイオレンスな展開を前提に作っているせいで、リアルの世界が舞台なのにファンタジーとしか言えません。
こんな簡単に何人も殺人が行える日本の田舎は危険すぎる描写だが、これもアメリカ映画にも似たような設定だと思います。
それにしても、いじわる爺さんが殺人を行う理由があまりにも馬鹿げており、もう少し考えられなかったのかと感じました。
物語をあまり複雑にしたくないのは分かりますが、さすがに中学生が考えそうな設定のレベルではバイオレンスが幼稚に見えてしまう。
肝心のバイオレンスも予算がないせいで直接的な描写がなく、出演者たちの下手くそな恐怖の表情を映す残念な仕上がりとなっていました。
もちろん、出演者のほとんどがマトモな演技ができないが、唯一いじわる爺さん役の森羅万象だけは存在感がありました。
この日本昔話をバイオレンスにシリーズ化する悪趣味な試みはいいが、もう少しマトモな人材を起用して欲しいところです。
次は『恐解釈 桃太郎』となっていますが、これも当然のように期待できる作品ではない。
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