作品データ
公開年月 | 2017/10/20 |
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ジャンル | ホラー/サスペンス |
原作 | アrベール・サンチェス・ピニョル 『冷たい肌』 |
監督 | ザヴィエ・ジャン |
脚本 | ヘスス・オルモ |
製作 | デニース・オデル、マーウ・アルベラ |
製作国 | スペイン、フランス |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
夢破れた青年“友”は新しい気象観測員として南極海の果ての無人島へやって来る。
そこに暮らすのは彼と変わり者の灯台守グルナーの二人だけだと思っていた。
ところが夜が更け始めると、その島には大群の“人ではない生き物”たちが押し寄せてくるのだった。
登場人物&出演者
感想
[個人的な評価]
本作はアルベール・サンチェス・ピニョルの小説『冷たい肌』を基に作られています。
監督は『ヒットマン』などで知られるザヴィエ・ジャンが務めています。
本作は単純な異形の生物との戦いを描くサバイバルである一方、一緒に暮らしている女性型との微妙な関係も描いている。
これはギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』に通じるモノがある。
ただ、決定的に違うのは文明社会と離れた無人島で二人の男と異形の生物との関わりがまったく違う点だろう。
すでに灯台守となっていたグルナーは一方的に異形の生物は敵だと認識して、毎晩襲って来る彼らを殺していく。
まったく理由が分からないまま物語が展開していくが、主人公である友を通じて状況が分かるようになっていきます。
ただし、そこには異形の生物について解明されるのではなく、グルナーという人間が何者か分かる程度である。
『シェイプ・オブ・ウォーター』ではハッキリとして説明があったが、本作にはそれが一切なく哲学的な思想で終わっています。
ニーチェや宮本武蔵の言葉を引用している事からも、本作にはエンターテイメント性よりも原作が持つ思想に力を入れているのが分かります。
つまり、本作はストーリーとして謎が謎のまま終わっているが、主人公には文明社会を捨てて何かを得る事だけが描かれています。
そうなると単純な異形の生物との戦いに対する答えを求める人には納得できないラストになるかもしれません。
それに物語が面白い作りとは言えず、登場人物も男が二人、異形の生物のメスが一体だけで広がりがまったくないです。
比べられる『シェイプ・オブ・ウォーター』よりも数段面白さに劣っているが、哲学的な思想で考えさせる作品が好きな人なら楽しめるかもしれない。
個人的には興味深い内容であるが、異形の生物はなんでもいい状況になっているので、そこら辺はスッキリしないから微妙な印象を持った作品です。
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