【アナトミー】VD-619

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あ行

作品データ

公開年月 2000/02/03
ジャンル ホラー/サスペンス
原作 なし
監督 ステファン・ルツォヴィツキー
脚本 ステファン・ルツォヴィツキー
製作 ヤーコプ・クラウゼン、アンドレア・ウィルソン、ほか
製作国 ドイツ
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

医学界で確固たる地位を得る祖父に負けじと、名門医科大学の解剖研究セミナーに見事合格した女子学生のパウラ。
厳しい授業も一生懸命にこなすパウラだが、ある日、実習の教材として手術台に横たわる死体が最近知り合ったばかりの青年だと気付く。
青年の不自然な死にパウラは疑問を持ち、周囲の警告にも耳を貸さず、究明をしているうちに違法な薬品“プロミダル”と秘密結社“AAA!”の存在を突き止めるのだった。

登場人物&出演者

パウラ(演:フランカ・ポテンテ)

代表作に『ラン・ローラ・ラン』、『死霊館/エンフィールド事件』などがあります。

主人公。ミュンヘンの医大に通っている女子大生。祖父から続く医者の家系で解剖学を専攻している。

試験で国内2位の成績になった事でハイデルベルク医大に研修医として留学が決定して喜ぶ。
心臓病を持つ青年を助けたが、彼が解剖の標本になって不可解な死について調査を始めていく。
アンチ・ヒポクラテス連盟の存在を知り、倫理観のない研究を行っている事を間違いと指摘する。
最後は連盟を裏切って暴走するハインに狙われるが、反撃で倒し、カスパーと仲良くしていた。

カスパー(演:ゼバスティアン・ブロンベルク)

代表作に『レボリューション6』、『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』などがあります。

ハイデルベルク医大に研修医としてやって来た。肉屋の祖父から肉の見分け方を習った事を自慢していた。

他の研修医と違って恋愛より勉強を優先したいパウラに近づき、積極的に下半身での反応を待つ。
パウラが助けた青年に刻まれた印がアンチ・ヒポクラテス連盟のモノだとすぐに答えていた。
その正体は医大に潜り込んだ歴史学の大学生で、目的は貴重な医学書を手に入れる為だけだった。
最後はパウラとともに捕まってしまうが、ハインを倒した事で腹部を切られて程度で生還した。

グレッチェン(演:アンナ・ロース)

代表作に『コアラのいたずらキッチン』、『Alle Nadeln an der Tanne』などがあります。

ミュンヘンの医大からやって来た研修医の一人。パウラと同じ列車に乗ってハイデルベルク医大に行くと知って仲良くなる。

医大の研修医とは思えないほど常に欲求不満であり、ハイデルベルク医大では男漁りを敢行する。
勉強に専念したいパウラを何度も誘うが、断られるとハインと付き合って勉強は二の次になる。
ハインをあっさりと振ってしまうと、今度はフィルと付き合って解剖室でイチャイチャをする。
最後はハインの逆恨みで生きたまま解剖され、パウラの前に完璧な標本として見せられてしまう。

フィル(演:ホルガー・スペックハーン)

代表作に『エニグマ奪還』、『Blutzbrudaz』などがあります。

ハイデルベルク医大の医学生。他の大学から来る研修医の受付をして部屋を割り振っていた。

軽い調子の性格で、新しく来た研修医たちに死体を使ってイタズラを仕掛ける事が最大の喜び。
大学内ではイタズラ好きとして知られるが、ハインを振ったグレッチェンといい感じになる。
部屋でイチャイチャしようとしたが、まさかのインポでグレッチェンが何度もチャレンジする。
最後はグレッチェンを取られたハインの逆恨みで殺され、首を切り落とされて解剖の標本となる。

ハイン(演:ベンノ・フユルマン)

代表作に『悪霊喰』、『世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方』などがあります。

ハイデルベルク医大の医学生。他の医大から来た研修医たちを出迎える。勉強の他に体を鍛える事が好き。

研修医たちでバーに話していると、すぐにグレッチェンと仲良くなって彼女にハマってしまう。
飽きてしまったグレッチェンに捨てられると、パウラに相談するがカスパーに勘違いをさせた。
その正体はアンチ・ヒポクラテス連盟の一員で、規則を破って学生を殺して自ら脱退をした。
最後はグレッチェンを標本にして、パウラまで狙うもカスパーの邪魔と反撃によって倒された。

グロムベック教授(演:トラウゴット・ブーレ)

代表作に『定めなき女の日々』、『バーグラーズ/最後の賭け』などがあります。

ハイデルベルク医大の教授で解剖学では第一人者。レベルの高い授業を敢行して学生たちを振り落としている。

パウラの祖父が学部長だと知っているが、あくまで実力勝負と考えて親の七光りは通じない。
列車でパウラが助けた青年の検死で異常な血液の状態から、疑問に持たれても追求を許さない。
その正体はアンチ・ヒポクラテス連盟の現会長で、標本は死ぬ予定の人間しか使っていない。
最後は殺人を犯したハインを警察沙汰にすると脅迫するが、待ち構えた彼にあっさりと殺された。

感想

[個人的な評価]

評価 :2.5/5。

本作はドイツの映画で2000年度では国内興行収入第1位を記録した作品となります。
この作品はタイトルである「アナトミー」とは、英語で「解剖室」や「生体実験」の意味を持っています。
つまり、本作を象徴するようなストレートなタイトルであり、ドイツの医学の裏でありそうな出来事を描いています。
生きたまま標本にするシーンが強烈なインパクトを持っていて、解剖学をテーマにしているので生々しいセリフがかなりあります。
多分、これは医学生たちの間で当たり前の会話だろうが、一般の人が聞くとグロテスクすぎて厳しいかもしれない。
医学生たちにとって普通の会話であっても、一般社会に置いて表現が生々しすぎて距離を置かれるだろうという演出がありました。
ただ、なぜ本作をティーン映画のような内容にしているのか分からず、ホラーの演出は古き良きヒッチコックを彷彿とさせる。
両者の要素は別々ではいいと思うが、どう考えてもティーン向けの構成ではヒッチコック風の特徴は合いません。
そもそも、医学生というのは相当の勉強量をこなさないといけないので、普通のティーンとは違うと思っています。
なので、本作で下半身を優先に行動する研修医たちの行動に違和感しかなく、解剖学という内容を軽視しているような印象を持ちました。
更に秘密結社の要素も出てくるので、どの設定も上手く溶け合っておらず、歪すぎる展開に内容がとっ散らかっている感じがしました。
医大生の恋愛描写をやりたいのか、秘密結社の恐ろしさをやりたいのか、解剖学の深さを示したいのか、全部が中途半端にやってしまっている。
作品の本質からすれば、まず恋愛描写がいらないし、テンポを悪くして物語の要素を薄くする逆効果しかなかったと思う。
恋愛描写を抜きにしても、秘密結社と解剖学の繋がりが強引すぎて、思いついた設定をただ繋ぎ合わせているだけで何も面白くない。
唯一、人体の標本だけはインパクトがあって良かったので、これを中心に物語を構築すれば面白くなっただけに残念でした。

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