作品データ
あらすじ
わずかな物音や気配を察知して人間を襲う謎の怪物によって荒廃した世界、アルヘルは深い森の中で父と兄と妹の四人で暮らしていた。
病気がちな妹を看病するアルヘルは、父親の言いつけで生まれてから一度も家をから出た事がなく、外の世界に憧れを持ちながら群れる怪物に怯える日々を送っていた。
ある日、食料の調達へと向かった父たちだったが、兄は怪物にさらわれてしまい、アルヘルは探し出そうと外へと出て行くのだった。
登場人物&出演者
・アルヘル(演:アリオシャ・ソートニコフ)
本作が長編映画デビュー作となります。
主人公。深い森に住む一家の次男。いつも家の中で家族でのかくれんぼを楽しんでいる。
マルコスの話を聞く前に行方不明となり、父親に尋ねるも詳しい説明を聞く事ができず。
ルチアーナの言葉を聞いて父親を不審に思い、勝手に部屋を調べようとするもバレる。
チコたちの登場で父親に対する不信感を持ち始め、最終的にルチアーナと家を出た。
最後は正体不明の怪物に怯えてしまい、結局は家に帰って父親と同じ生活を再開する。
・ルチアーナ(演:カミラ・ロバートソン・グレニー)
本作が長編映画デビュー作となります。
深い森に住む一家の末っ子。いつも絵を描いていて、ビンの中に好きなモノを集めている。
病気を患っていてアルヘルが面倒を見ていて、父親の部屋で怪物を見つけてしまう。
マルコスの代わりにアルヘルが外に行くと、家の中で一人だけ二人の帰りをずっと待つ。
父親の部屋に何かあるとアルヘルに教えるが、その後は病気の進行で寝たっきりになる。
最後はアルヘルとともに家から出るが、怪物に怯えた彼と戻って父親に出迎えられた。
・マルコス(演:フェルナンド・アルバレス・レベイユ)
代表作に『パラドクス』、『Clases de Historia』などがあります。
深い森に住む一家の長男。家の中でのかくれんぼを楽しむ一方、外にいる怪物の正体を知る。
出かける前にアルヘルに何かを話そうとしたが、外に出たまま行方不明になってしまう。
最後はアルヘルの前に幻として現れ、チコからすでに死んでいる事実を知らされる。
・グスタヴォ(演:ブロンティス・ホドロフスキー)
代表作に『リアリティのダンス』、『エンドレス・ポエトリー』などがあります。
深い森に住む一家の大黒柱。外は危険だと子供たちに注意する。片足が不自由になっている。
行方不明になっていたマルコスを探すも見つけられず、アルヘルたちを説明しない。
アルヘルが自分の部屋を調べていると察知し、一緒に外へ出た時に強い口調で怒った。
ヴィオボたちをまったく信用せず、ルチアーナを人質にした瞬間に容赦なく射殺した。
最後は家から出たアルヘルたちを追い、戻ってきた彼らを温かく迎え同じ生活に戻る。
・チコ(演:メラキ・プラディス)
代表作に『The 4th Company』などがあります。
ヴィオボと一緒に行動していた少女。森でマルコスを探していたアルヘルに出会った。
ヴィオボと同じく数日間何も食べておらず、アルヘルに食べ物を恵んでもらおうとした。
お情けで食事するが、アルヘルを気絶させたせいでグスタヴォにより木に縛られる。
グスタヴォの気が変わって家に入れると女だと分かり、縛られるも食事はもらっていた。
最後は家を出たアルヘルを助けるが、一緒に行かない彼より先に行って何かに殺された。
・ヴィオホ(演:アレハンドロ・ヴィリー)
代表作に『Katy, Kiki y Koko』、『Las tinieblas』があります。
一人で外に出てマルコスを探していたアルヘルが出会った老人。チコと一緒に行動する。
アルヘルに食べ物を恵んでもらう代わりにマルコスの居場所を教えようと持ちかける。
最後はグスタヴォの情けで食事をもらうが、ルチアーナを人質に取って射殺された。
感想
[個人的な評価]
本作は『メキシコ・アカデミー賞』や『フェルタム映画祭』、『モレリア国際映画祭』にて多数の受賞とノミネートをしています。
話題となった『クワイエット・プレイス』に先駆けて公開された似た作品となっています。
数多くの映画賞を受賞していて、メキシコ映画としても大ヒットしているようだが、どうしても邦題に怪しさを持ってしまう。
本作は冒頭からすでに世界が始まっていて、何も分からない状況の中で深い森に住む一家の生活を見ていきます。
その中で主人公である次男が長男の失踪から父親を不審に思い始め、そこから怪物の正体を知っていくという物語です。
中盤まで父親の保護下にあった主人公は動かないが、ようやく動き出すと物語は少しだけ中身が判明していく。
基本的に本作は謎である怪物の正体がなんなのか予想しながら観ていき、主人公はいなくなった兄を探したいという目的がある。
しかし、父親の目的がまったく分からず、正体不明の怪物から子供たちを守るだけで詳しい事は一切口にしません。
ラストで怪物の正体が分かると思って期待したら、まさかの投げっぱなしジャーマンをモロに食らいました。
つまり、本作は物語の中核を担っている怪物の正体は分からないまま終わり、父親の目的も判明しないまま終わります。
何も解決しないまま消化不良で終わってしまう作品で、自分としては納得ができません。
製作側の意図的な仕掛けなのか、単純に何も思いつかなかったのか、どっちにしても最悪の結末と言えるだろう。
まさに時間のムダだと思わせるような展開だが、唯一の救いとしては出演者たちの演技はちゃんとしていた点だけ。
彼らはきちんとした演技をしているから最後まで鑑賞できたが、ストーリーだけで見たらクソの中のクソと言いたい。
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