作品データ
あらすじ
国が出入りを禁じる北の地“ペサ郡”で「婆猪衛(パジョえい)」の女真族15人の遺体が発見され、将軍であるミン・チロクは人間の仕業だと知りつつ虎の仕業として処理する。
近隣のポノ村に対してチロクは虎の仕業の噂を流すよう指示を受ける中、タハプ村長の娘アシンは病気の母や弟たちの為に“死者を生き返らせる草”を取りに行く。
しかし、村へ帰ると女真族の首長たちに村が焼き払われ、村人も皆殺しになり、天涯孤独となったアシンは朝鮮軍営で下働きしながら成長していくのだった。
登場人物&出演者
・アシン(演:チョン・ジヒョン)
近年の出演作に『暗殺』、『ベルリンファイル』などがあります。
主人公。朝鮮軍営で置いてもらい一人で生きてきた。狩りをして屠殺処理をしながら、弓矢の腕前を磨いてきた。
朝鮮の兵士が寝床にやって来ると拒否しようとしたが、脅迫を受けて仕方なく体を許した。
「婆猪衛」の偵察をしていたが、四肢を切断されて生かされていた父親を見つけて介錯した。
チロクが自分の村を婆猪衛に売った事実を知り、山参を使ってゾンビで朝鮮軍営に復讐する。
最後は朝鮮軍営を全滅させ、王朝にゾンビを作る方法を教え、婆猪衛の首長に矢を向けた。
・アシン/少女時代(演:キム・シア)
代表作に『虐待の証明』、『キル・ボクスン』などがあります。
ペサ郡の近くにあるポノ村の村長の娘。病気の母親と弟がいて、看病しながらペサ郡の山で花を取りに行っていた。
父親から立ち入り禁止の土地だと怒られるが、過去に朝鮮の王から与えられた場所と知った。
朝鮮軍営の密偵として女真族の村に行く父親に対し、危険な仕事だとして何度か言っていた。
女真族の殺害がきっかけで報復する首長のアイダガンが村を襲い、天涯孤独になってしまう。
最後は朝鮮軍営のチロクに懇願して置いてもらい、弓矢の腕と密偵として活動をしていく。
・タハプ村長(演:キム・レハ)
代表作に『支離滅裂』、『殺人の追憶』などがあります。
アシンの父親でポノ村の村長。朝鮮に帰化した女真族で城底野人の一族で、中途半端な立場から朝鮮族から軽蔑される。
昔の朝鮮の王からペサ郡の山を与えられたが、現在は立ち入り禁止となって土地を移った。
王朝から官職を手に入れる為に貢ぎ物などをして、婆猪衛の密偵として偵察を行っていた。
チロクによって婆猪衛の殺害の犯人にされ、首長に村を壊滅させられ捕まって監禁された。
最後は四肢を切断された状態で生かされ、アシンと再会するも殺すように頼んで死亡した。
・ミン・チロク(演:パク・ビョンウン)
代表作に『男と女』、『安市城/グレート・バトル』などがあります。
朝鮮軍営の将軍。ペサ郡の山で女真族である「婆猪衛」の死体を発見し、それがチョ・ボミルの仕業だと知った。
婆猪衛との揉め事に発展させない為、虎の仕業としてタハプ村長に広めるように指示した。
仲間が殺された婆猪衛がゾンビ虎を倒し、朝鮮で死んだとして報復を聞き咄嗟にウソをつく。
ポノ村で唯一の生存者となったアシンの話しを聞いて、お情けで朝鮮軍営に置くと対応した。
最後はポノ村を婆猪衛に売った張本人で、出陣している間に朝鮮軍営がアシンに破壊された。
・チョ・ボミル(演:チョン・ソグォン)
代表作に『秘密のオブジェクト』、『隻眼の虎』などがあります。
領議政のチョ・ハクチュの息子。敵前逃亡した罰として、辺鄙な場所であるペサ郡の近くにある朝鮮軍営にいる。
食事を楽しんでいたところにチロクがやって来ると、ペサ郡の山で婆猪衛の死体を聞いた。
チロクに犯人だと見抜かれてしまい、山は自分たち一族のモノだと主張するも否定された。
逆ギレしてチロクを脅したが、まったく通じず逆に警告を受けるような状態になってしまう。
最後は出陣の為にチロクと朝鮮軍営を出るが、婆猪衛の死体の矢だとアシンに見抜かれた。
・アイダガン首長(演:ク・ギョファン)
代表作に『モガディシュ/脱出までの14日間』、『キル・ボクスン』などがあります。
女真族の「婆猪衛」の首長。朝鮮の北部に散っていた女真族を集め、1万人の兵力を得る巨大な部族となっている。
ペサ郡の山で仲間が殺されたという情報を手に入れ、事実を探る為に偵察の兵士を出した。
偵察に出た兵士がチロクからポノ村が裏切ったと知って、報復の為に村人を虐殺していった。
虎の噂を広げる為に村へ来ていたタハプ村長を捕らえ、四肢を切断させて生かしていた。
最後は復讐しようとするアシンが前に立ち、弓矢を向けられても怖気づく事なく見ていた。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品はキム・ウニとヤン・ギョンイルによる漫画『神の国』を実写映画化しています。
Netflixではオリジナルでドラマシリーズをやっていましすが、打タイトルは知っていても一度も鑑賞した事がないです。
なので、本作がシリーズのスピンオフ映画でありながら、前日譚となるのでドラマを鑑賞しなくても大丈夫なようです。
前半はアシンの少女時代を描いていて、時代背景とともに主人公の一族たちがどのような立場かを描写していました。
一応はゾンビ映画のジャンルになりますが、基本的に中身は復讐劇となっていて、あくまでゾンビはオマケという程度でした。
韓国の映画なのでストーリーで勝負しており、前半では特に城底野人という人々がどのような苦しい状況にあるか分かります。
当時の朝鮮は日本による侵略を受ける状態で余裕がなく、その隙を狙おうとする女真族という脅威の存在も描いています。
後半になるといよいよアシンが成長した姿としてチョン・ジヒョンが登場するが、ほとんどセリフを話す事がありません。
立場的に弱者で朝鮮軍営において村の全滅でお情けに置いてもらっているが、主人公には基本的な人権がないような感じとなります。
弓矢の腕前も兵士に負けない上に狩りも出来て、父親のように女真族の密偵として活動して復讐の機会を狙っていく感じです。
ただ、そこで真実を知って自分を置いてもらった朝鮮軍営こそが真犯人と分かると、ついに主人公が復讐を果たそうとゾンビまで使って壊滅させる展開となる。
あくまでドラマへ繋げるような前日譚で、チョン・ジヒョンが演じたアシンもシーズン2の終盤に登場しているらしい。
続編はドラマシリーズの方になりそうなので、映画版としてはさすがの韓国映画という安定感だったと思います。
ただ、唯一の問題として最近流行っている暗黒画面が多く、肝心なシーンではほとんど見えないのは本当に萎えてしまいます。
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