【獣の棲む家】VD-582

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洋画

作品データ

公開年月 2020/01/27
ジャンル ホラー
原作 なし
監督 レミ・ウィークス
脚本 レミ・ウィークス、フェリシティ・エヴァンス、ほか
製作 エイダン・エリオット、マーティン・ジェントレス、ほか
製作国 イギリス
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

戦火の南スーダンを逃れ、イギリスに亡命を申請した若き夫婦。
新しい家で人生をやり直そうとする二人だが、この家には忌まわしき闇が潜んでいた。

南スーダンの民族紛争から逃れたボルとリアールの若い夫婦は、イギリスの難民収容所からの独立が決まる。
用意された家は決して良い環境ではないが、地獄のような状況にある故郷には帰らない固い決意を持っていた。
しかし、家に移り住んでからボルとリアールは壁の中から声が聞こえると、彼らの周囲で不気味な現象が起き始めるのだった。

登場人物&出演者

ボル・マジュール(演:ショペ・ディリス)

代表作に『スノーホワイト/氷の王国』、『クリミナル/2人の記憶を持つ男』などがあります。

主人公。南スーダンの民族紛争から逃れ、イギリスに亡命してきた。故郷では銀行員をしていた。

なんとか移民として認めてもらう為に順応しようとするが、過去の出来事に頭を悩まさせる。
自分たちの罪を認めるリアールと違い、白人たちに迎合するせいで二人が仲違いしていく。
違う家に引っ越したいとマークに相談するも精神不安定を見抜かれ、罪と向き合う事を決意。
最後はニャガクを含めた死者たちを受け入れ、リアールと和解して前向きになっていた。

リアール・マジュール(演:ウンミ・モサク)

代表作に『愛を複製する女』、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』などがあります。

ヒロイン。南スーダンの民族紛争を逃れてイギリスに亡命した。夫と新たな人生を歩むと決意していた。

難民収容所を出て家に引っ越すが、劣悪な環境で引いていたが順応しようと努力していた。
同じく黒人でもイギリス生まれの仲間から侮辱を受け、過去の罪について向き合っていく。
罪を認めていたが、迎合する夫と仲違いしていき、故郷に帰るべきだと考えを改めてしまう。
最後は夫とともにニャガクを含めた死者たちを受け入れ、イギリスで暮らす事を決意した。

ニャガク(演:マラーイカー・ワコリ=アビガバ)

本作が長編映画デビュー作となります。

ボルとリアールの娘。故郷から亡命する際、海を渡る時に落ちて泳げずに溺死してしまう。

移民として試されるボルとリアールの前に亡霊として現れ、恨みのあるような目つきをする。
実際はボルとリアールが亡命する為に利用された他人で、勝手に娘として連れ去られていた。
海を渡る時に溺死してしまうが、本当の娘じゃない事からボルたちがすぐに諦めていた。
最後は他の死者たちを受け入れたボルとリアールの前に立ち、彼らをじっと見ていただけ。

マーク(演:マット・スミス)

代表作に『ターミネーター:新起動/ジェニシス』、『高慢と偏見とゾンビ』などがあります。

難民収容所の職員。イギリスへの亡命を希望するボルとリアールを新たな家に迎えてルールを説明した。

自分が住んでいる家よりも広いというメリットを話すが、実際は掃除ができていなかった。
ボルがやって来ると、引っ越したいと言われるも理由が曖昧で精神不安定だと見ていた。
心配になってボルの家を訪れると、リアールの魔術師の話しを聞くも上には報告しなかった。
最後は壁を修復して落ち着いたボルとリアールを見て、彼らを心配するも余計な事を言わず。

アペル(演:ハビエル・ボテット)

代表作に『死霊館/エンフィールド事件』、『スレンダーマン/奴を見たら、終わり』などがあります。

夜の魔術師。南スーダンに伝わる恐ろしい存在。スーダンの子供ならば誰でも知っている怖い存在。

伝承では老人の姿をしていて、ホームレスの男を助けたせいですべてを奪われてしまった。
その正体は夜の魔術師であって、すべてを奪ったホームレスに呪いをかけて追い続けていた。
ボルが犯した罪に対して、肉を削ぎ落として渡せばニャガクを蘇らせると取引を持ち出す。
最後はボルを支配しようとしたが、戻ってきたリアールに退治され、彼らの前から消えた。

感想

[個人的な評価]

評価 :2.5/5。

本作はNetflixで独占配信された作品となります。
南スーダンで起きた民族紛争を逃れる為に一組の夫婦がイギリスに亡命するという物語になります。
これは決してフィクションではなく、実際に数多くある事実をベースにしています。
ただ、本作はあくまでホラー映画の範疇であって、現実的な物語ではないという感じです。
難民となった主人公夫婦がようやく認められて、収容所を出て移民として生活を始めていくところから物語が始まります。
その中で夫婦が過酷な環境で暮らしていく展開だったら、よくあるパターンでオリジナリティはあまりない作品になってしまう。
しかし、本作はアフリカにあるオカルトを持ち込んでくる事によって、他の作品とは大きく違う感じになっています。
移民として認めてもらう為に順応しようとする夫と、過去の出来事を冷静に受け止める妻との温度差が徐々に出てきます。
イギリス政府に認められる為に問題を起こさない事が一番だが、この夫婦が亡命するまでにやってしまった事実が重くのしかかります。
これをアフリカの魔術師について表現されているが、彼が生き延びる為に他人を利用した事が語られていきます。
それを魔術師による呪いと揶揄して、夫婦が他人を利用した事を受け入れるか、受け入れないかを抽象的に表現していました。
一見して小難しい事をやっているようだが、これを現実的に置き換えると、構造がよく分かると思います。
実際に夫婦は助かる為に他人の子供を使ってバスで避難し、海を渡る時に二人は助かるも子供は死んでしまう。
その後悔が夫婦にのしかかって、これを呪いとして表現していて、彼らが犯した罪を背負っていく覚悟を描いています。
本作はオカルト風に表現して、夫婦が犯した罪の重さを映像で見せていますが、あくまで彼らの心を映し出している。
難民として故郷を失い、移民として他国で暮らしていくのは覚悟が必要だと思いますが、それ以上に戦禍を逃れる事も苦痛を伴う現実も分かってきます。

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