ケイト・クロス

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▼オリジナル小説

Scene.25 ―「未来という名の、まぼろしだった」

──風が、通りすぎた。 ……その風は、もはや熱も匂いも、誰にも届けようとはしていなかった。  乾いた瓦礫の上をなぞるように、細かく砕けた粒子を巻き上げては、ただ世界の記憶を遠ざけていく。──何もかもが過ぎ去ったあとの空気だった。 崩れかけた...
▼オリジナル小説

Scene.16a ―「君の目に、答えを映して」(前編)

【戦術端末:J-JJ_02】【観測ノード:H1……ログ同期中……】「……ん? 今、誰かの観測ログが……?」 ジャン=ジャック・ジャカールの指が止まった。 それは本来、彼に届くはずのものではなかった。無記名の観測ログ。だが帯域には、見覚えがあ...
▼オリジナル小説

Scene.13a ― 「観測断片:Δ.H1」

【補助観測ログ M-05】 観測対象ログΔ.H1──再現率:0.00003%/信頼値:未定義。 本記録は、世界政府・観測局直属ノードM-05による補助観測の断片記録です。 このログには、主観的観測と感情的混入の兆候が確認されており、再解析に...
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Scene.10 ―「ふれたとき、それはまだ動いていなかった」

【<REFLOG–Δ.H0> : OBSERVE MODE / TEXT-ONLY】【EVA──「通信接続。対象:リク・ロクジョウ。感情変動値 0.42 ― 安定域外」】 灰色の夕凪が、廃ドーム都市をゆっくりと撫でていた。空はどこまでも鈍色...
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Scene.6a ― 「観測断片:Δ.H0」

【補助観測ログ M-04】 本記録は、統律特命局傘下の記録端末M-04による自動送信記録である。  観測対象ログΔ.H0──再現率:0.02%/信頼値:不明。 本記録には、映像・音声・触覚・熱源データの一部が欠落しています。 衛星通信は安定...
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