【ミセス・ノイズィ】VD-659

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作品データ

公開年月 2020/12/04
ジャンル サスペンス/コメディ
原作 なし
監督 天野千尋
脚本 天野千尋、松江佳紀
製作 井出清美、上村泰之、ほか
製作国 日本
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

夫と幼い娘と暮らすスランプ中の小説家である吉岡真紀は、郊外のマンションに引っ越して心機一転を誓った。
しかし、そう簡単に筆が進むワケじゃなく、その原因は隣の住人である若田美和子の常軌を逸した騒音。
その後も美和子の嫌がらせめいた言動が続き、苛立つ真紀の怒りが収まらず、ついには小説のネタとして反撃に出るのだった。

登場人物&出演者

吉岡真紀(演:篠原ゆき子)

代表作に『共食い』、『女たち』などがあります。

主人公。小説家。スランプを解消するべく心機一転の為に郊外のマンションに引っ越してきた。

文学賞を受賞した作品以降、上手く書けずに焦っているような状態で心に余裕がなくなっている。
隣人の美和子が朝早く布団を叩く事から口論し、従兄弟のアイデアで小説のネタにしてしまう。
小説と動画が話題になって人気者になるが、美和子の夫が自殺未遂した事で犯人扱いを受ける。
最後は美和子と和解を果たし、騒ぎを起こした責任から引っ越し、生まれ変わった小説が売れる。

吉岡裕一(演:長尾卓磨)

代表作に『踊る大捜査線 THE MOVIE3/ヤツらを解放せよ!』、『アウトレイジ/最終章』などがあります。

真紀の夫。音楽関係の仕事をしている。スランプ中の妻をいたわるが、自分の仕事もあってマイペースにやる。

引っ越して早々に妻から隣人とのトラブルについて聞くが、話半分でほとんど聞いていなかった。
娘がどこかへ行って心配していたが、美和子が連れてくると、妻のヒステリーに引いていた。
自分の事しか考えられない妻の暴走についていけず、マトモな助言もせずに離婚の危機を迎える。
最後は妻が反省した事から仲直りし、責任を取って引っ越す事で心機一転でやり直す事になる。

吉岡菜子(演:新津ちせ)

代表作に『3月のライオン』、『駅までの道をおしえて』などがあります。

真紀と裕一の一人娘。引っ越したばっかりで友達がおらず、何かと家にいる母親に甘えていた。

スランプ中の母親が小説に没頭していたせいで構ってもらえず、外に出て一人で遊んでいた。
公園に行こうとしたところで美和子が面倒を見るが、母親のヒステリーでトラブルに発展する。
誕生日に母親がずっと美和子の悪口を言って、ついに父親と揉めた事で泣き出してしまう。
最後はマスコミに追われる中で母親と美和子が和解し、茂夫のお見舞いして引っ越す事になる。

多田直哉(演:米本来輝)

代表作に『キサラギ』、『悪の教典』などがあります。

真紀の従兄弟。フリーターで就職は負け組だと考えている。普段はデイトレーダーをしていると話す。

実際はマトモな仕事をしておらず、真紀のサイン本を勝手に売って金を少しだけ稼いでいた。
隣人トラブルを小説のネタにするべきだと提案し、二人のケンカを動画にして金儲けをしていた。
炎上商法で稼ぎを大きくしようと別の動画を出すが、茂夫の自殺未遂で真紀が犯人扱いとなる。
最後は問題を起こした自覚が一切なく、金稼ぎの仕事が一つ減った程度としか認識していない。

若田茂夫(演:宮崎太一)

代表作に『ボディ・ファンドされた女』シリーズ、『こども食堂にて』などがあります。

美和子の夫。息子を失ったせいで心の病気を患っている。体中に虫が這うような幻覚を見てパニックになる。

その為に妻がやって来て大袈裟に布団を叩いて払った事になって、ようやく安心していた。
顔に落書きしていた菜子が家にやって来ると、真紀の小説をオススメされて読んで感動していた。
動画のせいで妻が悪者にされる事をインターネットで知って、プレッシャーで自殺未遂を起こす。
最後は後遺症なく回復すると、真紀が妻の為に送ってくれた小説を受け取って机に置いていた。

若田美和子(演:大高洋子)

代表作に『どういようもない恋の唄』、『フタリノセカイ』などがあります。

真紀の隣に住んでいる中年女性。心の病気を患っている夫の看病をして、野菜の仕分けパートで家計を支える。

夫の為に布団を叩いて虫を追い出していたが、小説を書いていた真紀と口論に発展してしまう。
子供をほったらかしにする真紀に注意するもヒステリーを起こされ、ブチ切れて変人扱いになる。
動画のせいで悪者になってしまい、夫が自殺未遂を図って真紀たちを見て助け舟を出していた。
最後は和解した真紀から小説のモデルにする許可を出し、本を貰って笑って泣いて感動していた。

感想

[個人的な評価]

評価 :3.5/5。

本作は『第32回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門にて出品された作品となります。
この作品は「騒音おばさん」と話題になった『奈良騒音傷害事件』をモデルにして作られたようです。
まず、上記の事件についてですが、マスコミは一方的に「騒音おばさん」が悪者として連日テレビで叩いていました。
映像を撮影した側を完全に被害者として扱い、布団を叩いて大声で騒ぐ「騒音おばさん」が加害者という風に報道していました。
まだ当時はそこまでネットが普及していなかったが、ようやく意見が言えるような環境になって状況が逆転しています。
確定した情報ではなく、テレビがずっと被害者だと言っていた側が実は加害者で、「騒音おばさん」の方が被害者じゃないかと言われている。
ここら辺の真相は当事者たちにしか分からないが、これこそがテレビを筆頭にしたマスコミの正体だと分かります。
とにかく、外から見える部分と実際に当事者たちが抱える問題の部分、これが必ずしも合致しているワケじゃないという教訓になります。
物事を批判する前に両者の訴えをしっかりと把握した上で、自分の意見を述べるべきだと映画の中で言っていると思います。
印象的なのは「騒音おばさん」のモデルとなった隣人の言葉で、自分たちじゃなく世の中がおかしいという点だろう。
特に昨今では個人に対する誹謗中傷が多くなっていて、それに加担する人間でどれだけ本質を見抜いているの疑問が残ります。
本作はあくまで映画なので上映時間の関係上、表現を割愛している部分があるけど、一つの教訓として頭に叩き込むべきだと言える作品でした。

コメント

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