作品データ
あらすじ
プエルトリコにカテゴリー5の巨大ハリケーンが上陸しようとする中、警察官のコルディーロとジェスは自宅で待機するよう住民を説得していた。
そんな二人を手こずらせるのは元警察官のレイ・バレットで、マンションの自室から娘の説得ですら動こうとしなかった。
同じ時、ジョン・ザ・バプティスト率いる強盗団がマンションに押し入ると、コルディーロは応戦する中でついにレイ・バレットが動くのだった。
登場人物&出演者
・コルディーロ巡査(演:エミール・ハーシュ)
近年の出演作に『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などがあります。
主人公。警察官。ニューヨークで警察官をしていたが、犯人と思って相棒で恋人を射殺してプエルトリコに異動した。
誤射で恋人を殺した事を後悔していて、自殺を考えるも実行できずに無気力な日々を送る。
ハリケーンで避難拒否するマンションに来ると、強盗団に遭遇してトロイと逃げ回っていた。
聖ヨハネに捕まってしまうが、グリフィンの部屋に案内して肉食獣を使って倒す事に成功。
最後はグリフィンの調書ついでに診察していたトロイを誘い、見事にデートの約束ができた。
・トロイ・バレット(演:ケイト・ボスワース)
近年の出演作に『ザ・ドメスティックス』、『ソムニア/悪夢の少年』などがあります。
レイの一人娘。医者をしている。マンションから避難しない父親を説得するも、ずっと無視されていた。
人工透析が必要な父親の為に近くの病院を予約するが、拒否されて困っていた状態になる。
ペットのせいでケガしたグリフィンの為に応急処置の道具を取りに行き、強盗団と遭遇した。
目の前で父親が亡くなるもコルディーロといい感じになって、グリフィンと脱出を果たす。
最後は入院するグリフィンの診察をして、調書を取りに来たコルディーロの誘いに乗った。
・ペーニャ巡査(演:ステファニー・カヨ)
代表作に『Yucatan/ユカタン』、『天から舞い降りたメロディ』などがあります。
ゾーン2を担当している女性警察官。ハリケーンで避難拒否する人間を連れ出す為にコルディーロと出動する。
もっとやり甲斐のある部署への異動を出しているが、なかなか受理してもらえず悩んでいる。
仕事を拒否していたコルディーロを説得して、マンションから避難しないレイの元に向かう。
マンションに強盗団がやって来ると、レイと協力して倒そうとするも失敗して捕まった。
最後はグリフィンの部屋に向かい、肉食獣を聖ヨハネたちに襲わせて無事に生還を果たした。
・レイ・バレット(演:メル・ギブソン)
近年の出演作に『コンティニュー』、『博士と狂人』などがあります。
マンションに住んでいる元警察官。警察にいた時は署長をしていて、数々の表彰を受ける実力者だった。
頑なにマンションから出ようとせず、コルディーロたちがやって来ても一切耳を貸さない。
マンションに聖ヨハネが来ると、彼らが元相棒が追っている強盗団と見抜きペーニャと動く。
異動したいペーニャに助言しながら動いていくが、油断したせいで腹に穴を開けられる。
最後は油断して聖ヨハネに蜂の巣にされ、駆けつけたトロイに言葉をかけて静かに死亡した。
・グリフィン(演:ウィル・キャトレット)
代表作に『Charm City Kings』、『Brothers in Atlanta』などがあります。
マンションに住んでいる黒人男性。スーパーで50キロの肉を買い占めようとして他の客とトラブルになる。
駆けつけたコルディーロたちに事情を説明できず、ペットに餌を与える事から連れて行く。
実は黒人というだけで20回も職務質問されており、肉食獣に警察官を襲わせる訓練を施す。
ペットに足を食いちぎられ、トロイの応急処置を受けて、二人でマンションを脱出した。
最後は入院先でコルディーロたちと再会し、パウルの所有していた絵画をもらっていた。
・パウル(演:ホルヘ・ルイス・ラモス)
代表作に『ラム・ダイアリー』、『ザ・ヴェッセル』などがあります。
マンションに住んでいる老人。近所付きがほとんどなく、住民たちから謎の老人として知られている。
電子ロックと監視カメラを設置する用心深く、避難を促してきたコルディーロたち拒否した。
強盗団が管理人を射殺すると、危険だとしてコルディーロたちとグリフィンの部屋に行く。
実はドイツ人で父親がナチで絵画を所有し、それを聖ヨハネたちに狙われてしまっていた。
最後は聖ヨハネたちを絵画がある部屋に連れて行くと、用なしになって頭を吹き飛ばされた。
・クルーズ(演:ジョクサン・ラモス)
代表作に『Dirty Shield』、『チェ/28歳の革命』などがあります。
有名な強盗団に所属するメンバーの一人。レンズが分厚いメガネをかけている。メカニックに通じている。
手下をコマのようにしか思っていない聖ヨハネにとって、その中で一番信頼している。
マンションにやって来ると、パウルが住んでいた部屋の電子ロックを解除しようとする。
結局は失敗して爆薬で吹き飛ばし、地下にあった金庫を開けるも空で聖ヨハネに報告した。
最後はグリフィンの部屋にやって来ると、解き放たれた肉食獣に発砲するも食われたらしい。
・聖ヨハネ(演:デヴィッド・ザヤス)
代表作に『16ブロック』、『スカイライン/征服』などがあります。
有名な強盗団のリーダー。宝石店、美術館、現金輸送車など金になるところを見境なく襲っている。
とある老女が買っていた絵画に目をつけると、それを売っている老人を知って計画を立てる。
手下を単なるコマとしか考えておらず、失敗すると迷う事なく射殺してその場を去っていく。
マンションで老人を探すもコルディーロたちのせいで見失い、ずっと手下にキレていた
最後は欲張ってグリフィンの部屋に行くと、彼の飼っていた肉食獣に襲われて食い殺された。
感想
[個人的な評価]
本作は兄弟で映画製作していたマイケル・ポーリッシュが一人で監督を務めています。
タイトルとジャケットからメル・ギブソンが出ているので、そのような感じになってしまったと思います。
当然ながら原題の方はまったく違っていたが、なぜここまですべての要素を中途半端に処理したのか分かりません。
まず、メル・ギブソン目当ての人が多いだろうが、なんの為に出てきたのか分からないし、必要なかったと思います。
元警察の署長で頑固者という設定はいいけど、マンションに乗り込んできた強盗団と対等にやり合うと思ったら一瞬で退場してしまった。
スケジュールの問題なのか、予算オーバーしてしまったのか、あんな中途半端な使い方するぐらいなら使わない方が良かった。
そのせいで主人公であるコルディーロの立場がなく、物語を3つの視点した意味がまったくなかったです。
次にカテゴリー5のハリケーンが来ていると言っているが、ずっとマンションの中にいるから危機感が今ひとつ伝わらない。
時間制限という意味でハリケーンを使ったと思うが、明らかに失敗していて、単純に画面が見にくくなっているだけしか効果がなかった。
更に登場人物についても、主人公が過去の失敗で後悔し、病気の元警察署長、ワケあり差別される黒人、父親がナチで絵画をたくさん所有、異動したい実績のない女性警官などなど。
それなりに考えたと思いますが、どれも設定だけで終わっていて、物語に食い込む意味がほとんどなかったです。
全体的に見た目だけで物語に対して、本当に必要なモノがなく、そのせいでちゃんと使い切れていない理由になりました。
ハリケーンの恐ろしさはなく、父親を亡くした娘の悲しさは数秒程度、肉食獣を飼っている意味が良くわからないなど、メッキのような演出ばっかりでした。
どうせなら、メル・ギブソンを主人公に据えて、マンションに侵入してきた強盗団を倒していく単純なストーリーの方がよほど面白いと思うぐらいです。
期待していなかったけど、思っていた以上に中途半端な構成になっていて、この監督は兄弟で黙って活動した方がいいと思いました。
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