【ビヨンド】RE-3844

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洋画

作品データ

公開年月 1984/04/29
ジャンル ホラー
原作 なし
監督 ルチオ・フルチ
脚本 ルチオ・フルチ、ダルダーノ・サケッティ、ほか
製作 ファブリッツィオ・デ・アンジェリス
製作国 イタリア
鑑賞方法 レンタルDVD

あらすじ

1927年、ルイジアナ州のホテルに滞在していた画家が村で起きる怪奇現象の原因と言われ、村人たちの襲撃を受けて凄惨なリンチの末に処刑された。
それから54年後、閉鎖されたホテルを相続したライザは、営業再開に向けて改修工事を進めていたが、奇妙な出来事が次々と起こり始める。
実は現世と地獄を繋ぐ7つの門が存在し、その1つがホテルの地下にあり、シュワイクが番人で崩壊する地獄の門から死者が蘇っていくのだった。

登場人物&出演者

ライザ(演:カトリオーナ・マッコール)

代表作に『ベルサイユのばら』、『キズ・オブ・ザ・ブラッド』などがあります。

主人公。廃墟と化したホテルを相続する。ホテルの歴史を知らず、営業を再開させる為に改修工事をさせる。

踊り子や秘書など色んな仕事をしても成功せず、叔父の遺産であるホテルにすべてをかける。
作業員の事故や水道業者の死があっても廃業するつもりがなく、何事もなく開業を目指す。
エミリーから警告を受けても無視するが、磔の死体を見た事で恐怖を感じ取るが何もできず。
最後はゾンビの襲撃を受けてジョンと病院まで逃げるが、地獄に行き着いて盲目となった。

ジョン・マッケイブ医師(演:デヴィッド・ウォーベック)

代表作に『新ロビン・フッド物語』、『サスペリア2000』などがあります。

ライザが改修工事させるホテルで作業員が事故を起こし、水道業者が死亡した事で診察と解剖をやっていく。

道中でライザに遭遇して食事に誘うと、彼女がホテルの営業再開にかける思いを聞いていた。
気になってホテルに行くと、磔になった死体を見たと言われて確認するも古い釘しか見ず。
ホテルの隣りにある廃屋を調べると、エイボンの書を見つけて座ってじっくりと読んでいた。
最後はライザを助けて病院に行くもゾンビが襲い、逃げ回ると地獄に迷って盲目になった。

ジル(演:マリア・ピア・マルサラ)

代表作に『College』、『ふたりの女』などがあります。

水道業者の娘。父親がライザのホテルで死体で見つかってしまい、母親と一緒に解剖室までやって来た。

外で待機していると母親の悲鳴を聞いて解剖室に入ると、液体で顔が溶ける瞬間を見ていた。
解剖室から出られずドアを開けると死体が落ちて、悲鳴を上げるもどうする事ができず。
両親を亡くして墓地での葬式で励まされるが、すでに両目が盲目となって解剖室に戻った。
最後は解剖室に逃げたライザたちと合流し、彼女を襲うとジョンに頭を吹き飛ばされた。

エミリー(演:サラ・ケラー)

代表作に『ビヨンド・ザ・ダークネス/嗜肉の愛』、『ルチオ・フルチのホラー・ハウス』などがあります。

ホテルの隣りにある家に住んでいる盲目の女性。シュワイクが何者か知っていてライザに警告していた。

車を走らせるライザの前に立ち止まっていて、彼女に挨拶をして家まで送って行ってもらう。
ライザがシュワイクが殺された部屋を解放すると、それを感じ取って何かをずっと見ていた。
家で待機していると、シュワイクがゾンビを引き連れて家にやって来て必死に助命をした。
最後は盲導犬がゾンビたちを追っ払ったが、シュワイクの仲間になり噛み殺されてしまう。

シュワイク(演:アントワーヌ・セント・ジョン)

代表作に『夕陽のギャングたち』、『暗殺の詩/知りすぎた男どもは、抹殺せよ』などがあります。

60年前のホテルに住んでいた画家。村で数々の災いが起きた原因として村人たちに目をつけられてしまう。

限界に達した村人たちがホテルの部屋に来ると、問答無用に凄惨なリンチを受け埋められた。
ホテルの地下で水道屋が見つけると襲撃して殺害し、解剖室に運ばれると仲間を増やした。
裏切っていたエミリーの家までやって来ると、盲導犬に襲われるが仲間にして殺させた。
最後は病院でライザとジョンを追い込み、彼らを地獄の門まで誘導し盲目にして仲間にした。

感想

[個人的な評価]

評価 :2.5/5。

本作はルチオ・フルチ監督によるゾンビ映画の3作目となります。
この作品はモチーフに「クトゥルフ神話」や「エイボンの書」などが使われています。
まさにルチオ・フルチ監督の特徴が大爆発した感じで、特に最大の魅力である眼球への執拗な執着が顕著になっています。
王道のゾンビ映画とは違った「クトゥルフ神話」に出てくる「エイボンの書」を中心に、オカルト色の強い内容となっています。
物語自体は非常にゆっくりなテンポになっていて、肝心の地獄の門についての展開は終盤になってようやく動く感じです。
それまでは思わせぶりな伏線がずっと張られ、決して派手じゃない地味な展開は少し退屈に感じてしまう。
ただ、独特な雰囲気で進んでいくゾンビ映画としても興味深く、そこに悪魔的なオカルトが絡んでいく独自路線も悪くないと思います。
問題は終盤になって一気にゾンビたちが出てきて、あの『サンゲリア』での一貫した提示を本作でも引き継いでいます。
あくまで地獄の門を題材にして入り口を開くのがメインとなっていて、それが始まるまでの物語だから動きがあまりない。
ゾンビはあくまで動きをつける為にあるギミックであり、メインじゃないから過度に期待すると肩透かしを食らってしまう。
要所で見せていくルチオ・フルチ監督のこだわるグロテスクな描写があって、単発でありながらインパクトを残しています。
本作はハッキリした描写というよりは、クトゥルフ神話のような曖昧なモノをベースにしているから得体の知れない雰囲気が最初から最後まで流れています。
ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画と違った方向性であって、視覚的な映像もまたルチオ・フルチ監督の得意分野だと分かる作品でした。

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