作品データ
あらすじ
裏社会で密輸業をしているカイは、警察官で父親の介護をする弟のチャオに長年船乗りと偽っていた。
ある日、義兄弟のマークは岡本率いる東京のヤクザ組織に麻薬の密輸を持ちかけられ、殺しと麻薬をやらないカイは断ってしまう。
その結果、カイは組織内で対立するピージャの仕組んだ罠にハマってしまい、チャオに逮捕されるのだった。
登場人物&出演者
・カイ(演:ワン・カイ)
代表作に『レイルロード・タイガー』、『嫌疑人X的献身』などがあります。
主人公。裏社会でボスであるハの下で密輸業をしている。殺人と麻薬には絶対関わらない。
日本人との取引で仲間が麻薬に手を出し、罠にハメられ、弟に逮捕された事で絆が絶たれる。
釈放してから堅気になるが、弟分のマークの言葉やチャオが襲われた事でブチ切れる。
ハの息子が密輸業を引き継ぐが、麻薬にも手を染めていて、女も取られて捕まえていた。
最後はチャオを助ける為にマークと乗り込み、ケガしながもチャンたちを倒して逮捕された。
・チャオ(演:マー・ティエンユー)
代表作に『ストーブレイカーズ/妖魔大戦』、『Jian jun da ye』などがあります。
カイの弟。警察官。認知症となった父親の介護をしている。船乗りのカイを尊敬している。
カイが取引で罠にハメられると、たまたま現場で食事をして捕まると裏切りに気付いた。
兄のせいで家が襲撃され、そこにいた父親が殺されてしまうと恨みをずっと抱いていた。
カイが裏社会と繋がると思って監視すると、捜査の邪魔になってチャンに捕まってしまう。
最後は助けに来たカイとマークたちと和解して、チャンたちを倒すと兄をまたも逮捕した。
・マーク(演:ダレン・ワン)
代表作に『台北セブンラブ』、『レイルロード・タイガー』などがあります。
カイとともに裏社会で密輸業をしている。元々は台湾の孤児でカイによって拾われている。
カイを本当の兄と慕っていて、何があっても変わらない関係を続けようと誓っていた。
仲間の裏切りでカイが捕まると、復讐を果たすが、日本人のヤクザに足を撃たれてしまう。
本当の兄弟で恨んでいるチャオの対応に怒り、腑抜けとなったカイにも一喝をしていた。
最後はチャオを助ける為にカイと協力し、大ケガを負いながらもチャンを見事に倒した。
・チャン(演:ユー・エイレイ)
代表作に『Wu song da wo』、『Chong ai』などがあります。
裏社会で船による密輸業をするハの息子。一人前になる為にカイとともに取引へ向かう。
仲間の裏切りで警察に追われるが、ボスに忠義を尽くすカイによって逃げる事に成功した。
ハの跡を継いで日本人との取引で麻薬を運ぶ事で、以前よりも態度が大きくなっていた。
麻薬捜査班となったチャオが嗅ぎつけていて、兄であるカイに止めるように言っていた。
最後はカイに捕まるも父親を撃って、恨みを晴らそうとするが、マークに撃たれて死亡した。
・ハ(演:ラム・シュー)
代表作に『カンフーハッスル』、『アイスマン』などがあります。
裏社会で船による密輸業をしている。殺人と麻薬以外の事に手を出して信頼を得ている。
忠義を尽くす部下を大切にしていると主張し、幹部であるカイを特に信頼していた。
仲間によって裏切られたカイが体を張って息子を守り、堅気の仕事を用意してくれた。
息子を捕まえたカイとの取引をするべく、チャオの妻と彼自身を人質にしてしまう。
最後は息子との交換をするが、裏切られて撃たれると、死ぬ前に色々と爆破していた。
感想
[個人的な評価]
本作は1986年にジョン・ウーが監督を務めた『男たちの挽歌』のリメイクとなります。
オリジナルの方は随分と前に鑑賞しているので、残念ながら内容はほとんど覚えていない。
しかし、内容を覚えていなくても作品が持っていた男臭さと熱さは未だに覚えています。
何より『香港ノワール』という新しいジャンルを作った作品というところも覚えています。
このようにキーワードだけで記憶しているけど、オリジナルが持つ面白さは分かっています。
そんな本作は32年の時を経てリメイクされましたが、ハッキリ言って、オマージュが見られるけど本質を分かっていない。
多分、現代に合わせた作風にしてしまったせいで、本来オリジナルが持っていた魅力をすべて殺してしまっています。
「男臭さ」と「熱さ」が圧倒的に足りず、ハードボイルドさもなく、なんだか爽やかさを狙った用に見えてしまいます。
無骨であっても男の友情を越えた兄弟の絆があって、どんな事があってもそれは絶対に変わらないはずでした。
ですが、本作はセリフで言っているだけの薄っぺらさで、登場人物たちから兄弟の絆を感じさせる場面はなかったです。
それにオリジナルでジョン・ウー監督が打ち出した独特なアクションもなく、普通すぎて見どころがほとんどない。
何一つとしてオリジナルに勝るところがなく、リメイクした意味がまったく分かりません。
今の時代では確かに香港ノワールは流行らないかもしれないが、これを現代風にアレンジできなかった製作側の責任が大きい。
それならば、オリジナルと同じような「男臭さ」と「熱さ」を敢えて再現した方がよっぽど良かったのかもしれない。
ただ、これは現代に合わせた結果というならば、仕方ない部分があるけど、それならオリジナルの方を鑑賞して欲しいです。
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