作品データ
あらすじ
サイモンは12歳の息子フィンを連れて田舎町へやって来た。
別れた妻とニューヨークで暮らす息子との久々の小旅行とともに、サイモンが購入した古びた家の改修しようと考えていた。
家の修理を始めて間もなくサイモンは前の住人だったリディアが“魔女”と呼ばれ、その由来について知るとともに恐怖のどん底に落とされるのだった。
登場人物&出演者
・サイモン(演:アレックス・ドレイパー)
代表作に『ジョシュア/悪を呼ぶ少年』、『リクイッド・ウッズ/樹海』などがあります。
主人公。別れた妻と息子がニューヨークで暮らし、自身はボルチモアの田舎で家を購入して転売をしようとする。
息子との時間を過ごすと同時に修理する為に家へ連れていくが、殺人動画について聞いた。
修理を進めていた事でリディアが実体化し、それを目撃して息子と慌てて家を飛び出した。
ルイスの警告を無視し、息子に化けたリディアの訴えを聞いて、家に残る事を決意した。
最後はリディアの代わりになると話し、心臓病で椅子に座ったまま死んで魂を残していった。
・フィン(演:チャーリー・タッカー)
代表作に『ザ・タウン』、『ザ・ボーイ/絶望の少年』などがあります。
サイモンの息子で母親のビバリーとニューヨークで暮らす。殺人の動画を見たせいで母親から注意を受けている。
父親と久々に会って田舎にある家まで来ると、一緒に修理を手伝って曰く付きと期待する。
ルイスから前の住人であるリディアが死んだと聞かされ、一人喜んで強気な言動を見せた。
実体化したリディアを見つけ父親に報告し、スマホで撮影するも何も映らずビビっていた。
最後は母親の元に帰され、父親が死亡した事で家に戻ってくると、その存在を感じ取った。
・ビバリー(演:アリヤ・バレイキス)
代表作に『その土曜日、7時58分』、『パージ』などがあります。
サイモンの別れた妻。ニューヨークで息子のフィンと二人暮らしする。息子の安全について心配している。
家を出ていったサイモンに対して不満を持ち、息子を守るのが大変だとアピールしていた。
息子が殺人動画を見た事実を知って、ブチ切れてスマホを持たせるも見せる約束をする。
サイモンから家が危険として息子が帰ってくると、電話をしてニューヨークにいると話した。
最後はサイモンが亡くなって家を引き取ると、望んでいた家族での暮らしを感じ取っていた。
・ルイス(演:グレッグ・ノートン)
代表作に『Bad Blood』、『The Independents』などがあります。
サイモンが購入した家の近所に住んでいる中年の男性。電気の修理工でサイモンから仕事を頼まれていた。
勝手に家へ入る許可をもらっていたが、地下室でサイモンたちに出くわしてビックリさせる。
家の外に出て湖を見ていると、家にあった出来事についてサイモンたちに説明していた。
実はリディアの幽霊を何度も見ていて、そのせいで夢遊病になって電気の配線を切っていた。
最後はまたしても夢遊病で家まで来ると、心臓の病で死亡していたサイモンを発見した。
・リディア(演:キャロル・スタンツィオーネ)
代表作に『NY心霊捜査官』、『悪夢のいけにえ』などがあります。
サイモンが購入した家の前の住人。周囲から“魔女”と呼ばれていたほど不気味な存在として知られていた。
夫と子供を農具の機械の事故で亡くし、自身も椅子に座ったまま心臓発作で死亡したという。
サイモンたちが家を修理したおかげで実体化して、椅子に座った状態で彼らの前に現れた。
修理する事で強く実体化すると、フィンに化けてサイモンに残るように強く言い放っていた。
最後はサイモンが家に残ると話し、ようやく自由になれるとしてニューヨークに姿を現した。
感想
[個人的な評価]
本作は『モリン・デ・レイ/ホラー映画祭』にて作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされています。
この作品は『リクイッド・ウッズ/樹海』や『WE GO ON/死霊の証明』で知られるアンディ・ミットンが監督と脚本を務めています。
いわゆるハウス系ホラー映画の一本であり、当然ながら低予算で作られているので派手なシーンはほぼありません。
しかも、登場人物は片手で収まる程度で、基本的に父親と息子が物語の大半を占めているような作品となっています。
こういうハウス系ホラー映画は主人公の家族がメインとなって、超常現象に立ち向かうようなパターンだが、本作はちょっと違ったアプローチになっている。
父親が田舎で家を購入するという流れは王道であるけど、そこから修理して転売する目的はちょっとだけ違っていました。
でも、実際は別れた妻とよりを戻し、再び家族として一緒に暮らしたいという純粋な気持ちが乗っているのは後から判明していきます。
購入した家は曰く付きというよりは、以前に住んでいた女性が“魔女”として有名なだけでそこまで恐ろしいイメージはない。
昔から知っている隣人から警告されるけど、実際に幽霊が登場しても直接的な危害を加えてくるワケじゃないのです。
そうなってくると、主人公は最初ビビっていたが、次第に幽霊の目的について知っていくと家の秘密が明かされていくのです。
サブタイトルでネタバレにしているような感じとなっていて、誰かが家に魂を残すという意味で「呪縛の連鎖」という風になっていると言えます。
結局、主人公は家族ともう一度住む為のチャンスだと捉えていて、その呪縛を受け入れていく展開もまた興味深いです。
結果的に主人公は死を迎えてしまうが、それは家に魂を残す意味であって、別れた妻と息子がやって来て一緒に暮らす事になる。
主人公が死ぬというバッドエンドに思える展開だが、実際はハッピーエンドとも言えるような終わり方かもしれない。
登場人物が少ないからこそドラマ性を深掘りできており、低予算のハウス系ホラー映画でもちゃんとしている方がでした。
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