作品データ
あらすじ
北の警察署に転属した初日のマーティンは、相棒となるモンテシノスとともに囚人を護送する仕事に就く。
しばらく走行していたが、先導していたパトカーが何者かの襲撃を受け、護送車もタイヤがパンクして停止してします。
外の様子を見に行った相棒が倒れ、マーティンは護送車の中に戻ると、一人の囚人を引き渡す無線が入るのだった。
登場人物&出演者
・マーティン(演:ハビエル・グティエレス)
代表作に『マーシュランド』、『嵐の中で』などがあります。
主人公。北の警察署に転属してきた警察官。妻と二人の娘を持つ。ルールに従うべきだと考える真面目な人間。
転属した初日に囚人の護送となったが、指示した警察官から楽な任務だと言われていた。
誘導するパトカーが何者かに襲われてしまい、モンテシノスも倒れて護送車の中に避難した。
襲撃したのが元警察官のミゲルだと知り、法律を厳守するべきだと言ってナノを助けた。
最後はナノがミゲルの言う通りだと分かって、娘の遺体の居場所を聞き出して辞職をした。
・モンテシノス(演:イサック・フェリス)
代表作に『Hole/ホール』、『ラスト・デイズ』などがあります。
北の警察署に所属する警察官。左耳にピアスをして、他の仲間から署長に怒られるとして言われていた。
ちょうど着替えていた時にマーティンがやって来ると、相棒になるとして挨拶を交わした。
囚人の護送で危険人物がミハイだけだと説明し、簡単な仕事だとマーティンに言っていた。
護送車がミゲルの襲撃で強制的に止まると、外の様子を見に行くが撃たれて倒れてしまう。
最後は目を覚まし護送車を追うも壁に激突し、ミゲルに見守られながら静かに死亡した。
・ミゲル(演:カラ・エレハルデ)
代表作に『ネイムレス/無名恐怖』、『インベーダー・ミッション』などがあります。
元警察官。ナノと兄弟同然に育ったチノを捕まえ、一方的に暴行を加えて生き埋めにした。
ナノを乗せた護送車を先導するパトカーの警察官を殺害し、次に護送車を強制的に止めた。
囚人たちと連絡を取ってナノを渡せば自由にすると話し、マーティンの銃は弾切れと言った。
護送車を凍った湖に落とすが、逃げ出すナノを見つけて追いかけるもマーティンが邪魔する。
最後はマーティンが事情を知ってナノから娘の遺体場所を聞き出し、ようやく解放された。
・ラミス(演:ルイス・カイェホ)
代表作に『命の相続人』、『静かなる復讐』などがあります。
護送される囚人の一人。盗みなどをした軽犯罪者。何度も捕まっている経験からスムーズに物事を進める。
尻の穴の中に釣り糸と釣り針を隠していて、マーティンたちの身体検査を余裕でパスした。
護送車がミゲルの襲撃を受けると、独房から出て他の囚人を解放し、マーティンを追い込む。
ミゲルによって護送車が凍った湖に沈められると、マーティンを運び出してなんとか助けた。
最後はドミニカで必ずバーを開くと豪語し、命を助けられたマーティンが見逃して逃亡した。
・ゴラム(演:アンドレス・ヘルトルディクス)
代表作に『スパイラル・バイオレンス』、『永遠のこどもたち』などがあります。
護送される囚人の一人。重度のドラッグ中毒者。常に文句を言っていて、何度もマーティンたちに寒いと話す。
ミゲルによる襲撃を受けると、ドサクサに紛れて独房を出たラミスによる解放された。
ナノを引き渡せば自由にしてもらえると聞いて、他の囚人たちとマーティンを追い詰めた。
ミゲルによって護送車が凍った湖に沈められると、非常口があるとしてマーティンを助ける。
最後は水没した護送車の奥に落ちた手錠のカギを見つけるが、体の限界により静かに死亡。
・レイ(演:エドガル・ヴィットリーノ)
代表作に『Ex-Patriot』、『It Snows in Benidorm』などがあります。
護送される囚人の一人。褐色の肌を持ち、体中にタトゥーを彫っている。ゴラムと同じく寒さに文句を言う。
身体検査では余裕でパスをして、あまり物事を語らずに黙って護送車の独房に入れられる。
しばらく走行していると、寒すぎてモンテシノスに文句を言うと、暖房を強くしてもらった。
ゴラムとの会話で刑期は9年だと話し、原因は妹がレイプして犯人を再起不能にしたという。
最後は出口を探そうと荷物を置いた下部に入るが、急ブレーキで突起物が頭に刺さって死亡。
・パルド(演:ミゲル・ゲラバート)
代表作に『サルバトーレの朝』、『ロスト・ボディ』などがあります。
護送される囚人の一人。かなり年老いている。他の犯罪者と違い、会計士で金を横領した罪で償っている。
身体検査で文句を言うゴラムたちと同じく小言を言っていて、さっさとパスをしていた。
護送車に乗せられて独房に入ると、他の囚人と違うと豪語して、税金について話していた。
ミゲルによる襲撃で護送車が強制的に止められ、外の様子が少し見えて他の囚人に説明した。
最後は独房にガソリンが投入され、着火で火だるまになり、消火されるも間に合わず死亡。
・ミハイ(演:フロリン・オプリテスク)
代表作に『クリミナル・プラン/完全なる強奪計画』、『エンドレス・ウォー』などがあります。
護送される囚人の一人。ルーマニア人。国際的な犯罪組織のボスで、主に売春やドラッグなどを扱っていた。
軽犯罪をしていた他の囚人とは一線を画す存在で、モンテシノスから要注意だと言われる。
仲間は絶対に見捨てないと豪語し、護送車が襲撃されると、これで脱出できると思っていた。
実はミゲルがナノを求めて一人で襲撃したと分かると、自由になる為にマーティンを襲う。
最後はドアを開けるカギを見つけるが、命を狙われるナノに消化器で頭をカチ割られて死亡。
・ナノ(演:パトリック・クリアド)
代表作に『赤の銃士/狙われた王位とルイ14世の陰謀』、『1898:スペイン領フィリピン最後の日』などがあります。
護送される囚人の一人。軽犯罪をしかやっておらず、モンテシノスにナメた態度を取ったせいで目をつけられる。
護送車に乗せられても特に存在感を出さず、他の囚人たちがうるさい中でずっと黙っていた。
ミゲルによる襲撃を受けて引き渡しを要求されると、ミハイをすぐに殺してカギを飲み込む。
実は過去に兄弟分のチノとミゲルの娘をレイプし、警察が証拠を掴めず無罪になっていた。
最後は真実を知ったマーティンに右手をショットガンで吹き飛ばされ、遺体の場所を話した。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
Netflixではスペイン映画というのは珍しいワケじゃなく、かなりの数があって非常に興味深いところがあります。
相変わらず邦題に関して手抜きとしか思えないほどシンプルであり、物語の中ではそこまで核とは言えなかったです。
原題がそうかもしれないが、ちゃんと映画をすべて鑑賞すれば、「薄氷」という邦題にはならないと思います。
あまりインパクトのない邦題に比べて、内容の方は主に三段階と変化して地味なワリに予測のできない展開になっています。
冒頭は新しい警察署へ転属された主人公が囚人の護送をしていくが、当然ながら無事に終わるワケがありません。
そこから囚人たちが脱出しようとするが、これは決して犯罪者仲間の行いじゃなく、元警察官による復讐劇として展開していく。
終盤辺りでようやく邦題を回収する薄氷の場面が出てくるけど、主人公たちの命を脅かすも必然性があまりなかった。
なので、邦題を「薄氷」にするほどじゃなく、まだ「護送車」にした方がマシと感じられるぐらい適当としか思えない。
この作品で面白いと思ったのは、どこか『ロボコップ』を連想させるインパクトを残すシーンがありました。
まず、主人公が新たに転属させられ、初日からトラブルに遭ってしまい、家族についての絆を考えさせられます。
何より決定的になったのは囚人の右手をショットガンで吹き飛ばすシーンで、これは『ロボコップ』にあるシーンとそっくりでした。
結局、本作について結果的に誰も救われないような内容なので、終盤になってくると物語が更に重くなるからスッキリはしない部分がありました。
それでも、主人公はちゃんと正しい判断をして、いくらか復讐を求めた元警察官は少しは報われたと思われます。
コメント