【鬼太郎誕生/ゲゲゲの謎】VD-1040

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作品データ

公開年月 2023/11/17
ジャンル ホラー
原作 水木しげる 『ゲゲゲの鬼太郎』
監督 古賀豪
脚本 吉野弘幸
製作 澤守洸、堀越佳文、ほか
製作国 日本
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

廃墟となっている哭倉村に足を踏み入れた鬼太郎は、目玉のおやじから70年前に起きた出来事を思い出して語り始めた。
昭和31年、日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配された哭倉村では、帝国血液銀行に勤める水木は当主・時貞の死の弔いに訪れ、また鬼太郎の父も妻を探しに村へ来ていた。
龍賀一族は跡継ぎについて醜い争いが行われている中、村の神社で一人が惨殺された事をきっかけに怪奇の連鎖が始まっていくのだった。

登場人物&出演者

ゲゲ郎(声:関俊彦)

代表作に『天空の城ラピュタ』、『ブラックローバー/魔法帝の剣』などがあります。

主人公。鬼太郎の父が目玉のおやじになる前の姿。幽霊族の末裔。生き別れとなった妻を長年探している。

仲間から妻が哭倉村にいると言われて来るが、よそ者として捕まるも水木に助けられた。
勝手に牢屋を出て禁域の場所に向かっていくが、窖の狂骨を知るも裏鬼道に捕まってしまう。
外法を使って時弥の体に乗り移った時貞の企みを知り、妻と再会して赤ん坊の存在を知った。
最後は狂骨の怨念を引き受けるも耐えられず、目玉だけとなって鬼太郎と退治していく。

水木(声:木内秀信)

代表作に『鋼の錬金術師/嘆きの丘の聖なる星』、『BLUE GIANT』などがあります。

主人公。帝国血液銀行に勤めるサラリーマン。龍賀製薬を担当している。戦争従軍者で生き残った。

龍賀時貞の急死により、会社が今後付き合うべき当主を探る為に哭倉村へ向かっていった。
次期当主・時麿の死で状況が一変し、克典から血液製剤“M”の製造法を探るよう頼まれる。
龍賀一族の秘密を知って沙代とゲゲ郎を助けに向かい、時貞が生き返った衝撃を受けた。
最後はゲゲ郎に頼まれて妻と身籠った子を脱出させ、記憶を失った状態で救助隊に見つかる。

龍賀沙代(声:種崎敦美)

代表作に『ポッピンQ』、『メイクガール』などがあります。

龍賀乙米の娘。哭倉村が閉鎖的で因習に囚われる事を嫌がっていて、いつかは逃げ出したいと考えている。

足袋の鼻緒が切れて困っていたところに水木が来て、直してもらい興味を持つようになった。
水木と道端で会うと東京について聞き出し、一緒に行きたいと話すも父親の介入で立ち去る。
その正体は時貞と乙米によって作れた道具であり、強力な狂骨を身に宿して一族を殺害した。
最後は暴走して狂骨を使って乙米たちを殺害するが、長田の刺し違いによって絶命した。

長田時弥(声:小林由美子)

代表作に『エクスドライバー the Movie』、『クレヨンしんちゃん/オラたちの恐竜日記』などがあります。

長田庚子の息子。病弱で人懐っこい性格を持つ。参列する中で一族唯一の子供で状況を理解していない。

時貞の遺言によって当主となった時麿の養子となり、次期当主としての教育を受ける事に。
興味本位で捕まったゲゲ郎のところに来るが、時貞が急死以降は更に病気が進行していた。
結果的に時貞が使った外法によって魂が煉獄へ落ちてしまい、代わりとして苦しんでいた。
最後は鬼太郎たちによって狂骨だった状態で捕まり、目玉のおやじの言葉で昇天した。

ねずみ(声:古川登志夫)

近年の出演作に『ドラゴンボール超/スーパーヒーロー』、『機動戦士ガンダム/ククルス・ドアンの島』などがあります。

龍賀家で働く謎の少年。克典から言われて水木の面倒を見る事になる。金の為ならなんでもする守銭奴。

勝手に禁域へ船で行くゲゲ郎を見た水木が追いかけるべく、先生と言われて一緒に追った。
島には凶暴化した妖怪が多くいて、水木を抱えたゲゲ郎がやって来て一緒に逃げ出した。
沙代から龍賀一族に関する秘密が書かれた時麿の日記を託され、水木を外に出して渡した。
最後は龍賀一族の恐ろしい事実を知ると、これ以上は危険だと判断して一足早く立ち去った。

龍賀乙米(声:沢海陽子)

代表作に『紅の豚』、『劇場版総集編【前編】メイドインアビス 旅立ちの夜明け』などがあります。

龍賀時貞の長女で克典の妻。父親の遺言で龍賀製薬の会長となって実権を握る。龍賀一族の家柄に誇りを持つ。

よそ者である水木がやって来ると、真っ先に指摘して夫の客人と分かっても不機嫌は治らず。
時麿の死で時弥を次の当主にするように庚子へ話し、病気だと言われると逆ギレしていた。
時弥を早く当主に据えようとしていて、ゲゲ郎を捕まえると彼の妻を捕らえていると話す。
最後は暴走した沙代が解放した狂骨から逃げられず、左目を鉄パイプで貫かれて死亡した。

龍賀克典(声:山路和弘)

近年の出演作に『劇場版 SPY×FAMILY/CODE: White』、『SAND LAND』などがあります。

龍賀乙米の入り婿。龍賀製薬会社の社長。時貞の急死によって次の当主になると水木が考えていた。

時貞の遺言で時麿が当主となり、製薬会社の会長を妻が指名されたせいで実権を失った。
血液製剤“M”の製造法を教えてもらえず、未だに一族の中で地位が低い事実に焦っていた。
野心に燃える水木に沙代をあげると話し、彼を利用して解明しようと取引を持ちかけた。
最後は外へ出た狂骨たちから逃げるも、孝三を車で轢き殺すも木に衝突して死亡してしまう。

龍賀丙江(演:皆口裕子)

近年の出演作に『ドラゴンボール超/スーパーヒーロー』、『モンスターストライク/THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け』などがあります。

龍賀時貞の次女。若い頃に村から駆け落ちしたが連れ戻された。現在は自堕落な生活を送っている。

都会かぶれで派手な化粧をしているが、若い頃と比べて酒浸りのせいで体型が崩れている。
いつもように姉から金をもらって、村の男を自分の家へ連れ込んで楽しんでいた。
朝から酒を浴びるように飲んでいるところで、水木と沙代の2人を見て一人で盛り上がった。
最後は森にある木のてっぺんで腹部が貫かれカラスに遺体を食われる姿で発見された。

長田庚子(声:釘宮理恵)

近年の出演作に『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』、『劇場版/ポールプリンセス!!』などがあります。

龍賀時貞の三女で長田幻治の妻。時弥の母親。気が弱く自分の意見をきちんと伝えられない性格を持つ。

時貞の遺言で息子が時麿の養子となって次の当主が確定すると、誰よりも喜んでいた。
時麿の死で姉から息子を当主にすると言われ、病気だと言い訳するも反論されて何も言えず。
姉の命令にずっと従っていたが、息子が次の当主になると分かって病的に強気となった。
最後は沙代の勝手な行動を忠告するが、何者かに首を刎ねられた状態で発見されてしまう。

長田幻治(声:石田彰)

近年の出演作に『機動戦士ガンダムSEED/FREEDOM』、『範馬刃牙VSケンガンアシュラ』などがあります。

長田庚子の夫で哭倉村の村長。物腰が柔らかく穏やかな性格で村人から慕われるが、よそ者に厳しい。

時麿の死が判明して、よそ者だったゲゲ郎を処刑しようとして水木に止められてしまう。
乙米から水木とゲゲ郎の後始末を任されると、何も疑う事なく実行すると約束していた。
その正体は幽霊族を狩ってきた裏鬼道で、ゲゲ郎が生き残りだと知って喜んで捕縛していた。
最後は暴走する沙代を止めようとして戦うも敵わず、なんとか刺し違えて絶命してしまう。

龍賀時磨(声:飛田展男)

代表作に『キャプテン翼』シリーズ、『SAND LAND』などがあります。

龍賀時貞の長男。長らく体が弱い為に人前へ出ていなかった。平安時代の貴族のような服装と化粧をしている。

当主の時貞が急死した事で遺言から龍賀一族の当主となり、参列する一族が驚いていた。
そのせいで財産の取り分について揉みくちゃとなる中、一人だけ当主の死を強く悲しんだ。
一族伝統のお籠りを口にして立ち去ろうとして、乙米から儀式について問題ないと話した。
最後は翌日になって何者か殺害された状態で発見され、時弥が新たな当主に抜擢される。

龍賀孝三(声:中井和哉)

近年の出演作に『ONE PIECE FILM RED』、『Gのレコンギスタ IV/激闘に叫ぶ愛』などがあります。

龍賀時貞の次男。10年前に哭倉村の禁域とされる場所へ入り込んだせいで、罰として心を失ってしまった。

当主の遺言を発表する場にも出られず、一人だけ離れで無心に絵をただ描き続けている。
実は窖にずっと囚われているゲゲ郎の妻を知っていて、助けようとした結果心を失った。
記憶すら失っている状態でありながら、夢でゲゲ郎の妻を見て絵にして描いていた。
最後は狂骨で村がパニックになる中でフラフラ歩き、逃げる克典に轢き殺されてしまう。

龍賀時貞(声:白鳥哲)

代表作に『スクライド』シリーズ、『コードギアス』シリーズなどがあります。

龍賀一族の当主。急死した事で次の当主が誰になるのか龍賀一族が集って弁護士に託した遺言が読み上げられる。

その正体は幽霊族の血を使って血液製剤“M”を開発し、戦後の日本を復興させていた。
裏鬼道を一族に仕えさせる事で外法を使って妖怪を使役させ、怨念を強引に抑え込ませる。
時弥の魂を体から追い出し、自らの魂を宿らせる事で生き返って再び当主になろうとした。
最後は水木の反撃で狂骨が操れなくなり、食われた事で永遠と続く苦しみを得る事になった。

感想

[個人的な評価]

評価 :4/5。

本作は水木しげる生誕100年記念作品として作られています。
この作品は2018年に製作されたアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のTVシリーズ第6期をベースにしています。
原作に関しては少しだけアニメを見ていた程度であり、残念ながらベースになっている第6期については一切見ていません。
ですので、今回の作品に関しては予備知識なしで鑑賞しましたが、思っていた以上のメッセージ性のある内容でした。
単なる妖怪が出てくるアニメ映画ではなく、本作には今の日本に対する憂うメッセージも含まれていました。
戦時中の日本や戦後の日本なども描かれており、その中で未来を見据える若い人たちの思いも描かれていました。
テレビのアニメシリーズではここまで描かれていないと思いますが、本作は子供が鑑賞して理解できる内容じゃなかったと思います。
むしろ、本作は現代における日本の大人や未来を担う若者たちが見るべきであり、現状について妖怪を使って語っていました。
もちろん、閉鎖的な村の不気味さと常識から外れた独特な考え方もありますが、それが生まれた原因についても日本社会を上手く皮肉っています。
見た目が怖い妖怪よりも、見た目がキレイな人間の方が恐ろしく、正義だと思って行っている事こそが残酷としか思えないモノを平然とやっている。
本作では人間の汚い部分を凝縮したような内容であり、傍観者である妖怪が巻き込まれて利用される存在となっていました。
現実的な日本の復興を上手く設定に活かしており、もしかすると、あれだけの活力は妖怪のおかげだったと思わせるだけの説得力がありました。
何より目玉のおやじの過去についても色々と考えさせるところがあって、受け継いだ鬼太郎が人間を助けていく動機もより深く理解できていきます。
アニメ映画として軽く鑑賞すると痛い目に遭う重い内容の作品であるけど、今後の日本を考えるには必要な作品だと感じました。

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