作品データ
あらすじ
10月、突如として蘇った死者が人々を襲い始めるという衝撃的なニュースが世界を駆け巡り、それから4週間後には各地が無法地帯となっていた。
そんな中、数人の仲間と共に崩壊状態の軍隊を離れ、強盗を繰り返しながら安全な場所を求め彷徨う元州兵のサージ。
デラウェア沖に死者が蘇らない安全な島があるという情報を得ると、確たる証拠がないままサージたちはその島へ向かうのだった。
登場人物&出演者
・サージ/ブルーベイカー(演:アラン・ヴァン・スプラング)
代表作に『ランド・オブ・ザ・デッド』、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』などがあります。
主人公。元州兵の白人男性。二等軍曹で仲間から“サージ”と呼ばれる。仲間の兵士と強盗のような事をしている。
ゾンビで遊んでいた一団を見つけて射殺すると、少年から安全な島を聞いて向かっていく。
パトリックと合流してフェリーで島に到着するが、トムボーイが人質に取られてしまう。
マルドゥーン家と対峙してジャネットが武器を取り戻し、銃撃戦が始まって生き残った。
最後は生き残った少年とトムボーイとともに、安全な場所を目指して島をボートで旅立った。
・トムボーイ(演:アシーナ・カーカニス)
代表作に『ソウ4』、『ソウ6』などがあります。
ブルーベイカーの仲間でレズビアン。アフリカ系アメリカ人。男にまったく興味がなく堂々と自慰行為をしていた。
ゾンビで遊んでいた男たちを処刑すると、現金輸送車を手に入れると運転手を務めていた。
サージの指示で島に向かう事になって、フェリーを奪う際に泳いで仲間の状態を気にした。
島に到着して仲間がゾンビ化すると分かって処刑するが、マルドゥーン家に捕まってしまう。
最後はオフリン家とマルドゥーン家の殺し合いで助かると、サージたちと旅に出ていった。
・少年(演:デヴォン・ボスティック)
代表作に『ランド・オブ・ザ・デッド』、『ソウ6』などがあります。
ゾンビで遊んでいた男たちと同行していた。サージたちが男たちを殺害すると、敵じゃないと言って仲間になった。
手際がよく銃の扱いにも慣れており、サージが襲われそうになった時に躊躇いもなく倒した。
現金輸送車であてもなく走っていると、ネットにあった安全な島についてサージに話した。
島に到着すると倒れたサージの元にジャネットを寄越し、一人で逃げるように言われていた。
最後はオフリン家とマルドゥーン家の戦いに参加して生き延び、サージたちと旅立った。
・ジャネット・オフリン/ジェーン・オフリン(演:キャスリーン・マンロー)
代表作に『ヴァンパイア・クイーン』、『Accidental Friendship』などがあります。
パトリックの双子の娘。馬を乗り回すジェーンは父親のやり方を嫌い、姉のジャネットも同じく嫌っていた。
ジェーンがゾンビ化して馬で走り回っている間、自身は姿を隠して様子をずっと見ていた。
サージが倒れて水を汲みに言った少年を見つけると、代わりに応急処置をして事情を話す。
マルドゥーン家との殺し合いを避けようとするが、結局は止められず父親に武器を渡した。
最後は妹に噛まれ両家が全滅し、ゾンビが馬を食べるとサージに言う前に父親に処刑された。
・チャック(演:ジョリス・ジャースキー)
代表作に『ダブルバウンド』、『ソウ5』などがあります。
マルドゥーン家の牧童頭。部外者であるがシェイマスから信頼されており、家畜の面倒を一切任されていた。
シェイマスがゾンビたちを生かして治療する未来を期待して、その指示に黙って従っている。
ジェーンに片思いをして何度かアプローチするも拒まれた過去を持ち、今でも想っている。
シェイマスの指示でゾンビ化したジェーンを捕まえるが、人間以外の食事は無理だと話す。
最後は暴走するシェイマスを裏切って撃たれると、ゾンビたちを解放して食い殺された。
・ジェームズ・オフリン(演:ジュリアン・リッチングス)
近年の出演作に『恐怖ノ黒洋館』、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』などがあります。
オフリン家の一員。ゾンビが島でも発生すると、パトリックと同じく殲滅する為に同行して処刑していた。
各家を回ってゾンビ化した子供を見つけて処刑しようとして、シェイマスたちに邪魔された。
パトリックが島を追い出されるが、島で骨を埋めるつもりで他の一族と一緒に残っていた。
サージを引き連れたパトリックが戻ると、支配していたシェイマスに妻が殺されている。
最後はマルドゥーン家との銃撃戦を展開していき、ゾンビも入り乱れて消息不明となった。
・パトリック・オフリン(演:ケネス・ウェルシュ)
代表作に『ザ・フォッグ/2005年版』、『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』などがあります。
プラム島へ古くから移民した一族のリーダー。ゾンビが発生すると確実に止める為に殲滅するべきだという考えを持つ。
各家を回ってゾンビを排除するが、シェイマスに隙を見せてしまい島から追い出された。
島を目指すサージたちと遭遇して戦うが、フェリーに乗って彼らに味方だとして説得した。
一族を集めてマルドゥーン家と対峙し、娘が武器を取り戻して殺し合いになって全滅する。
最後は噛まれた娘を処刑し、シェイマスと射殺してゾンビ化するとお互いに銃を撃ち合う。
・シェイマス・マルドゥーン(演:リチャード・フィッツパトリック)
代表作に『ザ・ブリット』、『ボトム・プレデター/地底に潜む生命体』などがあります。
プラム島へ古くから移民した一族のリーダー。オフリン家よりも人数が多く、パトリックとは子供の頃がいがみ合う。
勝手にゾンビを殺し回るパトリックと敵対し、彼らを治療できるとして生かす考え方を持つ。
パトリックを島から追い出して支配すると、ゾンビが人間を食べないように調教させていた。
サージを引き連れたパトリックが戻ると、トムボーイを人質にするもジャネットが裏切った。
最後はパトリックを背後から撃つも逆に撃たれて死亡し、ゾンビ化してお互いに撃ち合う。
感想
[個人的な評価]
本作は『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』の続編となるゾンビ映画です。
この作品は「ゾンビ映画の巨匠」と言われるジョージ・A・ロメロ監督にとって最後のゾンビ映画となりました。
2017年にジョージ・A・ロメロ監督は肺ガンで亡くなってしまっており、彼にとって本作が遺作となっています。
2005年から『ランド・オブ・ザ・デッド』から始まった新たなゾンビ映画の最終作となっているが、ロメロ監督のやりたかった事が反映されています。
前作では主人公たちが持つカメラの視点であるPOV手法を使ったが、本作では通常の撮影方法に戻しています。
どうにも前作のPOV手法が世間的に受けが悪かったらしく、その為に通常の神視点と言われる三人称視点に変えています。
『ランド・オブ・ザ・デッド』とは世界観が違っていて、直接的な『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』の続編となっています。
ゾンビはあくまで1つのギミックであって、基本的には人間と人間の争いを描くというロメロ監督らしいテーマになっています。
どうやら1958年に公開されたウィリアム・ワイラー監督の『大いなる西部』を参考にして作っています。
本作ではアイルランド系の一族同士が長年に渡って争っていて、それがゾンビの世界でも変わらないところに意味があります。
どんなに世界が崩壊に向かっても愚かな人間は争いをやめず、結果的に身を滅ぼすような結末を迎えるというロメロ監督の痛烈なメッセージがあります。
ただ、本作は作品として大失敗しており、ロメロ監督にとって最も興行収入が取れなかったゾンビ映画となってしまったのは残念です。
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