作品データ
あらすじ
どんな相手でも6秒以内に殺してしまう伝説の殺し屋“ファブル(寓話)”はある日、育ての親でボスに呼び出されて1年間の休養を命じられる。
しかも、その間は『閲して人を殺してはならないと釘を刺され、ファブルは佐藤明という偽名で相棒の洋子と兄妹として大阪の街で一般人として暮らす。
不慣れな事ばかりに戸惑いつつ、ファブルはバイト先の女子社員である岬や社長の田高田とも親しくなり、少しずつ普通の生活に慣れていくのだった。
登場人物&出演者
・佐藤アキラ/ファブル(演:岡田准一)
近年の出演作に『燃えよ剣』、『来る』などがあります。
主人公。6秒以内に人を殺せる伝説の殺し屋。小さい頃からボスに殺人術の訓練をする。
ボスから1年間普通の男として暮らすように命じられ、契約する真黒組のお世話になる。
ミサキとの出会いで印刷会社にバイトとして雇われ、普通の男になるべく奮闘する。
ミサキと小島が砂川に捕まると、海老原の願いもあって、誰も殺さず二人の救出に行く。
最後は約束したミサキの似顔絵を渡し、何事もなかったように普通の男を演じ続ける。
・佐藤ヨウコ(演:木村文乃)
近年の出演作に『居眠り磐音』、『大奥/最終章』などがあります。
ファブルの相棒。相当の酒豪。普通の男となるファブルの妹として隣に住んでいる。
大阪での1年間でイケメンを捕まえて、楽しもうとするも退屈な日々に文句を言っている。
ファブルがミサキと小島を救出すると決めると、誰も殺さないと分かって手伝っていた。
ミサキがコードに追い詰められると、現場にやって来て、たった二発の蹴りで倒した。
最後は戻ってきたミサキを家に入れると、ファブルとともに酒盛りを楽しもうとした。
・清水ミサキ(演:山本美月)
近年の出演作に『糸』、『そろばん侍/風の市兵衛SP天空の鷹』などがあります。
ファブルが働く印刷会社の先輩バイト。病気の母と父が残した借金の返済に奔走する。
仕事を探していたファブルを見つけると、自分が働く印刷会社で配達として推薦した。
過去にやっていたグラビアを小島に知られ、商売女として働く脅迫を受けてしまう。
小島の家で契約しようとして、フードとコードがやって来ると、ついでに連れ去られる。
最後はファブルに助け出され、勘づきながらも何も言わない彼の優しさを受け止めた。
・田高田(演:佐藤二朗)
近年の出演作に『ヲタクに恋は難しい』、『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』などがあります。
ファブルとミサキが働く印刷会社の社長。零細企業で毎月ギリギリの売り上げを出す。
ミサキから紹介されたファブルを気に入ると、時給800円で配達と雑用で雇った。
飲み屋でファブルの加入を祝っていたが、過去に森でサバイバルした事を聞いて引く。
ファブルが描いた絵に何かを感じ取ると、キャラクターとして採用して100円アップ。
最後はファブルが描いたミサキの似顔絵も素晴らしく気に入り、ずっと褒めていた。
・小島(演:柳楽優弥)
近年の出演作に『HOKUSAI』、『泣くな赤鬼』などがあります。
海老原に気に入られていたが、女を商売に使って8年服役する。左頬に切り傷を持つ。
予定よりも早く出所すると、自分を売った元仲間を笑いながら殺して同じ商売を考える。
海老原がちょうど不整脈で倒れて入院すると、目をつけていたミサキを脅迫した。
砂川に雇われたフードとコードに拉致され、ファブルを誘き出す為のエサに使われる。
最後はファブルに連れ戻されるが、砂川との和解を得る海老原に仕方なく始末された。
・砂川(演:向井理)
代表作に『ガチ☆ボーイ』、『信長協奏曲』などがあります。
真黒カンパニーの幹部。小島を可愛がる海老原を嫌い、クーデターを起こそうと画策する。
ゴミ処理場を管理していて、必要な殺しをした際に、ゴミとともに死体を焼いていた。
小島が戻ると、海老原を失脚させる材料として狙い、フードとコードに拉致させる。
ファブルの為に動員できる部下をゴミ処理場に集め、小島とタイマン勝負するも負ける。
最後は海老原と和解する為の条件に小島を始末した写真を見せられ、渋々納得した。
・海老原(演:安田顕)
近年の出演作に『ホテルローヤル』、『影裏』などがあります。
真黒カンパニーの社長。会長から言われてファブルに家を与えて、普通の暮らしをさせる。
ファブルの腕前を確かめようと舎弟たちに襲わせるが、抵抗しないと分かった迎える。
可愛がっている舎弟の小島が8年ぶりに出所するが、不整脈の発作で倒れてしまう。
その間に小島が砂川たちに捕まると、ファブルに懇願して助けてもらうように言う。
最後はファブルが小島を連れ戻すが、問題を起こすとして自らの手で始末して悲しむ。
・コード(演:木村了)
代表作に『ムーンライト・ジェリーフィッシュ』、『ヒートアイランド』がある。
フードと組む若い殺し屋。人に興味がないフードと違い、口数が多く先に手を出す。
ファブルの動きが撮ったスマホを手に入れる為、拾った人間を容赦なく殺していた。
砂川と合流して小島の拉致をして、背後にファブルがいると知ってコードと興奮する。
逃げ回っていたミサキを追い詰めるが、駆けつけたヨウコによって二発の蹴りで失神。
最後はファブルに倒されるが、コードと興奮していると、ボスにあっさりと殺された。
・フード(演:福士蒼汰)
近年の出演作に『カイジ/ファイナルゲーム』、『旅猫リポート』があります。
コードと組む若い殺し屋。ファブルに標的を先に殺され、都市伝説の惨劇に喜んでいた。
ファブルの動きが撮ったスマホを手に入れる為、拾った人間を容赦なく殺していた。
砂川と合流して小島の拉致をして、背後にファブルがいると知ってコードと興奮する。
ゴミ処理場にファブルがやって来ると、ミサキも目的と分かるも一歩遅れてしまう。
最後はファブルに倒されるが、コードと興奮していると、ボスにあっさりと殺された。
・ボス(演:佐藤浩市)
近年の出演作に『騙し絵の牙』、『太陽は動かない』などがあります。
プロの殺し屋。真黒組と契約してファブルに数々の殺しを請け負う。素性は一切不明。
まだ子供だったファブルをナイフ一本だけ持たせて、一ヶ月も森でサバイバルをさせる。
ファブルには欠落した部分があると知り、普通の男になれるか試すべく海老原に預ける。
海老原が小島を助ける為にファブルを使うと、すぐにやって来て脅迫していた。
最後はファブルが誰も殺していないと確認し、フードとコードだけを始末して去る。
感想
[個人的な評価]
本作は『週刊ヤングマガジン』にて2014年49号から2019年51号まで連載された南勝久の同名漫画が原作となります。
物語としては原作の7巻部分まで実写映画化し、格闘シーンなどではフランス人アクション振付師を起用しているようです。
邦画で面白いのはホラー映画とコメディ映画だけで、あとはアイドルや旬の役者が出るミーハーな作品しかないと思っていました。
特にアクション映画だと、日本人が銃を持っているだけで違和感しかないと思っていた。
しかし、本作はそんな固定概念をいい意味でぶっ壊してくれました。
漫画が原作なのでリアリティのある世界観じゃないが、日本人が銃を使っても普通に面白い作品は久しぶりでした。
逆に日本が舞台だからこそ良かったと思わせるぐらい妙な説得力がありました。
まず、主人公であるファブルを演じる岡田准一だが、殺し屋という危険な存在として体格が明らかに足りない。
ただ、力任せの海外とは違って、体が小さいからこそ繰り出せるアクションは良かった。
どうしてもいいアクション映画だと、派手な殴り合いや銃撃戦を想像しがちだが、本作は狭い空間を最大限に利用していました。
香港のようなカンフーを使うのではなく、日本における武道でもなく、あくまで人を殺す技術を使ってるのはポイントが高い。
それに加えて、岡田准一の感情をまったく宿していない視線、そのギャップとして時折みせるコミカルな演技は素晴らしかったです。
主演が演技のできる役者ならば、作品全体のレベルが底上げされ、他の出演者たちの良い影響を与えていたと思います。
それに世界観が日本のようで違う漫画チックな設定もまたキャラクターたちを生かしている。
本作をリアルな日本にせず、漫画の世界をそのまま持ってきたのは大いに評価できます。
海外の名だたる殺し屋を扱ったキャラクターと比べるとファブルは弱いが、本作の世界観にハマったおかげで面白い作品に仕上がっていて説得力を持たせていたと思います。
メジャーな邦画もたまには良作を作れる事に少しだけ感動しました。
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