【ひきこさん】RE-3101

作品データ

あらすじ

女子高生のカオルは仲の良いクラスメイトのリサ、アサミ、トモミはホラー映画やサスペンス映画の話題に夢中となっていた。
ある日、カオルたちは学校のすぐ近くで奇妙な少年の遺体が発見される事件が起きてしまう。
事件が気になったカオルたちはネットで調べると、犯人は都市伝説の「ひきこさん」ではないかと突き止めるのだった。

登場人物＆出演者

・カオル（演：千晴）

本作が長編映画デビュー作となります。

女子高生。「暗黒都市伝説」というサイトに入り浸る。何か「ひきこさん」に固執する。

地元で遺体が発見される事件が発生し、「ひきこさん」と関連づけてサイトを盛り上げる。
実は家で父親から暴力を振るわれているが、友達にはウソをついて何もないフリをする。
アサミの妹が死んで「ひきこさん」を引き合いに出すが、嫌われる原因となってイジメに。
最後は「ひきこさん」と化し両親を殺害し、卒業してから里帰りしたトモミに復讐をした。

・トモミ（演：河西里音）

本作が長編映画デビュー作となります。

女子高生。カオルといつも一緒にいる四人組の一人。金持ちでいつもみんなが集まっている。

主体性がなくみんなに付いていくが、誰よりもカオルの理解者だったが裏切る事になる。
アサミがカオルをイジメる姿をただ見て、止める事ができずに強制的に参加させられる。
実は「暗黒都市伝説」というサイトの管理人であり、カオルの投稿を知って嘲笑っていた。
最後は卒業してから地元に帰ると、「ひきこさん」と化したカオルに襲われてしまう。

・リサ（演：絵里花）

本作が長編映画デビュー作となります。

女子高生。カオルといつも一緒にいる四人組の一人。主体性のないトモミを道連れにする。

ホラー映画には興味があるけど、意外にも苦手で映画館で鑑賞するとすぐに帰りたくなる。
学校に遅刻して急いでいた時に河原で不審な女性を見て、カメラで映してみんなに見せた。
ひきこさんに異常な執着心を見せたカオルを無視し、アサミの妹を殺したと同級生に話す。
最後はケガだらけのカオルに引いてしまい、携帯電話を必死に求めていた彼女に渡した。

・アサミ（演：可愛きょうこ）

代表作に『ミニスカポリス7ティーン』、『アキラNo.2』などがあります。

女子高生。カオルといつも一緒にいる四人組の一人。小学生の妹がいて河原で遊んでいる。

軽い調子で生々しいイタズラを仕掛けるカオルに呆れて、キツイ態度を取ってしまう。
妹が何かを見て怯えていると、ひきこさんだと決めつけたカオルに嫌悪感を持ち無視する。
忌引きから学校に来ると、すぐにカオルのせいだと決めつけて徹底したイジメを始める。
最後はイジメグループのリーダーとなり率先して暴力を振るい、カオルを追い詰めていく。

・カオルの父（演：三上剛史）

代表作に『むこうぶち/高レート裏麻雀列伝』、『爆走ドリフトR』シリーズなどがあります。

一般家庭にいる中年サラリーマン。会社の失敗やイライラを家に持ち込んで暴力で制する。

ビールがなくなっただけでカオルを標的にして暴行を加えるが、絶対に顔を狙わない紳士。
カオルの関わっているサイトが学校で問題になると、ブチ切れて暴行して部屋に監禁する。
最後は「ひきこさん」に覚醒したカオルにカッターナイフで喉を切られ、あっさりと死亡。

感想

［個人的な評価］

本作は都市伝説である「ひきこさん」をモチーフにした作品となります。
当然のように低予算の作品となるが、なぜかシリーズ化されているようです。
単純に都市伝説を調べていくうちに巻き込まれて、本当の「ひきこさん」が登場して恐怖のどん底に落とされると思いました。
しかし、本作は尺が100分程度なので内容はかなり簡略化していて、期待した「ひきこさん」は思ったほどの活躍はなかった。
その代わりに女の友情が冷めた時の恐怖の方が大きく、親友だと思っていた同級生がイジメの先頭に立つ方がホラーをしていました。
結果的に本作は「人間が一番怖い」という最もつまらない展開を見せてしまい、期待を見事に裏切ってくれました。
低予算なのは仕方ないし、出演者たちも演技の素人も仕方ないけど、脚本や演出はもっと頑張れるだろうと思いました。
イジメの描写も演技の範疇に入っていて迫力と悲惨さはないし、主人公の家庭事情も「ひきこさん」を作り出す為だけにあったような印象でした。
仲良しグループが四人もいたのも人数が多すぎるので、一人は空気みたいな存在になったのも残念なポイントの一つでした。
ただ、それ以上に残念だったのは「ひきこさん」になった主人公の復讐劇が一人だけを襲う事に留まっている点だろう。
どうせなら、イジメを行った全員に制裁を与えるべきだったが、尺と金の問題で裏切った一番のクズだけを襲撃する安上がりなラストはやる気のなさを感じた。
もっと「ひきこさん」というキャラクターを際立たせるべきでしたが、作品を構築するだけで精いっぱいでそれどころじゃなかったようです。