作品データ
あらすじ
ファッションデザイナーを夢見てデザイン学校に入学し、長年に渡って憧れのロンドンへ出てきたエロイーズ。
しかし、寮での生活に馴染めず、エロイーズはソーホー地区で下宿生活に切り替える事になる。
するとその晩、眠りについたエロイーズは夢の中で1960年代のソーホーに暮らす歌手志望のサンディとシンクロし、華やかで楽しい日々を送るようになるのだった。
登場人物&出演者
・エロイーズ・ターナー(演:トーマシン・マッケンジー)
代表作に『ホビット/決戦のゆくえ』、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』などがあります。
主人公。ファッションデザイナーを目指してロンドンの服飾科に進学。亡くなった母親と同じく幽霊を見る事ができる。
都会にやって来ると呑まれまいと強気に出るが、ジョカスタのせいで田舎者だと認識される。
夢でサンディとなって60年代を過ごし、彼女の影響で金髪にしてファッションも派手になる。
サンディがジャックに殺され、リンジーだと間違い、コリンズこそが殺人犯だと判明する。
最後はサンディの心を助け、立ち直ってファッションショーで成功し祖母たちに喜ばれた。
・サンディ(演:アニャ・テイラー=ジョイ)
近年の出演作に『EMMA/エマ』、『ニュー・ミュータント』などがあります。
1960年代の女性で歌手を目指している。本名はアレクサンドラ。余裕に満ちた言動で歌に絶対の自信を持つ。
派手なドレスと金髪による圧倒的なビジュアルで店に来て、歌手になるとジャックに頼んだ。
ジャックと親密な関係になっていくと、小さなパブでオーディションを受けてデビューした。
実際は男を相手にする娼婦になってしまい、自分の夢が潰されたと分かって壊れてしまう。
最後は部屋に連れ込んだ男たちを殺害し、壁や床などに埋めて溜まった恨みを晴らしていた。
・ジョン(演:マイケル・アジャオ)
代表作に『アタック・ザ・ブロック』などがあります。
エロイーズの同級生の黒人男性。寮にやって来たエロイーズに荷物を運ぶ手伝いに声をかけるも拒否されてしまう。
エロイーズの能力が徐々に暴走していくと、家に帰りたくない事からパーティに誘った。
家に付いて行くも幽霊のせいでエロイーズがビビり、コリンズによって追い出されてしまう。
田舎に帰りたいエロイーズを手伝うが、対応したコリンズに腹部を刺されて重傷を負った。
最後はコリンズが家とともに焼け死んで、回復してエロイーズのファッションショーを見た。
・ペギー・ターナー(演:リタ・トゥシンハム)
代表作に『蜜の味』、『アンダー・ザ・スキン』などがあります。
エロイーズの祖母。田舎で孫のエロイーズと二人暮らしする。娘は幽霊を見られる能力があると知っていた。
ロンドンの服飾科に合格した孫と一緒に喜ぶが、当然だと分かっていて才能を誰よりも知る。
孫が娘と同じぐらい強気な性格と知っていて、都会での悩みについて相談するよう注意した。
電話で孫が嫌な事があったと察知し、次に電話があると急いで迎えに行くと励ましていた。
最後は問題が解決した孫のファッションショーを見て、ジョンとともに誰よりも喜んでいた。
・ジョカスタ(演:シノヴェ・カールセン)
本作が長編映画デビュー作となります。
学生寮でのエロイーズのルームメイト。将来は有名なデザイナーになれると自信に満ち溢れる言動を見せる。
田舎から出てきたエロイーズを小バカにして、自信はブランド物に身を包んで見栄を張る。
他の同級生たちをすぐに取り込んで自分の金魚のフンにして、エロイーズを何かと見下げる。
能力が暴走するエロイーズがハサミで反撃しようとして、自分に向けられてビビってしまう。
最後はエロイーズのファッションショーが大好評で、嫉妬心から見下げながら拍手していた。
・リンジー(演:テレンス・スタンプ)
近年の出演作に『マーダー・ミステリー』、『アガサ・クリスティー/ねじれた家』などがあります。
エロイーズの前に何度か現れる謎の男。エロイーズがジョカスタたちから離れ、パブから出てくるところで目が合う。
街ではどの女の子も知っているという噂があって、エロイーズに声をかけても避けられた。
幽霊に疲れ切ったエロイーズをパブで待っていると、サンディを殺害したと疑われていた。
会話を録音しているとエロイーズに言われるが、動じる事なく外に出るも車に轢かれた。
最後は店のオーナーから元警察だと告げられ、サンディを助けようとした男だと判明した。
・ジャック(演:マット・スミス)
代表作に『ターミネーター:新起動/ジェニシス』、『高慢と偏見とゾンビ』などがあります。
1960年代のナイトクラブで女性歌手をまとめる役。初めて店に来たサンディを見て可能性を感じ取った。
すぐに意気投合して二人で親密な関係になっていくと、小さなパブで歌わせる為に紹介した。
客の前で踊っていたサンディを見守るが、彼女が望んでいた歌手とは別の道を歩ませていく。
実は歌手よりもサンディを娼婦にして稼がせる事を目的にして、彼女の夢を潰す元凶となる。
最後はサンディの反撃で殺された事が判明し、他の幽霊となった男たちと彼女の死を望んだ。
・コリンズ(演:ダイアナ・リグ)
代表作に『女王陛下の007』、『地中海殺人事件』などがあります。
エロイーズの下宿先の老女のオーナー。屋根裏部屋を女性限定に貸している。厳しいルールを設けている。
エロイーズがやって来ると、条件を提示して家賃は安くないと言いながら彼女を迎え入れた。
ジョンを連れ込んだエロイーズの騒ぎを聞いて駆けつけ、彼を追い出して厳しく注意した。
その正体こそサンディが年老いた姿で、娼婦だった頃に多くの男を殺して家に埋めていた。
最後は過去を知るエロイーズに自殺を止められるが、焼け落ちていく家と運命を共にした。
感想
[個人的な評価]
本作は『第78回ヴェネツィア国際映画祭』にてワールド・プレミア上映されました。
この作品は新型コロナウイルスの影響によってで、2020年9月25日から2021年4月23日に公開が延期されています。
映画レビューサイトや映画好きの感想から高い評価を受けている作品であり、エドガー・ライトが監督という事で期待をしました。
序盤と終盤ではまったく別の作品と言ってもいいほど雰囲気がガラリと変わり、登場人物たちのイメージを大きく変わっていきます。
まず、序盤は田舎から出てきたファッションデザイナーを目指す主人公だが、都会に毒された同級生たちと合わずに挫けそうとなる。
そこからサクセスストーリーが始まっていくが、幽霊を見る事ができる能力から夢を見ている間は1960年代へ意識が飛んでいき色々と体験する。
主人公自体は田舎から出てきた地味な娘であるから、60年代の派手な都会は刺激的すぎるが彼女も影響を受けていく事が如実に分かります。
そこからファッションデザイナーとしての明るい未来が見えると予想してしまうが、本作はそのような甘い展開にはならなかったです。
中盤を過ぎた辺りから主人公が憧れた歌手志望の女性が殺される幻影を見るところから、ホラー映画としての本領を発揮していく感じになります。
ハッキリ言って、本作は主人公のトーマシン・マッケンジーより、60年代の女性を演じたアニャ・テイラー=ジョイの方が目立っていました。
ただ、彼女を目当てにすると大きな間違いを起こしてしまい、ラストで明かされる真実で思っていたのと違った結末を迎えるという感じになる。
主人公は幽霊を見る能力に振り回せていくが、あまり賢くないせいか立ち回りを見ていてイライラしてしまいました。
どうしても自分ならどのような行動を取るのか考えてしまうので、それと真逆な主人公が見せる悲劇のヒロインは気に食わなかったです。
それでもラストはなんとか持ち直してくれたが、世間の評価ほど個人的に面白いとは思えなかった作品となりました。
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