作品データ
あらすじ
ある夜、ヤクザの組長チャン・ドンスが何者かにメッタ刺しにされるが、奇跡的に一命を取り留めて復讐を誓った。
そこへ暴力的な一匹狼の刑事チョン・テソクが現れ、犯人は彼が単独で追っている連続無差別殺人鬼だと明かす。
情報提供を求めるチョン刑事に対し、最初は拒否していたドンスも相手が狡猾な殺人鬼と悟り、渋々ながらお互いに協力して追うのだった。
登場人物&出演者
・チャン・ドンス(演:マ・ドンソク)
近年の出演作に『エターナルズ』、『白頭山大噴火』などがあります。
主人公。ヤクザの組長。違法に改造したパチンコ台を同じヤクザに売って大儲けをしている。
同業者のサンドに力の差を見せつけたが、帰宅途中に連続殺人鬼に遭遇して致命傷を負う。
メンツを潰された事で立場が危うくなると、回復してテソク刑事からの協力に応じた。
テソク刑事と彼の部下と手下たちで連続殺人鬼を探し当て、私刑しようとして止められた。
最後は指名手配ながら証言者としてカンを死刑にして、同じ刑務所に入って拷問を楽しむ。
・チョン・テソク刑事(演:キム・ムヨル)
代表作に『作戦/THE SCAM』、『食われる家族』などがあります。
ヒロイン。地元の刑事。上司がヤクザと裏で繋がっている事を知っても、正義を求めてドンスの邪魔をしていた。
殺人事件の類似性を見抜いて、上司に連続殺人鬼の仕業だと断定しても認めてもらえず。
独自に捜査していくうちに唯一の生存者だったドンスに接触し、彼との協力を取り付けた。
カンを見つけてドンスが拷問で殺す寸前に止めて、極刑を与える為に証言を彼に求めた。
最後は事件解決で昇進して、ドンスとの取引で彼をカンと同じ刑務所に入れる手続きをした。
・クォン・オソン(演:チェ・ミンチョル)
代表作に『下流人生/愛こそすべて』、『ゴーゴー70』などがあります。
ドンスが仕切るヤクザの幹部。ドンスの側近で常に行動を共にする。ドンスの気を遣っている。
敵対する同業者のサンドがドンスに無礼な態度を取ると、ブチ切れて側近と殴り合いになる。
止めに入ったドンスに制止されると、上層部の話し合いに水を差す行動を咎められていた。
当初は独自に連続殺人鬼を探すが、科学調査が必要として警察と組む事に不満を漏らす。
最後は逃げたカンを追うが、返り討ちに遭って刺されると、ドンスに心配されながらも死亡。
・ペ・スノ刑事(演:キム・ユンソン)
代表作に『容疑者X/天才数学者のアリバイ』、『殺戮にいたる山岳』などがあります。
地元の刑事でテソク刑事の後輩。同じ第1チームの所属してテソク刑事の指示に従っている。
殺人事件の現場へ急ぐも渋滞に巻き込まれると、テソク刑事が勝手に動いて一人で向かう。
テソク刑事が一連の殺人事件が関係あると話すと、彼を信じて独自の調査を手伝っていた。
ドンスの手下たちと一緒に捜査する事に納得ができず、オソンと揉み合いになっていた。
最後は逃げたカンを追い詰めるテソク刑事のサポートをして、逮捕して表彰を受けていた。
・チェ・ソジン(演:キム・ギュリ)
代表作に『美人図』、『ファジャン化粧/火葬』などがあります。
警察署の鑑識課。テソク刑事から信頼されており、一連の殺人事件の関連性について聞かされていた。
新たな殺人事件が発生して現場で鑑識をするが、犯人に繋がるような証拠がまったく出ない。
独自に捜査していたテソク刑事から証拠品を渡され、科学調査によってカンの正体を見破る。
テソク刑事が暴走気味に捜査している事を心配するが、新たな証拠を見つけて調べていた。
最後はカンが住んでいた場所を突き止めて、見事に逮捕した事で他の同僚たちと表彰された。
・ホ・サンド(演:ユ・ジェミョン)
代表作に『ブリング・ミー・ホーム/尋ね人』、『声もなく』などがあります。
ヤクザの組長。ドンスとは友人。ドンスと違法に改造されたパチンコ台を共有している。
手下がドンスのナワバリで暴れたせいでボコボコにされ、返された事について指摘していた。
オソンが口を挟んでしまい、手下と殴り合いになっても止めず、ドンスが代わりに止めた。
ドンスがカンに襲われて致命傷を負い、病院に見舞いへやって来ると皮肉を言い放っていた。
最後はドンスの指示でカンのナイフを手にしたオソンによって襲われ、そのまま殺された。
・カン・ギョンホ(演:キム・ソンギュ)
代表作に『トンネル/闇に閉ざされた男、『犯罪都市』などがあります。
連続無差別殺人鬼。サイコパスで人を殺す事に快感を得ている。車でぶつけてナイフで殺す方法を取る。
帰宅途中だったドンスに襲いかかったが、致命傷を負いながら反撃を受けてそのまま退散。
ケガを負って治療すると、目についた人間を殺して連続殺人を止める事なく続けていた。
自分のナイフをサンド殺しに使われると、彼の手下に真実を伝えてドンスたちを襲わせた。
最後はテソク刑事に逮捕され、死刑宣告されると、同じ刑務所にドンスが来て地獄が始まる。
感想
[個人的な評価]
本作は『カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門』にて正式上映された作品です。
この作品は韓国で興行収入ランキング初登場で1位を獲得し、バイオレンス・アクション映画として異例の大ヒットをしています。
更にシルヴェスター・スタローンの製作でハリウッドのリメイクまで決定しています。
邦題のように主人公たちはみんな悪人と言ってもいいような立ち振舞いで、これこそが本作における最大の魅力だろう。
まず、ヤクザの組長で主人公と言ってもいいチャン・ドンスを演じるマ・ドンソクの存在感が半端じゃないです。
最近は強面な見た目とは裏腹に三枚目の役が増えているが、本作では最初から最後までヤクザとして演じきっていました。
普通の人間なら死んでしまう連続殺人鬼の襲撃でも反撃するほどで、回復して後遺症なく動き回る超人さには納得しかしません。
やはり、マ・ドンソク兄貴が出ているだけで作品の厚みがまったく違っていて、存在感だけで説得力を持たせてくれます。
どこから甘いところを出すかもしれないと思っていたが、本作ではそんなモノは一切なくて容赦なかったです。
ヤクザを狙う連続殺人鬼の設定もサイコパスであるが、それ以上のヤバさについても演じたキム・ソンギュは上手く表現していました。
一方で刑事をキム・ムヨルは典型的なはみ出し型で、連続殺人鬼であっても法の下で裁こうとする正義感は対比になっていたと思います。
なんと言っても、極悪人を捕まえる為に悪人が手を組むところが面白く、最初は衝突しても最終的に協力する展開は熱いです。
ただ、あまりにもマ・ドンソク兄貴の存在感が強すぎたせいで、連続殺人鬼が弱く見えてしまったのはもったいなかったと思います。
それでも、本作で徹底的に悪人を演じたマ・ドンソク兄貴の恐ろしさは素晴らしく、こういう役をまた観たくなります。
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