作品データ
あらすじ
カリフォルニアにあるミラー判事の豪邸、ここで快適な生活を送っていたバックはセント・バーナードとスコットランド牧羊犬の雑種である。
ところがバックが4歳の時、男にさらわれ、ゴールドラッシュに沸くカナダでそり犬としてムリヤリ働かされる事になった。
やがてリーダーシップを発揮していくバックは、仲間の犬たちとともに郵便を運ぶ仕事に精を出していくのだった。
登場人物&出演者
・バック(演:テリー・ノタリー)
代表作に『猿の惑星:新世紀』、『猿の惑星:聖戦記』などがあります。
主人公。セント・バーナードとスコットランド牧羊犬の雑種。ワガママに育てられた。
金が欲しい男に誘拐され、犬ぞり用の犬として金を求める者たちが来るアラスカに行く。
ペローとフランソワーズに買われ、最初は戸惑うも徐々に慣れてリーダー格となった。
金塊が欲しいハルに買われるが、雪解けで強引な犬ぞりで消耗してジョンが助ける。
最後はジョンがハルに撃たれて死ぬと、交流のあった森林狼のリーダーとして君臨する。
・ジョン・ソーントン(演:ハリソン・フォード)
近年の出演作に『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』、『ブレードランナー2049』などがあります。
アラスカ州のユーコンにいた初老の男。息子を失ったショックから一人で来ていた。
妻にすべての財産を与える書類を書き終えて、町の外れにある小屋で一人暮らしていた。
強引に犬ぞりを走らせようとしたハルたちに注意し、彼らを追いかけてバックを助ける。
息子の冒険を実現しようとバックと未踏の地へ行き、大量の金塊と自然を満喫していた。
最後は追いかけて来たハルに撃たれ、バックに助けられるが、離れる事なく息絶えた。
・ペロー(演:オマール・シー)
近年の出演作に『ウルフズ・コール』、『ベルヴィル・コップ』がある。
フランソワーズとともにアラスカ州のユーコンで犬ぞりを使った郵便配達をしている。
当初は二匹を買ってくる予定だったが、一際大きな体のハックが気に入ってしまう。
犬と会話で意思疎通ができると信じていて、出発前には必ず作戦会議を開いている。
覚えの早いバックに期待していき、溺れかけたフランソワーズを助けた事で信頼する。
最後は会社からクビを宣告されてしまい、バックたちを売って故郷へ帰っていった。
・フランソワーズ(演:キャラ・ジー)
代表作に『Empire of Dirt』、『Lone Wolf Survival Kit』などがあります。
ペローと組んでアラスカ州のユーコンで犬ぞりを使った郵便配達をしている。
犬ぞりに必要な二匹の犬じゃなく、ハックだけを買ってきたペローにウンザリする。
凍った川に落ちてしまうと、すぐに飛び込んで助けてくれたハックを認めるようになる。
先導犬を失ってバックが代わりを買って出ると、ペローよりも信頼して任せていた。
最後は会社からクビを宣告されてしまい、バックたちと別れて故郷へ帰っていった。
・ミラー判事(演:ブラッドリー・ウィットフォード)
代表作に『ロボコップ3』、『ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ』などがあります。
サンタクララバレーの判事。ハックの飼い主。ハックに躾をせずに町で迷惑をかける。
家で好き放題暴れ回るハックを注意しなかったが、パーティをぶち壊され外で追い出す。
最後は家に入ろうとしたバックを受け入れず、誘拐されてそのまま永遠の別れとなった。
・ハル(演:ダン・スティーヴンス)
代表作に『ドラキュラ vs ヴァン・ヘルシング』、『ナイト・ミュージアム/エジプト王の秘密』などがあります。
ユーコンで仲間を引き連れて金塊を求めていた。犬ぞりとしてバックたちを買った。
犬ぞりの知識どころか、雪国でのルールをまったく分からず、あくまで欲望に走る。
ジョンから忠告を受けても聞く耳を持たず、バックたちを酷使して結局は失敗する。
逆恨みでバーにいたジョンを殺そうとするが、察知したバックによって阻止された。
最後はジョンを追いかけ銃弾を食らわせるが、バックに燃える家に突き飛ばされて死亡。
感想
[個人的な評価]
本作はジャック・ロンドンの同名小説を原作にして、映画化は6度目となります。
残念ながら本作で初めて知った作品であり、5回も映画化された事実も知らなかったです。
以前までなら本物の犬を使って映画を作っていたが、今の時代では動物はCGで作って演技させるのが当たり前になりつつあります。
そんな本作では違和感のないぐらいにリアルな犬のCGを使い、本物と違って人間の思った通りに動いてくれます。
さすがに本物の犬ではできない動きをしっかりとやっているけど、ちゃんとキャラクターとして成立していました。
元々は甘やかされてワガママ放題だったバックだが、厳しい環境に放り出されて野性を思い出していく展開はなかなか面白かったです。
特に序盤で頻繁に登場するバックの中にいる黒い狼の導く演出はとても良くて、内なる野性を呼び起こす意味合いをしっかりと出ている。
確かにペットとして飼われていた時は何不自由ない生活だったが、犬ぞりとして馴染んでいた姿の方がずっとノビノビしていたと思えました。
ただ、そこからクソみたいな飼い主に渡ってから何もできず、素直に主の命令に従っていく健気なところもまた悲しさを与えてくれる。
もちろん、後にバックを冒険に連れ出すジョンとの出会いも最高で、森林の狼たちを統率するまで立派に成長した姿は感動的とも言えるだろう。
本作からCGの動物であっても自然な演技ができるようになっている事も分かり、今後は本物の動物を使うのは少なくなるだろうと思います。
ここまで感情を揺さぶらせるほど、違和感のないCGの動物の演技は新たな時代を感じさせるだけの説得力があった良作でした。
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