【決算!忠臣蔵】VD-822

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作品データ

公開年月 2019/11/22
ジャンル 時代劇/コメディ
原作 山本博文 『「忠臣蔵」の決算書』
監督 中村義洋
脚本 中村義洋
製作 池田史嗣、古賀俊輔、ほか
製作国 日本
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

江戸の元禄年間で赤穂藩藩主の浅野内匠頭は、江戸城内で幕府の重臣・吉良上野介に斬りかかるという刃傷沙汰を起こし、幕府により即日切腹と藩のお取り潰しされる。
筆頭家老の大石内蔵助は、幼馴染みの勘定方の矢頭長助の力を借りて残務整理に追われる中で一部の藩士が仇討ちを理由に勝手な行動に出るなどプレッシャーが高まる。
ところが、いざ討ち入りするにも相当の金が必要だと判明し、一方で工面した予算800両が減っていくと大石は追い詰められていくのだった。

登場人物&出演者

大石内蔵助(演:堤真一)

近年の出演作に『ザ・ファブル/殺さない殺し屋』、『砕け散るところを見せてあげる』などがあります。

主人公。赤穂藩の筆頭家老。江戸から“火消しの浅野”と呼ばれ、火事をあっという間に消す自信を持っている。

殿による刃傷沙汰で藩の取り潰しが決まるが、討ち入りを拒んで再興を目指そうと動き出す。
吉良が隠居する事で沙汰がないと知り、ブチ切れて討ち入りを決めて藩主たちを焚きつける。
瑶泉院の金をほぼ使い切るが、残された藩主の家族を助ける分だけ残して覚悟を見せていた。
最後は吉良の茶会に合わせて襲撃を宣言し、見事に討ち果たして武士として切腹させられた。

矢頭長助(演:岡村隆史)

近年の出演作に『バイオレンスアクション』、『妖怪大戦争/ガーディアンズ』などがあります。

赤穂藩の勘定方。大石の幼馴染み。いつも「先々」の事を考えて、少ない金をかき集めて余り金を作っていた。

藩の取り潰しで退職金が大幅に減るという事を示し、討ち入りより再興を目指すべきと主張。
大石の取り決めで再興を目指す事になり、残っていた金の勘定をしながら微調整をしていた。
塩屋が瑶泉院の借金を返さないと大石にバレると、彼らが乗り込んで2割ほど取り戻した。
最後は再興の目処がなくブチ切れた大石を追ったが、間違えられて刺客によって殺された。

大高源五(演:濱田岳)

近年の出演作に『七人の秘書/THE MOVIE』、『とんび』などがあります。

赤穂藩の御毒味役。討ち入りを決めようとする藩主たちに意見し、退職金が大幅に減る現実をみんなに知らせた。

浪人になってから大石に従っていて、彼から遊郭で遊ぶ約束をされてずっと待っていた。
再興の話しがなくなって討ち入りが決定的になるが、参加するつもりがなく静観していた。
矢頭が倒れてから討ち入りが本格化するが、費用が足りなくって人数を減らす為に動いた。
最後は討ち入りに参加する事になったが、遊郭へ連れて行ってもらえない事に不満を持った。

不破数右衛門(演:横山裕)

代表作に『エイトレンジャー』シリーズ、『天地明察』などがあります。

赤穂藩の元浜方奉行。剣術の腕がある。殿の逆鱗に触れた事でクビにされ、浪人となって用心棒をしていた。

塩屋に瑶泉院の借金を取りに来た大石と再会し、討ち入りを聞いて一緒にやる為に戻った。
大石の警護を自ら買って出て、台所奉行の三村と常に用心しながら監視されている事を知る。
将監や親類の裏切りでブチ切れた大石を追った矢頭が刺客にやられ、その場で彼らを斬った。
最後は菅谷の作戦について黙って聞いていて、無事に吉良を討って武士の一分を守り通した。

貝賀弥左衛門(演:小松利昌)

代表作に『忍びの国』、『シン・ゴジラ』などがあります。

赤穂藩の蔵奉行。矢頭とともに「先々」を考えて藩の少ない金から余り金を作り出して密かに貯めていた。

取り潰しが決定して細かい計算をしながら、次席家老の指示で割賦金に回す為に武具を売る。
無茶振りする大石に反論した矢頭をフォローし、再興する金すら割賦金に回す指示を受ける。
人違いで矢頭が刺客に殺され、討ち入りが決定すると残っていた金の計算を細かくしていた。
最後は討ち入りが早まって経費が少なくなって、無事に吉良を討って無念を晴らし切腹した。

三村次郎左衛門(演:沖田裕樹)

代表作に『予告犯』、『翔んで埼玉』などがあります。

赤穂藩の台所奉行。長年に渡って節約を第一に料理を作っている。目立たない縁の下の力持ちとして活躍していた。

赤穂藩の塩を使った料理が評判で、微調整しながら藩士たちの舌を充分に満足させていた。
藩の取り潰しが決まって浪人となっても、元藩士の不破が戻ると一緒に監視役を務めていた。
再興の話しで盛り上がる中で節約しながら藩士たちに食べ物と酒を振る舞って満足させる。
最後は討ち入りの日程と作戦が決まり、安くて美味しい場所を知っていて連れて行った。

堀部安兵衛(演:荒川良々)

近年の出演作に『ハード・コア』、『覚悟はいいかそこの女子。』などがあります。

赤穂藩の江戸詰・馬廻。普段は江戸に住んでいて藩の代わりに留守を任せられる。武士としてのプライドが高い。

吉良の討ち入りをしないと大石から聞くと、当然のように納得できず抗議して反対していた。
討ち入りする噂が広がって江戸で注目されると、満更でもないという雰囲気で堂々とする。
大石から討ち入りはしないという噂が広がり、今度は肩身が狭い状態で周囲を警戒していた。
最後は大石の討ち入りでの決断で気合いが入って、結果的に吉良を討って切腹をする事に。

菅谷半之丞(演:妻夫木聡)

近年の出演作に『ある男』、『浅田家!』などがあります。

赤穂藩の馬廻。藩主が切腹して取り潰しになった事実に対して、軍学者の山鹿素行を持ち出して例えていた。

あくまで賄賂で懐を肥やす輩を討つべきだと断じて、藩主の遺志を継いで戦う姿勢を見せた。
不義を働いた吉良に対して切腹をさせるべきと主張するが、大石の決定に流されてしまう。
大石が討ち入りを決め込むと、江戸に集まって早速と手に入れた情報を元に作戦を立てる。
最後は莫大な費用が必要だという事になるが、討ち入りが早くなった事で実現する事になる。

吉田忠左衛門(演:西村まさ彦)

近年の出演作に『バスカヴィル家の犬/シャーロック劇場版』、『大河への道』などがあります。

赤穂藩の足軽頭。藩主の切腹に納得ができず、藩の取り潰しに対して怒りをこみ上げていた。

吉良にお咎めなしという事実を聞くと、怒りの感情に任せて討ち入りの決行を進言していた。
大石が討ち入りしない噂が流れるが、妻と離縁して覚悟を決めていると解釈して納得させた。
江戸にいた藩士たちの暴走を食い止めるべく派遣され、大石がやって来ると感謝された。
最後は討ち入りが決まって菅谷の作戦を聞いて、見事に主君の無念を晴らして切腹となった。

奥野将監(演:大地康雄)

代表作に『マルサの女』シリーズ、『ぼくらの七日間戦争』などがあります。

赤穂藩の番頭。藩主が切腹して取り潰しになる現実を受け入れ、吉良にお咎めなしについても納得していた。

吉田たちが焚きつける中で冷静に状況を分析して、大人しく開城して浪人になるべきと主張。
大石が再興を目指すとして勘定方たちに残りの金を数えさせる状況を見て納得していた。
その裏では親類たちと口裏を合わせて再興はできないと理解して、他の重役たちと結託した。
最後は大石に口裏を合わせている事がバレて、再興がないと言って討ち入りを決意させた。

瑶泉院(演:石原さとみ)

近年の出演作に『そして、バトンは渡された』、『忍びの国』などがあります。

赤穂藩の藩主・浅野内匠頭の妻。夫の刃傷沙汰で切腹となって、藩の取り潰しについて家臣たちに任せていた。

嫁入りした際の持参金で塩問屋に開発費として借り入れさせ、大きく発展させる事になった。
夫の死で取り立ては無理だと思っていたが、大石たちが2割を取り戻した事に少し感心した。
大石が藩の再興ではなく討ち入りの為に使ったと知り、当然のようにブチ切れてしまう。
最後は大石が残された子供たちの為に残した百両などを使い、故郷へ帰すべく働きかけした。

感想

[個人的な評価]

評価 :2.5/5。

本作は山本博文の小説『「忠臣蔵」の決算書』を実写映画化した作品となります。
この作品は『第43回日本アカデミー賞』にて優秀助演男優賞、話題賞の作品部門を受賞しています。
以前は毎年の正月にやっていた「忠臣蔵」ですが、近年はテレビ局が金欠状態でやらなくなってしまった風物詩。
時代劇も金がかかるという事でテレビから姿を消し、今では映画でなんとか観るような時代となってしまっています。
ただ、大掛かりなアクションを必要とする時代劇も減っていて、それ以外のあまり知られていない地味なストーリーが多くなっています。
本作もその中で「忠臣蔵」を扱いながらも、現代的な視点から藩の財政を表現している意味では面白い設定だと感じました。
江戸時代と現代では使っている貨幣が違うし、価値観や物の値段も違うから、それを表現している本作は個人的に興味深いと感じました。
残念ながら「忠臣蔵」自体はあまり好きじゃないですが、本作のような違った視点で作っているのは悪くないと感じました。
討ち入りをするかしないかの問答をする中で、現実的な財政の逼迫を数字として可視化した本作はそこに最大の面白味があると思います。
なので、通常の「忠臣蔵」を期待するのいはお門違いであって、それを求めた時点で本作に対する価値はないだろうと思えます。
現代の価値観で数字を出してくる分かりやすさはあるけど、一方でストーリーとしての面白さに欠けている部分がありました。
やはり、本作を王道の時代劇として期待するなら面白くはないが、一つの知識と捉えるならば楽しめるのではないかと思います。
大石内蔵助という人物は立派だという通説になっているが、果たして絵に描いたような人物だったのか怪しいところです。
多くあるコミカルな時代劇としてテンポはあまり良くないし、笑える部分はないけど、当時の財政を現代の価値観に説明したのは良かったと思います。

コメント

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