【ザ・ブルード/怒りのメタファー】VD-941

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洋画

作品データ

公開年月 1979/06/01
ジャンル ホラー
原作 なし
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 クロード・エロー
製作国 カナダ
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

幼少期に受けた虐待が原因で神経症を患うノーラは医師ラグランの診療施設に入院する。
しかし、ノーラの夫フランクは彼女を隔離し面会させないラグラン医師に不信を抱く。
一方、ラグラン医師は人間の怒りを実体化する実験を行い、ノーラの体にできた腫瘍から異形の群れが現れ復讐を開始するのだった。

登場人物&出演者

フランク・カーベス(演:アート・ヒンデル)

代表作に『SF/ボディ・スナッチャー』、『モンスター・トーナメント/世界最強怪物決定戦』などがあります。

主人公。リフォーム会社を経営している。娘のキャンディスは元妻ノーラに引き取られ、定期的に会っている。

娘とあって風呂に入れている時に体中のケガを見て、元妻から虐待を受けていると知った。
裁判で親権を取ろうとするが、ラグラン医師が元妻に会わせてもらえず彼を疑う事になる。
ノーラの両親が小人の殺人に殺され、娘を連れて行かれるラグラン医師から説明を受けた。
最後はノーラの説得に失敗して彼女を殺害し、ギリギリで娘を小人たちから助けて逃げた。

キャンディス・カーベス(演:シンディ・ヒンズ)

代表作に『デッドライン「恐怖の極限」とは何か?あるホラー作家の衝撃の体験!』、『デッドゾーン』などがあります。

フランクとノーラの一人娘。両親が離婚した事で母親のノーラが親権を持つ。入院する母親と同じ部屋に住んでいた。

父親が引き取る日になって風呂に入ると、背中のケガから虐待を受けていると疑われる。
祖母の家でしばらくいたが、母親から生み出された小人に祖母が殺されてショックを受ける。
ルース先生が小人に殺害されると、抵抗できないまま母親がいる小屋まで連れて行かれた。
最後はラグラン医師が殺害され、父親が母親を絞め殺した事で小人たちから助けられた。

ルース・メイヤー先生(演:スーザン・ホーガン)

代表作に『バイオ・クライシス』、『バタフライ・エフェクト2』などがあります。

キャンディスが通う学校の先生。キャンディスの家庭事情を把握していて、何かと心配しているような状態。

フランクがキャンディスを引き取る日では、迎えが遅い為に面倒を見て来ると引き渡した。
またもフランクが遅れてやって来ると、お腹が空いた事をキャンディスが言って自宅に行く。
フランクの義父に問題が起きて留守番するが、ノーラからの電話で殺意をぶつけられた。
最後は学校に二体の小人がやって来ると、抵抗できないまま押し倒されて撲殺されていた。

ハル・ラグラン医師(演:オリヴァー・リード)

代表作に『吸血狼男』、『三銃士』などがあります。

精神科医。独自に編み出した「サイコ・プラズミック」という治療法を使い、多くの患者を救ってきた実績を持つ。

病院には多くの患者を抱え、定期的に治療を公開していて、その腕前を認められている。
ノーラは特別な存在として無料で治療するが、フランクには頑なに会わせようとしていない。
実はノーラから生まれた小人たちを匿うが、怒りで暴れる事でなんとか止めようとする。
最後はフランクに事情を話してキャンディスを連れ出すが、小人たちが怒って撲殺された。

ノーラ・カーベス(演:サマンサ・エッガー)

代表作に『コレクター』、『ノイズ』などがあります。

フランクの元妻でキャンディスの母親。精神的な病にかかっていて、有名な医者であるラグランの病院に入院する。

ラグラン医師から精神的な問題の治療を行われるが、過去の自分に向き合うスタイルでやる。
過去に母親から虐待を受けた記憶が蘇ると、生んでいた小人が家に行って殺害させていく。
キャンディスを奪われる事からルース先生に殺意を持ち、学校へ小人が行って殺害させた。
最後は元夫が説得に来るも真意を知って怒りを持つが、首を締められた事で死亡してしまう。

感想

[個人的な評価]

評価 :2.5/5。

本作はあのデヴィッド・クローネンバーグによるホラー映画となります。
この作品は実際にデヴィッド・クローネンバーグ監督が離婚した妻との間で、娘の親権を争っている最中で影響を大きく受けています。
独特で徹底したグロテスクな描写で有名なデヴィッド・クローネンバーグの作品ですが、基本的には上記のように私的な問題が強く影響を出しています。
デヴィッド・クローネンバーグ監督の作品は序盤こそ大人しいですが、一度始まったら不気味さがずっと続くというイメージがあります。
本作はメインとなるところが登場するまでちょっと長いような感じになってしまい、デヴィッド・クローネンバーグ監督の鬱憤を晴らす印象が強くなりました。
離婚した主人公が娘の虐待を知ってから精神病で入院している母親を疑うところから始まりますが、そこには怪しさ満点の医者が登場する。
これが複雑な心理戦になると思ったら、意外にも物理的な方法で血みどろな展開になっていきます。
タイトルにもあるように怒りを具現化するような状況になりますが、まずは生み出された小人のような殺人鬼が活躍します。
明らかに主人公の娘に似た感じだが、顔面は不気味な造形で人間のように見えて実際はまったく違う生き物というところが面白いと思います。
そこから主人公が元妻の虐待よりも、主治医となる精神科医を疑っていくが、同時に彼の描写も挟み込んでいます。
実は2つの視点で物語が進んでいって、主人公と娘や先生、元妻と主治医とそれぞれ違った雰囲気で進んでいきます。
ラストはデヴィッド・クローネンバーグ監督自身の怒りを具現化した展開で、すべてを巻き込む恐ろしさはさすがだと言えます。
ただ、全体的に展開が遅い上にデヴィッド・クローネンバーグ監督の私的な問題が強すぎているので、映画としてはちょっと微妙と感じました。

コメント

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