作品データ
あらすじ
最新のAI開発者スティーヴィン博士はソニアという少女型AIを作り出し、彼女は四次元で未来を見る任務を与えられる。
四次元に送り込まれたソニアは想像を絶する事実を知り、地球は終末を迎え、生き残る為に日々戦う孤独な女性、植民地化された火星で生きる若者など。
更に人々は宇宙のあらゆる場所で終焉と闘う未来を見てしまい、四次元から戻ったソニアはそれを阻止するべく決断するのだった。
登場人物&出演者
【孤独】
・カヤ・トレス(演:ステフ・バークレー)
代表作に『Bigfoot Famous』、『Canyonlands, The』などがあります。
救命船のDSV副官。エンジニア。ブラックホールに近づきすぎたせいでエンジンのトラブルを起こしてしまう。
そのせいで動けなくなって救難信号を送るが、応答がなく脱出しようとエンジンを修理する。
ハンマーという男と通信ができるようになって、孤独から解放されて少し安心していた。
エンジンの再始動させるも失敗するが、ハンマーが別の宇宙の人間と判明して惑星を目指す。
最後はすでに時間が大幅に経過し、ハンマーの映像を見ながら別の人間と通信を試みる。
・ハンマー(演:トーマス・ウィルソン・ブラウン)
代表作に『ミクロキッズ』、『ミッドナイト・スティング』などがあります。
荒れ地の惑星の洞窟に遭難した男性。救難信号を送っていたカヤと通信をして、孤独さを紛らわす為に会話する。
外の嵐が凄まじくほとんど出られず、食料となる植物の味が悪く調理をしても厳しいと語る。
カヤの言葉に知らない事やウォッカも知らず、自身はトレマミンだと自称して違和感が出る。
その正体はカヤと別宇宙の人間だと判明すると、彼女が助けを求めて惑星まで来る事になる。
最後はブラックホールでの時間経過が違って待ち切れず、記録だけを残して自決を選んだ。
【クレードル(ゆりかご)】
・イード・ルウェリン(演:ジャクリーン・ジョー)
代表作に『Into the Rainbow』、『Cradle』などがあります。
宇宙船「ゆりかご」の乗員でアジア系の少女。父親と宇宙船の中で遭難した状態になり、懸命に救難信号を送っている。
火星から3000万キロの場所にいて、父親は機械を調査する際に事故でケガを負っていた。
手術には父親のIDが必要でようやく見つかるが、母親の物だと判明するも治療ができた。
母親が残した記録から頭がおかしくなって父親に殺されたと知り、宇宙船は限界に達した。
最後は水中での模擬実験だと知って、動けない父親に見送られて地上へ脱出を果たした。
・マーク・ルウェリン(演:マシュー・サンダーランド)
代表作に『一日狂徒』、『Pearl/パール』などがあります。
宇宙船「ゆりかご」の乗員で白人の男性。イードの父親で宇宙船には二人しかおらず、遭難して救難信号を送る。
妻はすでに亡くなっていて娘と二人だけになり、システムの故障と修理しながら助けを待つ。
問題のある箇所を調べると水に濡れており、ショートした勢いで倒れて頭を強く打っていた。
娘が妻のIDを見つけた事から記録映像で殺した事がバレて、助ける為だと必死に説明した。
最後は脳挫傷の影響で動けず、破壊される宇宙船から娘だけを逃して自身は残り水死した。
【狂気】
・サバイバー(演:リラ・ギマラエス)
代表作に『Bingo: O Rei das Manhãs』などがあります。
荒廃して放射能が巻かれた地球で地下に避難して暮らす女性。たった一人で放射能の影響がない場所で暮らしている。
決められたルーティンで行動し、銃の手入れやトレーニングをしてフェレットを飼っている。
夜は蓄音機から音楽を流しているが、不安と極度のストレスからほとんど眠れない状態に。
外での偵察の為に武装とアーマーを来て出ると、放射能測定器を使いながら慎重に探索する。
最後は待ち構えていた怪物に応戦するが、対応できず捕まって餌として天井に吊るされる。
【火星の新世界】
・ヴィーナス7(演:ケイティ・シモンズ)
本作が長編映画デビュー作となります。
火星の地下施設で暮らす少女。徹底的に管理されたシステムの中で生きて、地上を正常化させる研究を手伝う。
過去の自然あふれる地球に憧れていて、一度は見てみたいという夢を持っているような状態。
マーズ3とは友人以上の感情を持っているが、システムに従ってマッチング相手が選ばれる。
時々はマーズ3と任務から離れて会うが、マッチングの儀式で別の相手になって不安を持つ。
最後は相手を放棄したマーズ3と外に出ると、火星じゃなく地球だと知って自然に涙を流す。
【AI的終末】
・ソニア(演:ジャオ・シュー)
代表作に『星空』、『ミラクル7号』などがあります。
スティーヴン博士が開発した少女型のAIロボット。スティーヴン博士の養女をモデルにして作られている。
自分がなんの為に開発しているのか理解しているが、人間の考えについて理解できていない。
睡眠を取る為に席を外している間に博士が将軍に殺され、涙を流しながら四次元に行った。
真実を知って地球の崩壊は免れないと理解するが、それを阻止する特別な存在だと自覚した。
最後は自分を狙う敵対国の兵士を使って復讐を遂げると、中国の哲学を残して消え去った。
・スティーヴン博士(演:ジェイ・リチャードソン)
代表作に『Nessie & Me』、『沈黙のアフガン』などがあります。
AI技術の開発者。敵対国との戦争が激しくなった事から、軍部から問題を解決するAIの開発をしていた。
亡くなった養女をモデルにしてソニアを作り上げると、あらゆる質問に人間として答える。
養女に対する感情をソニアに読み取られて理由を聞かれると、人間的な感情だと説明した。
ソニアを四次元送りの任務を引き伸ばそうと理由をつけて渋ったせいで将軍に殺される。
最後は四次元でソニアと再会を果たすと、人間では制御できない時空だと説明していた。
・ブライアン将軍(演:アーサー・ロバーツ)
代表作に『ニンジャII/修羅ノ章』、『トレイシー・ローズの美女とエイリアン』などがあります。
敵対する国との激しい戦争で追い詰められる。スティーヴン博士が開発したAIの知識で逆転を狙っている。
ソニアを大事にしているスティーヴン博士に発破をかけるが、何度も渋られる状態にある。
仕方なくスティーヴン博士を殺害すると、ソニアに事情を説明するも涙を見て驚いていた。
四次元からソニアを乗せた装置が帰還を果たすと、チップを取り出そうと指示を出した。
最後は特別な存在になったソニアの前に抵抗できず、操られた敵対国の兵士に射殺された。
感想
[個人的な評価]
本作は『リオ・ファンタスティック・フェスティバル』や『ロサンゼルス国際映画祭』などで受賞をした作品となります。
この作品はオムニバス形式となっていて、全部で5話の短編映画が収録されています。
人類の終焉をテーマにしているようですが、いきなり物語がなんの説明もなく始まるので理解するまで時間がかかります。
1話目は確かにジャケットの宇宙を舞台にしているが、そこで別宇宙へ移動するワームホールで一気にファンタジーとなります。
2話目は似たようなテーマだと思って鑑賞したら、実は水中による模擬実験と分かって一気に興ざめしてしまいます。
3話目は一気に世界観が変わって放射能で汚染された地上で、一人だけで生きる女性の生活を淡々としていて一番面白いと感じました。
4話目が火星をテラフォーミングする地下での物語になっているが、2話目と同じようなオチで残念としか言えない。
5話目が本作におけるメインと言える作品ですが、まさか四次元で時空を見てきたAIが中国哲学を持ってくる時点で一番残念としか思えなかった。
とにかく、本作は人類の終焉という大きいすぎる枠でやっていますが、その繋がりほぼない上に説明もないから唖然としてしまいます。
そういうモノだと納得するしかないが、こういうオムニバス形式というのは映像のインパクトだけに振り切るようなイメージしかないです。
なぜなら世界観の説明をする尺が圧倒的に足りず、本作はすべての作品に共通して謎を多く残したまま終わっています。
鑑賞している人間に考えさせるタイプだと思いますが、そこまでの魅力がないし、一番面白そうな作品がすぐに終わる不公平さもありました。
完全にジャケットとタイトル、それにあらすじで騙された作品となってしまい、唖然するしかない内容でした。
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