作品データ
公開年月 | 2016/07/01 |
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ジャンル | ヒューマンドラマ/コメディ |
原作 | なし |
監督 | ダニエル・シャイナート、ダニエル・クワン |
脚本 | ダニエル・シャイナート、ダニエル・クワン |
製作 | ローレンス・イングリー、ジョナサン・ワン、ほか |
製作国 | スウェーデン、アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
無人島で遭難し、死を覚悟していた青年のハンクだったが、彼の前に男の死体が流れ着く。
死体からはガスが吹き出しており、思い切って跨ってみると、まるでジェットスキーのように勢い良く海面を滑り出した。
死体はその後も驚くほどの多機能ぶりを発揮し、追いつめられたハンクの窮地を救う事になるのだった。
登場人物&出演者
感想
[個人的な評価]
本作はサンダンス映画祭でプレミア公開され、同映画祭ではドラマ部門の監督賞で賞をしています。
監督を務めるのはダニエル・シャイナート、ダニエル・クワンのコンビから“ダニエルズ”と呼ばれています。
タイトルは多機能ナイフの「スイスアーミーナイフ」から取ってモノとなっています。
まず、本作はかなりのぶっ飛んだ内容となっていて、死体がここまで万能だとは知らなかったぐらいなんでもできる。
そう思わせるような内容であるが、どう考えてもありえない展開が真面目に描かれている。
死体を使ったコメディ映画に『バーニーズ/あぶない!?ウィークエンド』がありますが、それを期待してしまいました。
ですが、本作はコメディ映画であるけど、何かドラマ的な要素やファンタジー要素を含んだ複雑な模様を呈している作品でした。
途中からはトム・ハンクス主演の『キャスト・アウェイ』に登場した、バレーボールを相棒に見立てた「ウィルソン」とのやり取りを彷彿とさせました。
ただし、本作はもっと突っ込んだ内容となっていて、主人公であるハンクはもう現実との区別がつかない状態になっている。
主人公の妄想が生み出した光景だと思わせる感じだったが、時には本当に死体が生きているのではないかと思わせる演出もありました。
本作で伝えたいモノは、ずっと自分の殻に閉じこもっていた男が、何も言わない死体との会話から本当の自分を見出していくという物語である。
最初こそコメディ映画のような展開だが、途中から主人公の内面に踏み込んだ内容となってシリアスな雰囲気になっていきます。
そして、最後はなんだか感動の一歩手前まで行きそうな展開になるが、冷静に考えると明らかにおかしいと思わせます。
様々な要素をぶち込んだ作品でありながら、最後にはなんだか微笑ましい気持ちになります。
主人公を演じたポール・ダノの妄想と現実が分からなくなる演技は良かったが、それ以上に死体を演じたダニエル・ラドクリフが素晴らしかったです。
本来ならしゃべる事がない死体だが、しゃべってもいいような雰囲気を作っていて、それでも死体という説得力を生み出している。
とにかく、最後に死体であるメニーが海へと去っていく時に見せた笑顔は、主人公を解放させた満足感にも見えた作品でした。
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