【スイス・アーミー・マン】RE-2701

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洋画

作品データ

公開年月 2016/07/01
ジャンル ヒューマンドラマ/コメディ
原作 なし
監督 ダニエル・シャイナート、ダニエル・クワン
脚本 ダニエル・シャイナート、ダニエル・クワン
製作 ローレンス・イングリー、ジョナサン・ワン、ほか
製作国 スウェーデン、アメリカ
鑑賞方法 レンタルDVD

あらすじ

無人島で遭難し、死を覚悟していた青年のハンクだったが、彼の前に男の死体が流れ着く。
死体からはガスが吹き出しており、思い切って跨ってみると、まるでジェットスキーのように勢い良く海面を滑り出した。
死体はその後も驚くほどの多機能ぶりを発揮し、追いつめられたハンクの窮地を救う事になるのだった。

登場人物&出演者

ハンク・トンプソン(演:ポール・ダノ)

代表作に『リトル・ミス・サンシャイン』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』などがあります。

主人公。無人島に流れ着き、孤独のまま死ぬが恐くなり、自殺を図るもメニーを発見する。

打ち上げられたメニーが死体だと知るも、必死に声をかけて孤独の寂しさを紛らわせていく。
すると、メニーは急にしゃべるようになると、それまで自分が溜めていた思いを吐き出す。
メニーのおかげで無人島から脱出し、憧れのサラの家にたどり着くが、完全に変人になる。
最後はメニーの真実をサラや父親に見せつけ、海に入ってオナラで去る彼を笑顔で見送った。

メニー(演:ダニエル・ラドクリフ)

近年の出演作に『ジャングル/ギンズバーグ19日間の軌跡』、『グランド・イリュージョン/見破られたトリック』などがあります。

ハンクが漂着した無人島に流れ着いた死体。死後何日か経過し、腹の中で腐敗ガスが溜まる。

ケツの穴から腐敗ガスを勢い良く出し、ジェットスキーの要領でハンクとともに海を進んだ。
人がいそうな場所にたどり着き、孤独を紛らわせようとしたハンクと会話をする事に。
死体でありながら万能な道具であり、口から水や空気銃のように何かを発射させられる。
最後はハンクとともにサラの家にたどり着き、海辺に移動させられ、どこかへと去っていく。

サラ・ジョンソン(演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド)

近年の出演作に『10/クローバーフィールド・レーン』、『ダイ・ハード/ラスト・デイ』などがあります。

ハンクが片想いしていた女性。バスで毎日すれ違っていたが、一度も話しかけられなかった。

ハンクがSNSを通じて既婚者だと判明するが、それでも彼の片想いは消える事がなかった。
ついにメニーとともにハンクが家にたどり着くが、当然のように変人を見る目で接する。
最後はメニーがオナラで去っていく姿を見て、ありえないと呟いて呆然とした表情となる。

ハンクの父親(演:リチャード・グロス)

代表作に『ディープ・エンド』、『マーヴェリックス/波に魅せられた男たち』などがあります。

ポールとは母親が死んでからは疎遠になっている。誕生日の時にお互いが電話をかける程度の関係。

ハンクに対して断るごとに「低能」と言われ、それに対して辟易して疎遠になっていた。
誕生日の時に電話をかけるのを忘れ、ハンクがグリーティングカードのメールを教えていた。
最後はハンクが死んでいた事を悲しみが、人違いだと知るも息子が変人になって呆然とした。

感想

[個人的な評価]

評価 :3/5。

本作はサンダンス映画祭でプレミア公開され、同映画祭ではドラマ部門の監督賞で賞をしています。
監督を務めるのはダニエル・シャイナート、ダニエル・クワンのコンビから“ダニエルズ”と呼ばれています。
タイトルは多機能ナイフの「スイスアーミーナイフ」から取ってモノとなっています。
まず、本作はかなりのぶっ飛んだ内容となっていて、死体がここまで万能だとは知らなかったぐらいなんでもできる。
そう思わせるような内容であるが、どう考えてもありえない展開が真面目に描かれている。
死体を使ったコメディ映画に『バーニーズ/あぶない!?ウィークエンド』がありますが、それを期待してしまいました。
ですが、本作はコメディ映画であるけど、何かドラマ的な要素やファンタジー要素を含んだ複雑な模様を呈している作品でした。
途中からはトム・ハンクス主演の『キャスト・アウェイ』に登場した、バレーボールを相棒に見立てた「ウィルソン」とのやり取りを彷彿とさせました。
ただし、本作はもっと突っ込んだ内容となっていて、主人公であるハンクはもう現実との区別がつかない状態になっている。
主人公の妄想が生み出した光景だと思わせる感じだったが、時には本当に死体が生きているのではないかと思わせる演出もありました。
本作で伝えたいモノは、ずっと自分の殻に閉じこもっていた男が、何も言わない死体との会話から本当の自分を見出していくという物語である。
最初こそコメディ映画のような展開だが、途中から主人公の内面に踏み込んだ内容となってシリアスな雰囲気になっていきます。
そして、最後はなんだか感動の一歩手前まで行きそうな展開になるが、冷静に考えると明らかにおかしいと思わせます。
様々な要素をぶち込んだ作品でありながら、最後にはなんだか微笑ましい気持ちになります。
主人公を演じたポール・ダノの妄想と現実が分からなくなる演技は良かったが、それ以上に死体を演じたダニエル・ラドクリフが素晴らしかったです。
本来ならしゃべる事がない死体だが、しゃべってもいいような雰囲気を作っていて、それでも死体という説得力を生み出している。
とにかく、最後に死体であるメニーが海へと去っていく時に見せた笑顔は、主人公を解放させた満足感にも見えた作品でした。

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