作品データ
あらすじ
幼少時に中国からタイに移住したリー・ウェイジエは、インターネット回線会社を経営しながら家族と平凡に暮らしていた。
ある日、サマーキャンプに出かけた長女のピンピンはが不良高校生のスーチャットに睡眠薬を飲まされ、暴行された上に撮影されてしまう。
動画をネットに拡散すると脅されたピンピンはスーチャットを殺害するが、彼は警察局長の息子と判明し、娘の為にウェイジエは完全なアリバイ作りに着手するのだった。
登場人物&出演者
・リー・ウェイジエ(演:シャオ・ヤン)
代表作に『ドラゴン・ブレイド』、『唐人街探偵』シリーズなどがあります。
主人公。タイに移住してインターネット回線会社を経営する。1000本以上の映画を見て多くの知識を得ている。
娘がスーチャットにレイプされ、彼を殺害した事を聞くと、家族を助ける為の計画を立てた。
アリバイ作りの為に行動して、警察の尋問を受けても自白を避けて、証拠を一切残さなかった。
ラーウェンの暴走と死体が見つからず釈放されるが、暴動が起きて責任を取ろうと考えた。
最後は家族を救う為にスーチャット殺害の自首をして、刑務所で真面目に服役をしていた。
・アユー(演:タン・ジュオ)
代表作に『スプリング・フィーバー』、『チィファの手紙』などがあります。
ウェイジエの妻。夫とピンピンが上手くいっていない事を察して、代わりに二人の話を聞いてる。
様子がおかしいピンピンの事情を聞いて、スーチャットを二人で誤って殺害して墓に埋めた。
夫にも話をして家族を助けるという言葉を信じて、警察の尋問を乗り越える練習していた。
暴走するラーウェンにスーチャットの非道な行為を罵って、決定的に対決しようと覚悟した。
最後は夫が自首して罪を償うと、娘とともに自分たちが殺害したと主張を始めていた。
・ピンピン(演:シュー・ウェンシャン)
本作が長編映画デビュー作となります。
ウェイジエとアユーの長女。女子高生で父親とは上手くいっておらず、会話もほとんどしていない。
父親にサマーキャンプに行きたいと言うが、一度断られると、その場から立ち去ってしまう。
サマーキャンプに行くが、スーチャットに薬を盛られ、レイプされた上に動画を撮られていた。
母親に相談して事故でスーチャットを殺害し、父親に事実を話して刑務所行きを回避する。
最後は父親が自首して罪を償うと、母親とともに自分たちこそが殺害したと主張をした。
・アンアン(演:チャン・シーラン)
代表作に『唐人街探偵/東京MISSION』などがあります。
ウェイジエとアユーの次女。無邪気で素直な性格でピンピンと違って父親とは特に仲が良い。
父親と母親がイチャイチャしているところを邪魔するが、特に意味が分からずごまかされた。
母親と姉がスーチャットを殺害し、遺体を運ぶ際に墓へ埋めたところを目撃していた。
スーチャット殺害を隠す為に父親から尋問の練習を受けて、泣き出すも本番は素直にこなす。
最後はラーウェンの圧力で墓の事をしゃべるが、それこそがウェイジエの罠となっていた。
・サンクン(演:シー・ミンシュアイ)
代表作に『ひとつの太陽』、『同級生マイナス』などがあります。
ルオトン警察の警官。警官である身分を使って抵抗できない市民を脅しながら金を巻き上げている。
警察沙汰になるような問題に介入して、示談金を提示して一部を拝借する仕事に勤しんでいる。
何かと邪魔をしようとするウェイジエに個人的な恨みを持ち、スーチャットの殺害を疑った。
ウェイジエの家族に高圧な態度で尋問し、ラーウェンの許可を得て喜んで暴行を加えていた。
最後はウェイジエの自宅にスーチャットの死体が見つからず、暴徒と化した市民に襲撃された。
・スーチャット(演:ビィン・ティンヤン)
代表作に『チィファの手紙』などがあります。
ドゥポンとラーウェンの一人息子。母親から過保護に甘やかされたせいで、様々な問題を起こしている。
同級生を殴って失明寸前まで追い込んだが、父親が権力を使って退学だけは免れていた。
サマーキャンプでピンピンに目をつけ、ジュースに睡眠剤を混ぜて友人たちとレイプをした。
レイプする様子を動画で映していて、それを使ってピンピンを意のままにしようと脅迫した。
最後はアユーに話したピンピンと二対一となるが、頭を殴られ、墓に埋められ窒息した。
・ラーウェン局長(演:ジョアン・チェン)
代表作に『ラストエンペラー』、『AVA/エヴァ』などがあります。
ドゥポンの妻でスーチャットの母親。警察局長でスーチャットの母親。20年も警察をやってきた。
1000以上の事件を見てきて、どんな難解な内容であっても証拠を偽造して逮捕に結びつける。
息子を溺愛して甘やかしたせいで不良に育ち、夫から注意されても認めようとしなかった。
行方不明になった息子をウェイジエが殺害したと推理するが、証拠がなく自白を強要していた。
最後は死体が見つからず社会制裁を受け、ウェイジエから場所を教えてもらず心労を重ねた。
・ドゥポン議員(演:フィリップ・キョン)
代表作に『ドラゴン×マッハ』、『真・三國無双』などがあります。
ラーウェンの夫でスーチャットの父親。次の市長選に出馬して、次の市長として確実視される。
息子が同級生の顔を殴って失明寸前まで問題を起こすが、権力を使って退学を阻止した。
甘やかす妻に厳しい態度を取り、問題を起こす息子を殴るも、当然のように反抗されていた。
息子が失踪しても選挙戦を優先していたが、ウェイジエの家に遺体があると聞いて来ていた。
最後は名誉と地位をすべて失い、ウェイジエに息子の行方を聞くが、結局教えてもらえず。
感想
[個人的な評価]
本作は2015年に公開されたインド映画『ビジョン』のリメイクとなっています。
この作品は『富川国際ファンタスティック映画祭』や『第5回ゴールドクレイン賞』などで受賞しています。
どうやら数々の映画祭で受賞しているが、インド映画を中国がリメイクするのはなんだか珍しいと思いました。
さすがに舞台は中国じゃなくタイになっていましたが、中国人が普通に暮らせるような環境だと分かります。
序盤はコミカルな雰囲気を出しているけど、主人公の娘が不良にレイプされる重たい内容が少しアンバランスでした。
そのせいで、なんだか娘がレイプされるという一生癒えないような心の傷を負う一大事件が軽く見えてしまった。
どっちかと言えば、犯人を殺害した事実を隠そうとする方にシフトするので、そこら辺のケアがまったくなかったような気がする。
当然ながら冒頭のコミカルな雰囲気が一気に消えて、シリアスであるけど、なんだかずっとフワフワしたイメージを持ちました。
映画を使ってアリバイをモンタージュする展開は面白いが、個人的にそこまでハマるような印象を持たなかったです。
例え、主人公たちが容疑を跳ね返したとしても、事実として殺害しているので、もう家族は笑って過ごせるような人生は送れない。
下手をすれば、罪に苛まれて精神を病んでしまう可能性があるから、どっちに転んでもハッピーエンドはないと予測できます。
なので、本作のオチについては無難な着地となっているけど、どうにもスッキリしない終わり方に感じてしまいました。
あと、前提条件となる映画の知識を使って完全犯罪をするという設定だが、自分も多くの映画を鑑賞しているが、そんな事はできません。
そもそも、一本の映画を細部まで分析した上じゃないと、あのような行動ができないし、主人公は脚本家でもないから現実離れてしていたと思います。
リンク
コメント