作品データ
あらすじ
ファッション業界で有名なデザイナーを目指していたローズだが、控えめな性格のせいで仕事は損ばかりを背負っていた。
そんなある日、友人に誘われ出向いたクラブの帰りにバイク事故に遭ってしまい、顔がモンスターのような悲惨な状態になっていた。
絶望していたローズに医師が無認可の最新技術による細胞移植を施すと、以前よりも美しくなるも毎晩のように悪夢に悩まされるようになるのだった。
登場人物&出演者
・ローズ・ミラー(演:ローラ・ヴァンダーヴォート)
代表作に『イントゥ・ザ・ブルー2』、『ジグソウ:ソウ・レガシー』などがあります。
主人公。ファッション業界で成功を夢見てファッションブランドで下積みしている。ヴィーガンで肉食を嫌う。
幼い頃に交通事故で両親を亡くし頭をケガし、チェルシーの両親に家族同然として育てられた。
ショーの帰りに事故に遭い、アゴが壊れ、腸も摘出されてチェルシーと同居する事になる。
バロウズ医師の手術で以前よりも美しく生まれ変わるが、人を襲う怪物になったと自覚せず。
最後はクリニックでバロウズの妻を殺し自殺するが、不死の為に永遠の実験台にされてしまう。
・チェルシー・コトレル(演:ハネケ・タルボット)
代表作に『レディ・オア・ノット』、『ボゼッサー』などがあります。
ファッションブランドでモデルとして働いている。両親を亡くしたローズを家族同然として育てられた。
会社で変人扱いされるローズにとって唯一の味方で、何かと心配して励ましてあげている。
目の前でローズが交通事故に遭い、自分のせいでそうなったとして償いをすると宣言した。
生まれ変わったローズを温かく出迎え、デザインを気に入られてショーのトリを務める事に。
最後はショーへ向かう道中に噛まれ、変異してガンターを殺し、警察官たちの銃弾に倒れた。
・ブラッド(演:ベンジャミン・ホリングスワース)
代表作に『幸せがおカネで買えるワケ』、『ラスト・ラブ』などがあります。
ローズとと同じファッションブランドでカメラマンとして働いている。将来は報道カメラマンを目指す。
ファッションショーにローズを誘ったが、実はチェルシーの手回しで女なら誰でも抱くという。
交通事故に遭ったローズを心配してクリニックに来ると、バロウズ医師と会って取引をした。
ローズに近寄っていたが、実は報道カメラマンのネタとしてバロウズ医師に監視を頼まれた。
最後はローズをクリニックに連れていき、すべてがバレて、彼女の触手に殺されてしまう。
・ドミニク・ダンバース(演:ステファン・ハウザー)
代表作に『十七年後の真実』、『30デイズ・ナイト2:ダーク・デイズ』などがあります。
有名な俳優。「大病院」という作品で医師役で出演している。バロウズ・クリニックでなぜか滞在している。
日課となる水泳を夜やっていると、そこに顔を取り戻したローズが来て熱烈なキスをした。
唇を噛み切るほどの熱すぎるキスに衝撃を受け、逃げるローズに文句を言っていた。
撮影で興奮した状態になっていて、共演者のちょっとした刺激から暴走して顔を噛み千切る。
最後は狂犬病の疑いとして病院へ収容され、訪れたライリー医師に危険な感染症と言われる。
・ガンター(演:マッケンジー・グレイ)
代表作に『売春捜査官』、『ウォークラフト』などがあります。
ファッションブランドのオーナーでデザイナー。会社では絶対的な権力者として怠け者を平然と侮辱する。
ショーの説明途中で遅刻したローズを指摘し、同僚たちがいる前でジョークを交えて注意した。
交通事故で入院したローズの復帰はないと考えたが、生まれ変わった彼女を見て呼び戻した。
斬新なデザインをするローズを気に入ると、ファッションショーの目玉として彼女を指名する。
最後はショーで大トリを務めるチェルシーが感染で暴走し、首を食い千切られて死亡した。
・ライリー医師(演:ケヴィン・ハンチャード)
代表作に『ブルーに生まれついて』、『クリスマス・カレンダー』などがあります。
地元の病院から呼び出しをもらって駆けつけた感染症専門の医師。地元の医師から情報を得て危険な感染症と判明。
第一号と思われたドミニクの状態を見ると、感染力と暴走する状態に最大の警戒を持った。
次々と運び込まれる患者に感染力の強さを見て、地元の医師に慎重な行動が必要だと話した。
最後は暴走した患者が警察官に撃ち殺されてしまい、それに対して烈火の如くブチ切れていた。
・バロウズ医師(演:テッド・アザートン)
代表作に『ハリウッドランド』、『スタンドオフ』などがあります。
バロウズ・クリニックの院長。最新技術をコマーシャルで宣伝している。どんな傷も治せると自信を持っている。
ローズがやって来ると、彼女の顔を見て理想的な患者として無料で治療をすると取引をした。
実は過去に妻が末期ガンとなって、認可されていない最新手術を施して怪物に変貌させる。
ブラッドと取引して暴走するローズの見張り役をさせ、彼らがクリニックに来ると正体を暴く。
最後はローズに妻を殺されるが、不死となった彼女を監禁して、実験台にすると宣言した。
感想
[個人的な評価]
本作は1977年に公開されたデヴィッド・クローネンバーグの同名映画のリメイクとなります。
この作品は『ショックフェスト映画際2019』で作品賞、『シッチェス・カタロニア国際映画祭2019』で作品賞にノミネートされています。
なんと言っても、グロテスクな表現が秀逸なデヴィッド・クローネンバーグの作品が原作ならば期待するしかないです。
ストーリーとしては平凡であるけど、変異していく主人公のグロテスクな姿はデヴィッド・クローネンバーグを彷彿とさせます。
残念ながらオリジナルの方は鑑賞していないが、思っていたよりもグロテスクな描写はそこまで多くなかった。
もし、デヴィッド・クローネンバーグならば、惜しげもなく変異した人間を出してくるので、そこら辺はリメイクという事で違っていたと思う。
冴えない主人公が交通事故で顔を失い、非認可の手術を受けて美女になって成功をするサクセスストーリーは王道と言えます。
その裏で隠された再建手術の秘密が別の何かを移植された事から、無意識に人間の血を求めて襲う辺りはなかなか面白い。
かなりの出し惜しみをしてしまっているので、デヴィッド・クローネンバーグ作品のリメイクとして少し弱いと感じました。
やはり、こういう作品では変異した主人公を一度しっかりと見せるべきだが、監督たちは最後までキレイに見せたかったのでしょうね。
そのせいで最大の魅力である怪物になっていく主人公の恐ろしさが今ひとつとなってしまい、同時に説得力がちょっと弱くなっていました。
どっちかと言えば、顔を失ってしまったローズのインパクトが強すぎて、その後の変異がほとんど描写されなかったから惜しいと感じました。
ここら辺のバランスが悪かったので、もっと盛り上げる為には、どうしてもローズには怪物化を一度は見せて欲しかったです。
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