作品データ
あらすじ
物理学者のダニエルはビルの屋上で突如、何者かに襲われ、意識が朦朧とする中ですぐ横には変わり果てた恋人の姿を見た。
意識が混濁するダニエルは襲った男から謎の言葉を告げられると、彼はそのままビルから飛び降りてしまう。
恋人を失ったダニエルは自ら命を絶とうとしたが、警察の事情聴取から犯人が告げた謎の言葉が過去の複数の未解決殺人事件に関連していると知るのだった。
登場人物&出演者
・ダニエル(演:ブルーノ・ガリアッソ)
代表作に『Dom』、『Marighella』などがあります。
主人公。物理学者。IQ170の超天才。タイムトラベルはできると信じて、ずっと可能性を研究していた。
パーティ開催するも誰も来ず、姉のシモーネが代わりに大学生たちを呼んでマリアと出会う。
マリアとは嫉妬による口ゲンカをしていたが、体の相性によってすぐに仲直りしていた。
何者かにマリアを殺されたと勘違いし、警察に事情を正直に話すも記憶が曖昧になっていた。
最後は立ち直っていたが、車に乗っていたところで衝突を食らって2年も昏睡状態となる。
・2年後のダニエル(演:ニコラス・アントゥネス)
代表作に『My Mom Is a Character 2』、『見えざる人生』などがあります。
主人公。車の交通事故で顔が変わってしまっている。事故の後遺症で車椅子で生活をしていた。
姉とのリハビリと習いたての鍼治療により、寝たきり状態だったと思えないほど健康体に。
気力を取り戻すと、途中になっていたタイムトラベル理論を完成させ、実際に時間を遡る。
過去に戻って姉に事情を話して仕事をもらうと、マリアと再会して妊娠させてしまう。
最後は過去の自分がマリアを殺す前に来るが、結局は間に合わず、同じ事を繰り返す事に。
・マリア・ルイーザ(演:ビア・アランテス)
代表作に『O Último Virgem』、『The Movie of My Life』などがあります。
ヒロイン。心理学を専攻している女子大生。ダニエルのパーティに知らず呼ばれてやって来ていた。
未来のダニエルと会話している事を知らず、現在のダニエルと会話をして一瞬で恋に落ちる。
ダニエルとは日常的に口ゲンカをしていたが、体の相性が抜群でその後は仲直りしていた。
実は未来のダニエルに惹かれてしまい、そのまま肉体関係を持って子供を妊娠してしまう。
最後は出ていくと現在のダニエルに告げると、キレた彼に突き飛ばされ頭を打って死亡した。
・シモーネ(演:ブランカ・メッシーナ)
代表作に『Cafuné』、『Depois de Ser Cinza』などがあります。
ダニエルの姉。看護師。IQ170もある弟のタイムトラベル理論について誰よりも信じている。
タイムトラベルについてのパーティを弟が開くと、誰も来ないと分かって他の学生を呼ぶ。
弟の恋人が死んで自殺しようとしたが、すぐに見つけて助け出し、生きるように説得した。
タイムトラベルに成功させた弟が未来から来ると、顔が変わっても話しを聞いて信じた。
最後は未来の弟が恋人を妊娠させると、浮気したと同じとして彼を正論で批判していた。
・ロベルト署長(演:ロベルト・ビリンデッヂ)
代表作に『Dolores』、『Agua dos Porcos』などがあります。
第5文民警察署の署長。恋人を何者かに殺され、ケガだらけのダニエルを尋問していた。
ダニエルを釈放しようとしたが、部下から問題視されるも襲われた事を肯定して説得した。
過去に兄を亡くしていて、同じ手口で何人か殺されていると知り、犯人をずっと追っていた。
ダニエルがタイムトラベルしていると知らず、兄の悪事を彼が正したと知らず追撃する。
最後は病院で入院していると、顔が変わったダニエルに銃弾を浴びせるも逃げられた。
感想
[個人的な評価]
本作は『マンチェスター国際映画祭』にてグランプリ、作品賞、女優賞、編集賞を受賞しています。
他に『ロサンゼルス・ブラジリアン映画祭』で男優賞にノミネートされています。
いわゆるタイムトラベルを扱ったSF映画となりますが、ちょっとばかりサスペンスによる謎解きに傾いています。
物語の根幹となるタイムトラベルの原理について、かなり大雑把で説得力に欠けていて、あくまでオマケみたいな印象を受けた。
ハードSFの観点からみると、確実に本作で取り上げているタイムトラベルがファンタジーとも言えるぐらい強引すぎる。
それはまだいいけど、本題に入るまで助走がかなり長く、ようやくタイムトラベルが出てきたらファンタジーだから余計にドラマの部分が重要となる。
しかし、肝心のドラマ部分に関しても、完全に主人公だけが一人で暴走しているだけで迷惑しかかけていない。
本作でのタイムトラベルにはパラレルワールドを取り入れず、一本道となっているから時間軸の違う主人公が何人も存在する。
ようやく中盤でタイムトラベルをしていくが、そこから伏線を散りばめていく作業に取りかかるもちょっと遅いと感じた。
ロマンスをやりたいのか、ドラマをやりたいのか、スーパーヒーローをやりたいのか、SFをやりたいのか、全部が中途半端になっている。
そもそもの発端が主人公のタイムトラベル理論から始まり、その目的が死んだ恋人を助ける為で、最終的になぜか人助けをする目的がブレブレになってしまっています。
だったら、最初から最後までロマンスなり、タイムトラベルなり、それに一貫性を持たせないと物語がとっ散らかります。
それと、大失敗の設定となっている主人公のIQ170は完全に足を引っ張っていて、タイムトラベルを実現できるのに、誰でもすぐ分かる問題の原因がまったく分からないという。
どうしても頭の良いキャラクターを描くには、まず作りてがそのレベルじゃないといけないけど、残念ながら監督はそれほどの知能はなかったようです。
あとは全体的に暗黒映像になっていて、意図的な演出だろうけど、個人的には逆効果で鑑賞する気が失せました。
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