【空白】VD-667

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作品データ

公開年月 2021/09/23
ジャンル サスペンス
原作 なし
監督 吉田恵輔
脚本 吉田恵輔
製作 佐藤順子
製作国 日本
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

ある日、スーパーで中学生の花音が店長の青柳に万引きがバレてしまい、逃げて車道に飛び出した結果、凄惨な事故に巻き込まれて命を落とす事になる。
シングルファーザーで花音の父親だった添田充は、変わり果てた娘の姿を見て泣き崩れてしまう。
日頃、娘の気持ちなど気にもかけていなかった添田は、せめて彼女の濡れ衣を晴らそうと、青柳を激しく責め立て始めるのだった。

登場人物&出演者

添田充(演:古田新太)

代表作に『土竜の唄/香港狂騒曲』、『信長協奏曲』などがあります。

主人公。漁師として働いている。威圧的な態度で誰とでも接して、娘や元妻に対して非常に口が悪い。

自己中心的な考え方で悩んでいた娘の話しを聞かず、彼女が死ぬと一人で暴走を始めてしまう。
元妻からマスコミの対応が悪いと言われると逆上して、他人の話しを一切聞かず行動していた。
娘の部屋で万引きした化粧品を見つけて秘かに処分して、冷静になって元妻に謝罪をした。
最後は警備員のバイトをする青柳に遭遇し、謝罪はできないが彼の苦しさを理解して歩み出す。

青柳直人(演:松坂桃李)

近年の出演作に『いのちの停車場』、『あの頃。』などがあります。

スーパーマーケット「スーパーアオヤギ」の店長。父親が急死したせいで店長として店を切り盛りする。

感情をあまり表に出す事がないせいで常連客から評判が微妙だが、草加部から好かれている。
花音を万引きだと疑って逃走した彼女を追うが、そのせいで交通事故で死なせて責任を感じる。
マスコミの偏向放送で悪者扱いにされ、娘の潔白を信じる添田にも追い詰められてしまう。
最後は店が潰れ警備員のバイトで添田に遭遇し、弁当が好きだった職人の言葉に涙を流した。

松本翔子(演:田畑智子)

代表作に『血と骨』、『隠し剣 鬼の爪』などがあります。

添田の元妻。再婚して妊娠中である。娘である花音とは定期的に会って悩み事などを聞いていた。

友達がいない娘の現状を知らず、新入生を迎える準備でリボンを一緒に作って話していた。
娘が交通事故で亡くなって悲しむが、添田のマスコミに対する態度について注意をしていた。
再婚相手と花音が亡くなった道路で花を添えていると、笑う政治家の看板を見てブチ切れる。
最後は花音の墓参りで未来を踏み出そうとして、添田からまさかの謝罪を受けて驚いていた。

野木龍馬(演:藤原季節)

代表作に『his』、『佐々木、イン、マイマイン』などがあります。

漁師で添田の弟子。添田の厳しすぎる態度に対して、なんとかやっているも他の漁師に愚痴をこぼしていた。

本当なら別の漁船に乗りたいと話すが、添田がいるせいでできず、ホストへの転職を考える。
花音が交通事故で亡くなると、葬式で青柳に殴りかかる添田を止めた時に口をケガしてしまう。
添田がマスコミに対して威圧的な態度を取って注意するが、聞いてもらえず別の漁船に乗る。
最後は添田の船に戻ると、花音の墓参りで帰りに翔子へ謝罪していた姿を見て驚いていた。

添田花音(演:伊東蒼)

代表作に『貞子3D2』、『湯を沸かすほどの熱い愛』などがあります。

充と翔子の中学生の一人娘。父親と二人暮らしで母親とは定期的に会っている。学校では印象に残らない存在。

新入生を迎える時期になってリボンを作るが、担任の今井から間に合わないと注意される。
父親とはコミュニケーションが上手く取れない関係で、常に怯えるような態度で話しをする。
「スーパーアオヤギ」でマニュキアを見ていたが、万引きと疑った青柳に裏へ連れて行かれる。
最後は店から飛び出して追う青柳から逃げるが、道路へ飛び出して車とトラックに轢かれ死亡。

草加部麻子(演:寺島しのぶ)

近年の出演作に『キネマの神様』、『Arc/アーク』などがあります。

「スーパーアオヤギ」に勤務するパート店員。先代から長く勤めている。ボランティア活動もしている。

あまり感情を出さない直人を何かと心配していて、あれこれと首を突っ込んで機嫌を取る。
花音が交通事故で亡くなると、直人の味方として自宅まで訪れて炊き出しの余りを持ってくる。
ずっと直人が正しいと勝手に動き回るが、そのせいで彼を苦しめる事になって店が潰れる。
最後は炊き出しのボランティアをしていたが、結果的に店と直人を失って一人で涙していた。

今井若菜(演:趣里)

代表作に『おとぎ話みたい』、『生きているだけで、愛。』などがあります。

花音が通う中学校の担任教師。マイペースにリボンを作っていた花音に対して厳しく注意をしていた。

交通事故によって花音が亡くなってしまい、学校までやって来た添田の威圧的な態度に怯む。
イジメについて調査を迫られると、クラスの生徒から事情聴取などをするも納得してもらえず。
納得できない添田が帰ると、他の教師に花音の理解者と主張したところで突っ込まれていた。
最後は美術室に残っていた花音の絵を見つけて、添田の自宅までやって来て手渡していた。

中山緑(演:片岡礼子)

代表作に『愛の新世界』、『北京原人/Who are you?』などがあります。

花音を撥ねた車を運転していた女性の母親。事故の後に娘とともに添田の元に行って謝罪していた。

しかし、娘と謝罪しても添田から無視されるような状況になっても必死に謝り続けていた。
その後も娘が単独で添田の元で謝罪するも無視され、結果的に自殺して誰よりも悲しんでいた。
最後は添田が葬式にやって来ると、娘の罪を一人で被って許してもらうと懇願していた。

感想

[個人的な評価]

評価 :3/5。

本作は『ヒメアノ~ル』などで知られる吉田恵輔が監督と脚本を務めています。
この作品は主演を務める古田新太にとって『台風一家』以来となる7年ぶりの映画主演作となっています。
なんと言っても、古田新太のキツイ性格を持つキャラクターを実際にいてもいい人物と思えるぐらいリアルでした。
世の中には一人で暴走して決めつけた状況で立ち回って、ようやく自分の間違いに気付いても素直になれない人がいる。
とにかく、主人公は共感を与えるような人物ではなく、どっちかと言えば嫌われるようなタイプの人物だと言える。
結局、本作ではモヤモヤが残ったまま終わってしまうけど、あれだけ頑固な人間が少し変わろうとするのは大きな前進だろう。
もう一人の主人公とも言える松坂桃李が演じた青柳についても、ハッキリと物事を言わずに有耶無耶な印象を受ける。
父親から引き継いだ店を結果的に潰してしまうが、それは彼自身に起きた出来事を上手く受け止める事ができなかったからだろうと思われる。
周囲の人間についても、この問題ある主人公たちと違って、それぞれが強い信念の上に生きているのが分かります。
添田の元妻による正しい助言や弟子の野木が見せる優しさと、ハッキリしない青柳の尻を叩く草加部の存在が二人を支えようとする。
ですが、世の中というのはそう単純な物事で片付けられるワケじゃなく、どう折り合いをつけていくのは難しいと分かる。
ラストでは一人の命が失われた事でそれぞれの生活が壊れ、もう二度と戻らない事実を示唆する終わり方に色々と考えさせる。

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