作品データ
あらすじ
近未来の世界で人々が飢えに苦しむ中、レオノーラは夫のヤコブと一人娘のアリスとひっそくりと暮らしていた。
外には死体が転がる絶望的な状況で、ある日、マティアスが主宰するディナーショーを聞きつけてレオノーラはチケットを購入した。
街外れの小高い丘にあるホテルでショーが始まると、観客には仮面が配られ、素顔の演者たちが鬼気迫る演技を始めるのだった。
登場人物&出演者
・レオノーラ(演:ギッテ・ウィット)
代表作に『インポッシブル』、『ソニア/ナチスの女スパイ』などがあります。
主人公。元舞台女優。世界が荒廃して夫のヤコブと一人娘のアリスとマンションでひっそりと暮らす。
食べる物に困窮するような状況で、マティアスが主宰するショーのチケットを購入した。
ショーが始まって特定の人物を追う中でアリスが姿を消し、ホテルでの殺人を知っていく。
マティアスに仲間への誘いを受けるも断り、夫を失いながらアリスをなんとか見つけた。
最後はマティアスが人殺しで人食いと演者や観客に知らせ、アリスと絶望の世界に戻った。
・ヤコブ(演:トマス・グルスタッド)
代表作に『Tomme tønner』、『ザ・ハント/ナチスに狙われた男』などがあります。
レオノーラの夫。世界が荒廃して妻と一人娘と一緒にマンションでひっそりと暮らしていた。
絶望的な状況で娘をなんとか育てていたが、食べ物がなくなってディナーショーに参加した。
ショーが始まってアリスが姿を消してしまい、レオノーラとホテルを探し回り真実を知る。
ホテルの一員になれば生き残れると当初考えていたが、妻の言葉で目を覚まして反撃した。
最後はずっと狙っていたハンスと取っ組み合いとなって、腹部を刺されて静かに死亡した。
・アリス(演:トゥーヴァ・オリヴィア・レーマン)
本作が長編映画デビュー作となります。
レオノーラとヤコブの一人娘。世界が荒廃した中で両親からなるべく悲惨な現実から目を隠されていた。
隣人が飢えで自殺をしても状況が分からず、ドアの前に落ちていた人形を拾っていた。
ディナーショーでは子供の参加は禁止されていたが、マティアスに特別な許可をもらった。
ショーが始まるとラケルを追う為に勝手な行動をして、結果的にマティアスに捕まった。
最後はマティアスの正体が暴かれ殺されると、いつの間にか解放されて外の世界に戻った。
・カトリーヌ(演:マリア・グラツィア・ディ・メオ)
代表作に『ザ・ハント/ナチスに狙われた男』、『Gritt』などがあります。
ディナーショーに参加していた観客の女性。夫のラーシュと一人娘とともに参加していた。
レオノーラたちと同じテーブルにいて、自己紹介してショーが始まると別行動をする。
ショーが始まってすぐにラーシュたちと逸れてしまい、ピアスをレオノーラに発見される。
実は演者の一人で観客を引き込んで、マティアスから金品を奪うだけと説明されていた。
最後はレオノーラによって人食いをしていると知らされ、マティアスの死を見送っていた。
・ラーシュ(演:キングスフォード・シアヨール)
代表作に『The Black Lapp』、『Sophie Elise: All Your Friends』などがあります。
ディナーショーに参加していた観客の男性。カトリーヌの夫で娘たちと初めて参加をしていた。
ショーが始まるとレオノーラたちと別行動していたが、途中で妻や娘と逸れてしまう。
アリスを探していたレオノーラたちと合流し、血糊を見つけて演出だと印象づけていた。
実は人肉を食べていた事を知っていて、レオノーラを仲間に誘うヤコブに任せていた。
最後は目を覚ましたヤコブの反撃を食らい、レオノーラによりフックに貫かれて死亡した。
・デヴィッド(演:ヨナタン・ロドリゲス)
代表作に『Tsatsiki, Dad and the Olive War』、『Call Mom!』などがあります。
ディナーショーに参加していた観客の男性。実際は演者の一人でショーが始まると演技をしていた。
ラケルを追っていたレオノーラたちだったが、女性を追いかけて部屋でイチャイチャする。
マティアスからは参加した観客たちから金品を奪うだけと説明され、彼らを騙していた。
レオノーラが娘を取り戻す為に新たな観客たちに問いかけ、ただ事じゃないと悟った。
最後はマティアスの正体が暴かれると、人を食べていた現実を知って激しく後悔していた。
・ラケル(演:トリーネ・ヴィゲン)
代表作に『アイ・ビロング』、『サイレント・ウォーター』などがあります。
ディナーショーの演者。マティアスの合図とともに出てくると、デヴィッドとの言い争うを始めた。
追いかける人物としてアリスに選ばれると、マティアスとは親しい間柄の設定を披露する。
マティアスとの激しい掛け合いから部屋に戻ると、追いかけたアリスを捕まえる事になった。
実は外の世界で死にかけていたところでマティアスに助けられ、その恩に応えていただけ。
最後はレオノーラにより正体を暴かれたマティアスの胸を刺して、彼の凶行を止めた。
・ハンス(演:スティッグ・フローデ・ヘンリクセン)
代表作に『処刑山/デッド・スノウ』、『クラッシュ・ゾーン』などがあります。
ディナーショーの演者。やって来た観客たちに料理を運ぶウェイターとして登場した。
ラケルを追っていたアリスが姿を消すと、娘を探していたレオノーラたちの前に現れた。
狂ったような演技を見せて、レオノーラたちの前で喉を切り裂いて自殺を見せていた。
実際は仕掛けた血糊で自殺したように見せかけ、ヤコブを背後から襲って仲間へ誘った。
最後は逃げたレオノーラを追い詰めるが、仮面を被されて観客と勘違いした仲間に殺された。
・マティアス(演:ソービョルン・ハール)
代表作に『7月22日』、『トンネル/900メートルの闘い』などがあります。
ホテルでディナーショーを主宰している。絶望的な世界の中で希望を与えようと多くの人を迎え入れる。
子供はダメというルールだったが、アリスをたまたま見かけたところで彼らを中へ通した。
観客の食事が終わると、満を持して登場してショーのルールについて説明すると開始させた。
実はホテルの火事で一人娘を亡くしていて、そっくりだったアリスを奪おうとしていた。
最後は新たに来た観客や演者たちに正体をバラされ、ラケルに胸を刺され死体を吊るされた。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
いわゆる北欧系の映画という作品となっていて、やはり、映像にこだわりがあるところが伝わってきます。
終末世界という大味すぎる世界観から、生き残る為の完璧に近いシステムを構築したホテルからもこだわりが伝わります。
北欧系の作品は雰囲気で楽しむようなイメージがあるので、本作はまさにその王道を貫いているような印象でした。
そこに終末世界だからこそ、絶望的な外の世界と違った隔離されたホテルでの華々しい世界との対比がとても分かりやすいです。
本来なら飢えている人たちがホテルに望みを持ってやって来るが、実はそこに危険な要素が潜んでいるという流れで緊張感を与えるはずでした。
しかし、思い切り邦題でネタバレしてしまっているので、謎解きの答えがすでに出ているせいで面白味が半減している。
Netflixのオリジナル映画に付けられる邦題は適当な事が多い中で、本作は群を抜くほど雑でネタバレで作品の良さを殺してしまっている。
本当ならば、ホテルの演者と観客の区別がつけられず、誰を信用するべきか分からない中で真実を知っていく展開に面白さが生み出されます。
ただ、本作は邦題で壮大なネタバレしているせいで身構えてしまい、あくまで雰囲気だけの北欧系の作品として致命的だったと思います。
追い詰められている主人公たちがホテルにやって来るのは分かりますが、不気味な雰囲気で勝手に動き回る娘の行動にイライラさせられました。
更にそれを感じ取っている主人公の夫が行動を制限するのに、ワザワザと止めてしまう主人公の行動もまた意味が分かりません。
結果的に娘を見失ってしまい、そこから主人公たちが被害者ヅラをしていくが、頭の悪い行動がすべての要因じゃないかと感じました。
ラストで提示される生き残る為に人間の尊厳を失うか、人間の尊厳を守るも過酷な現実に向き合う選択は北欧系らしいオチだったと思います。
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