作品データ
あらすじ
片思いだった同じ団地に住む幼馴染みだったルーシーが4人の男に襲われる現場に遭遇したトムは、男の一人に銃で頭を撃たれてしまう。
スマホで警察に電話をしていたトムだったが、その破片が頭に残ってしまい、不思議な能力が使えるようになっていた。
身についた能力を理解したトムは、世界をより良いモノにしようと、まずルーシーを傷つけた男たちに復讐する計画を始めるのだった。
登場人物&出演者
・トム(演:ビル・ミルナー)
代表作に『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』、『ダーケスト・ウォーター』などがあります。
主人公。貧困街の団地に住んでいるオタク気質な高校生。幼馴染みたちがギャングになってもマトモに生きている。
片思いしていた幼馴染みのルーシーがレイプされ、逃げる際に頭を撃たれて超能力を入手。
当初は戸惑っていたが、徐々に制御できるようになってユージーンが犯人と突き止める。
ギャングたちに復讐していくが、ダニーの裏切りで正体がバレてエルマンから脅迫を受けた。
最後はスマホ発熱や電子爆破でエルマンたちを倒し、ついにルーシーと一線を越えた。
・ルーシー(演:メイジー・ウィリアムズ)
代表作に『ヒート・ストローク』、『メアリーの総て』などがあります。
ヒロイン。トムと同じ団地に住んでいる同級生。トムとは幼馴染みで気を使う事なく普通に会話していた。
トムが片思いだという事を知っていて、友達以上の関係から進展しなても満足していた。
ユージーンたちによるレイプで心の傷を受けると、トムの励ましで学校へ行けるようになる。
トムの超能力を利用しようとしたエルマンの指示で捕まり、ユージーンたちに銃を向けた。
最後はトムの超能力で助け出されると、彼がiBOYとして復讐をしてくれた事に感謝した。
・トムの祖母(演:ミランダ・リチャードソン)
代表作に『スリーピー・ホロウ』、『マレフィセント』などがあります。
トムと同居している祖母。娘でトムの母親が早くに亡くなって、親代わりとして孫を育てている。
貧困街の団地でトムは犯罪に染まらず育てていて、ルーシーたちとも非常に仲が良い。
普段は恋愛小説という名の官能小説を書いているが、内容を聞かされるトムに逃げられる。
ルーシーがレイプされて心の傷を負うと、逃げたトムが自分を責めるも適切な助言をした。
最後はエルマンに脅迫される強気で対抗し、トムが片付けると、日常を取り戻していた。
・ダニー(演:ジョーダン・ボルジャー)
代表作に『トムとジェリー』などがあります。
トムと同じ団地に住んでいる幼馴染みで友人。カッツの下でギャングとしてドラッグの売人をしている。
友人としてトムを助けていたが、ユージーンたちの行動に対して何も言えずに肯定する。
ルーシーが何者かレイプされてしまうと、ユージーンを疑うトムに違うと否定していた。
なぜかトムが電子情報を操れる超能力を知っていて、金の為にボスのエルマンに売っていた。
最後はエルマンを片付けたトムに謝罪するが、当然のように受け入れてもらえずにいた。
・キャス(演:シャキール・アリ=・アブア)
代表作に『ザ・チルドレン・アクト』、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』などがあります。
トムと同じ団地に住んでいる同級生。カッツの下でギャングに入って、リーダー格のユージーンに従っていた。
いつもユージーンと一緒に行動していたが、カッツの命令でルーシーをレイプする事になる。
超能力を手に入れたトムに脅迫され、カッツの命令でルーシーをレイプしたと白状した。
ユージーンたちがトムの罠で警察に捕まる中、なぜか一人だけ捕まらずカッツに怪しまれる。
最後はiBOYを誘き出す為に、カッツたちによって首吊り自殺に見せかけて殺されてしまう。
・ユージーン(演:チャーリー・パーマー・ロスウェル)
代表作に『エスケイプ・ゲーム』、『ハロウィーン』などがあります。
トムと同じ団地に住んでいる同級生。カッツの下でギャングに入っている。学校でも素行が悪い。
オタクなトムをずっと嫌っていて、何かあると余計な一言を言って小バカにしている。
カッツの命令で幼馴染みのルーシーを襲撃して、仲間たちとレイプしてトムを銃撃した。
超能力を手に入れたトムに情報を引き出され、その上に立つカッツやエルマンを出させる。
最後は倉庫でルーシーを殺そうとするが抵抗され、トムのスマホ発熱によって倒れた。
・カッツ(演:エイメン・ハムドゥーチ)
代表作に『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』、『アンロック/陰謀のコード』などがあります。
貧困街をナワバリにするギャングの幹部。若者たちを従えてドラッグを売り捌いている。
ボスであるエルマンから指示を受けると、末端であるユージーンたちに命令していた。
iBOYによって隠していたドラッグを盗まれ、銀行口座から金も奪われてブチ切れていた。
新たな取引をしてトムがやって来ると、罠を張ってボコボコにするも怪電波で逃げられる。
最後はトムがiBOYと分かってボスと捕まえ、倉庫に移動するもスマホ発熱で倒れてしまう。
・エルマン(演:ロリー・キニア)
代表作に『007』シリーズ、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』などがあります。
貧困街をナワバリにするギャングのボス。元々は団地出身だったが、ギャングのボスとして成功している。
若者たちを使ってドラッグを売って金儲けし、失敗した時には制裁を加える典型的なボス。
iBOYによってドラッグを盗まれてしまい、部下のカッツに犯人を突き止めるよう指示した。
ダニーの裏切りでトムが超能力を使っていると知って、それを悪用しようと脅迫していた。
最後は部下を倒され、自分の手でトムを抹殺しようとしたが、電子爆破によって倒された。
感想
[個人的な評価]
本作はケヴィン・ブルックスの同名小説を実写映画化した作品となります。
Netflixで独占配信された作品となりますが、イギリス映画らしく全体的に地味な展開となりました。
まず、主人公が住んでいる地域が貧困層でギャングに仲間入りしない限り這い上がる事ができない場所が舞台になっている。
どうしてもイギリスというと、ロンドンの大都市が舞台になりがちで、このような地域はあまり表に出てこない。
なので、本作は舞台が治安の悪い貧困街となっているだけでも少しだけ新鮮味がありました。
主人公は頭に銃撃を食らってスマホの部品が脳に入り込むが、そのせいでデジタル製品を操る事ができる超能力を手に入れる。
これはいわゆる“テクノパシー”と呼ばれる超能力だが、主人公は脳にスマホの部品が入り込んでいるので少し違うかもしれない。
無意識に様々な電子情報が頭の中に入ってきて、最初は処理しきれない状況で気絶してしまうのは分かりやすい。
そこから徐々に慣れていき、手に入れた超能力で何ができるのか、グレードアップしていく展開に面白さを見出している。
ただ、舞台が貧困街なので当たり前のようにギャングやドラッグがいて、普通な主人公の存在がかなり浮いていました。
どうにも主人公やヒロインがギャングとは正反対の性格なので、なんだか世界観と違和感を持ってしまった。
友人もギャングと関わっているのに、主人公とヒロインがマトモな性格になっている設定に違和感がありました。
そのヒロインがレイプされ、超能力を得た主人公が復讐していくが、どう考えてもピンチになるような場面はないはず。
しかし、一方的な無双だと作品に面白味がないと思ったのか、取ってつけたような危機に陥る展開にもムリがあったように思う。
何より主人公の超能力が敵にバレる過程が強引すぎて、物語を進める為のご都合主義をしっかりと消化できていなかった。
そもそも、主人公以外に見えない超能力なので、これが敵にバレるような状況がないから尚更ムリがありました。
ティーン小説が原作なのでストーリーも必要な要素を詰め込んでいて、しっかりと条件は満たしています。
超能力を使うリスクもないので、ティーン小説の縛りで普通の映画になってしまったのは少しもったいないと感じました。
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