作品データ
あらすじ
耳が聞こえず話す事もできない女性マディーは、人里離れた山荘で孤独な生活を送りながら作家の仕事をしている。
借りていた本を返そうとした友人のサラがマディーの家を訪れ、夜まで過ごしていると帰っていくもマスクを被った殺人鬼に遭遇してしまう。
必死に助けを求めるサラにマディーが気付かず、殺人鬼は聴覚障害者だと判断して家に忍び込んでじっくりと殺害しようと脅迫をしていくのだった。
登場人物&出演者
・マディー/マディソン・ヤング(演:ケイト・シーゲル)
代表作に『オキュラス/怨霊鏡』、『ウィジャ・ビギニング/呪い襲い殺す』などがあります。
主人公。作家。13歳の時に細菌性髄膜炎を患った影響で聴力と声を失った。人里離れた家で孤独に暮らしている。
サラが本を返そうとしてやって来て、談笑しながら火災報知器が鳴って二人で対処していた。
別れた恋人からの連絡を無視して妹と同居を言われるも断り、小説の結末について悩む。
助けを求めるサラに気付かず、殺人鬼の存在を知って家に閉じこもるも窮地に立たされた。
いつでも殺人鬼が侵入できる状態で対抗できず、電気を切られスマホも奪われていた。
外に出て逃げようとするも矢を足に食らい、それでも反撃してボウガンを奪って家に入る。
サラが帰ってこないと心配したジョンが来るが、ボウガンの矢の装填でまったく気付かず。
最後はジョンも殺されて攻撃に転じて、ギリギリのところで倒して警察に通報して助かった。
・サラ・グリーン(演:サマンサ・スローヤン)
代表作に『Area 407』、『Miss Virginia』などがあります。
マディーの隣人で親友。マディーから借りていた本を返す為に来て、簡単な感想を言って褒めちぎっていた。
手話教室にも通ってマディーとの会話をしたいが、読心術ができると分かっても通うと話す。
マディーが料理の火が付けっぱなしで火災報知器が鳴り、それを教えて一緒に対処した。
話しているうちに日が暮れて、ジョンが帰ってくるという事から本をもらって家へ向かった。
最後は殺人鬼に遭遇してマディーに助けを求めるも気付かれず、滅多刺しにされて死亡した。
・ジョン・スタンリー(演:マイケル・トルッコ)
代表作に『NEXT/ネクスト』、『バイバイマン』などがあります。
サラの恋人。アメフトをやっていたような筋骨隆々な体格をしている。マディーとは隣人の付き合いがある。
マディーの家に出かけていたサラが帰らず、心配してやって来るも返答がなくて困っていた。
警察のフリをした殺人鬼に驚いて、言われるままに身分証明書を出して誤解が解けていた。
殺人鬼にスマホを貸して警察に連絡し、返してもらおうとしてサラのイヤリングで勘づく。
最後はマディーの存在に気を取られ、ナイフを喉に食らい、殺人鬼を掴むも力尽きて死亡。
・殺人鬼(演:ジョン・ギャラガー・Jr)
代表作に『ジョナ・ヘックス』、『ライリー・ノース/復讐の女神』などがあります。
ボウガンを片手に人を殺す快楽殺人者。殺した人数をボウガンに刻み、弱い相手なら徹底的に追い詰める。
家に帰る途中だったサラを襲ってマディーの家まで来ると、耳が聞こえないと知って楽しむ。
ワザワザ顔を見せてマディーを追い詰めるが、反撃を食らってケガするも優位は変わらず。
マディーが逃げ出そうとしてもすぐに気付いて、ボウガンの矢を足に当てて負傷させた。
屋根まで追い詰めようとして逆にボウガンを奪われ、マディーが装填に苦労していると知る。
ジョンが来て警察を装うもバレるが、マディーのおかげで反撃してなんとか倒していた。
マディーが意を決してボウガンを放つも致命傷にならず、逃げ遅れた彼女の右手を粉砕した。
最後は火災報知器の音で油断し、首を締めるもワインオープナーを喉に食らって死亡した。
感想
[個人的な評価]
本作は『サウス・バイ・サウスウエスト』にてプレミア上映された作品となります。
この作品は『ウィジャ・ビギニング/呪い襲い殺す』や『ドクター・スリープ』で知られるマイク・フラナガンが監督と共同脚本を務めています。
いわゆるハウス系ホラー映画の部類に入っていて、家の外では殺人鬼がいて、いつでも殺しに来るような状態になっています。
これだけだと物語として面白味はあまりないが、なんと言ってもオリジナルの設定として主人公は耳が聞こえず声も出せないという点でしょう。
どうやら当初は完全なるサイレント映画にしようとしていたが、さすがに演出の部分でムリがあって断念してしまったようです。
ただ、個人的にはサイレント映画として挑戦するべきで、その可能性を大いに秘めている作品だと感じました。
ハウス系ホラー映画は低予算で作れるので全体的に地味な印象だが、本作は障がい者である主人公という立場が上手く作用しています。
圧倒的な不利の状況で主人公が対抗手段がなく、相手は人を殺す事に対して一切の躊躇いがないから余計に恐怖を引き立てています。
それにいつでも家に侵入できる状況でありながら、恐怖のどん底に落としたい殺人鬼の悪趣味すぎてやり方もまた緊張感を与えています。
主人公は視覚と触覚しか相手を認知できず、家の電気も切られているから薄暗い中で立ち回る緊張感はかなり上手いと感じました。
登場人物は主人公と殺人鬼がメインで物語の大半を占めているので、どうしても尺が短くなるけど、それはそれでテンポが良かったと思います。
こういう作品には余計なドラマ展開はいらないし、それをしっかりと削っているから何を見せたいのは伝わってきました。
シンプルでありながら安定した演出と、主人公の設定と殺人鬼の悪趣味さがバランス良いホラー映画だと思います。
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