作品データ
公開年月 | 2020/01/27 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | なし |
監督 | レミ・ウィークス |
脚本 | レミ・ウィークス、フェリシティ・エヴァンス、ほか |
製作 | エイダン・エリオット、マーティン・ジェントレス、ほか |
製作国 | イギリス |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
戦火の南スーダンを逃れ、イギリスに亡命を申請した若き夫婦。
新しい家で人生をやり直そうとする二人だが、この家には忌まわしき闇が潜んでいた。
南スーダンの民族紛争から逃れたボルとリアールの若い夫婦は、イギリスの難民収容所からの独立が決まる。
用意された家は決して良い環境ではないが、地獄のような状況にある故郷には帰らない固い決意を持っていた。
しかし、家に移り住んでからボルとリアールは壁の中から声が聞こえると、彼らの周囲で不気味な現象が起き始めるのだった。
登場人物&出演者
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
南スーダンで起きた民族紛争を逃れる為に一組の夫婦がイギリスに亡命するという物語になります。
これは決してフィクションではなく、実際に数多くある事実をベースにしています。
ただ、本作はあくまでホラー映画の範疇であって、現実的な物語ではないという感じです。
難民となった主人公夫婦がようやく認められて、収容所を出て移民として生活を始めていくところから物語が始まります。
その中で夫婦が過酷な環境で暮らしていく展開だったら、よくあるパターンでオリジナリティはあまりない作品になってしまう。
しかし、本作はアフリカにあるオカルトを持ち込んでくる事によって、他の作品とは大きく違う感じになっています。
移民として認めてもらう為に順応しようとする夫と、過去の出来事を冷静に受け止める妻との温度差が徐々に出てきます。
イギリス政府に認められる為に問題を起こさない事が一番だが、この夫婦が亡命するまでにやってしまった事実が重くのしかかります。
これをアフリカの魔術師について表現されているが、彼が生き延びる為に他人を利用した事が語られていきます。
それを魔術師による呪いと揶揄して、夫婦が他人を利用した事を受け入れるか、受け入れないかを抽象的に表現していました。
一見して小難しい事をやっているようだが、これを現実的に置き換えると、構造がよく分かると思います。
実際に夫婦は助かる為に他人の子供を使ってバスで避難し、海を渡る時に二人は助かるも子供は死んでしまう。
その後悔が夫婦にのしかかって、これを呪いとして表現していて、彼らが犯した罪を背負っていく覚悟を描いています。
本作はオカルト風に表現して、夫婦が犯した罪の重さを映像で見せていますが、あくまで彼らの心を映し出している。
難民として故郷を失い、移民として他国で暮らしていくのは覚悟が必要だと思いますが、それ以上に戦禍を逃れる事も苦痛を伴う現実も分かってきます。
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