作品データ
あらすじ
家族旅行に出かけたメラー一家の留守宅に謎の男が侵入し、盗撮用のカメラを仕掛けた。
謎の男は屋根裏の片隅にパソコンを置いて四六時中、メラー一家の動きを観察していた。
男は一家の若い母親ベスを狙って覗きや侵入を繰り返し、次第にその行動はエスカレートさせていくのだった。
登場人物&出演者
・ハングマン(演:エリック・マイケル・コール)
代表作に『ジーア/悲劇のスーパーモデル』、『チェイシング・ファースト』などがあります。
空港の駐車場で待機して旅行に出かける家族を狙う。車に乗り込んで家まで行くと、盗撮カメラを設置して屋根裏に住み着く。
メラー家が帰ってこない間はやりたい放題をして、単なる空き巣を演出して屋根裏に戻る。
日常を取り戻したメラー家を盗撮カメラで観察をして、夜な夜な出てきて食事などをする。
自分にとって家族と関係ない邪魔な人間を排除し、アーロンの浮気を演出して問題にさせる。
最後はアーロンを殺害し、ベスに迫って銃で頭を撃ち抜くと、次なる獲物をまた狙っていく。
・ベス・メラー(演:ケイト・アシュフィールド)
代表作に『ショーン・オブ・ザ・デッド』、『サリー/死霊と戯れる少女』などがあります。
アーロンの妻でマーリーとマックスの母親。普段は家にいる事が多く、たまに生徒へ向けて講義をしている。
家が何者かに荒らされた事で気味悪くなっていて、掃除をしながら不安を夫に相談していた。
夫に安心する為に銃を買うべきだと相談し、納得してもらえて翌日には買ってもらっていた。
ハングマンに薬を盛られて寝てしまい、そのままベッドに連れ込まれて何かをされていた。
最後は偽装された夫の浮気を疑うが、現れたハングマンにビビって銃で頭を撃ち抜かれ死亡。
・アーロン・メラー(演:ジェレミー・シスト)
代表作に『ウェイトレス/おいしい人生のつくりかた』、『アザー・サイド/死者の扉』などがあります。
メラー家の大黒柱。あまり物事を深く考えず、心配性な妻に対して毎回気のせいだとして宥めていた。
家が荒らされて一人で様子を見に行き、娘の部屋でバイブを見つけて何も言えずに立ち去る。
微妙な異変に対して妻が不安を募らせてしまい、相談されて安心させる為に銃を購入した。
ハングマンが浮気を演出した事で妻から疑われるが、見に覚えがないとして必死に訴えた。
最後は物音を聞いて銃を手に屋根裏へ行くが、ハングマンに襲われて首吊り状態で殺された。
・マーリー・メラー(演:ライアン・シンプキンス)
代表作に『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』、『フィアー・ストリート/Part2:1978』などがあります。
メラー家の長女。一日中スマホ漬け。恋人がいるが両親に話しておらず、思春期の反抗期を迎えている。
家が荒らされた事で自分の部屋が一番気になって、父親に隠していたバイブを見られていた。
成績表が届いてこっそりと持ち出し、数学の単位を落としているがごまかそうとしていた。
恋人が肉体関係を迫ってきたせいで怒ってしまい、ハングマンが殺害するも一切気づかず。
最後は弟と同じく週末になって友達に家に泊まって、両親が殺された事実を知らずにいた。
・マックス・メラー(演:タイ・シンプキンス)
代表作に『リトル・チルドレン』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』などがあります。
メラー家の長男。やんちゃで無邪気な一面を持っている。人を疑う事をあまりせず素直に信じてしまう。
家が荒らされた状態を見て不安に思ってしまい、その夜には悪夢を見て両親に泣きついた。
ハングマンを実際に目撃していて、夢の友人だと思って「ジミー」という名前をつけていた。
父親が知り合いと浮気しているとハングマンから聞いて、母親に言って混乱させてしまう。
最後は週末になって友達の家に泊まる事になって、ハングマンに両親が殺された事を知らず。
感想
[個人的な評価]
本作はいわゆる一人称視点であるPOVの手法を使った作品となっています。
この作品は『悪魔の椅子』や『ブラック・ファイル/野心の代償』で知られるアダム・メイソンが監督、脚本、製作、編集を務めています。
POVの手法で作られる映画のメリットは低予算ですぐに作る事ができて、限られた視点だからこそ全部を見せる必要性がない。
特に本作の舞台は家であって、いわゆるハウス系ホラー映画というジャンルにもなって、基本的に映像はほぼ変わらない。
ハングマンと呼ばれる犯人の視点で物語がずっと展開していて、平凡な家族を盗撮カメラでずっと監視している状況が続いていきます。
しかも、屋根裏を改造していて、見つからないような工夫で旅行から帰ってきた家族とずっと一緒に暮らしていたという感じになります。
当初は様子を見ながら家族が寝静まった頃に出てきて、食事などをしていて、留守の場合は大胆に物色しながら一人で楽しんでいる。
本作ではハングマンの視点で物語が進んでいくけど、彼自身の動機や感情はほとんど見せずに淡々としているところが逆に怖さを出そうとしています。
日本だと家の構造上、このような状況になる事が少ない分、あまり実感が得られないという欠点があると思います。
ただ、これを別の視点で考えて一人暮らしの家にそのようなサイコな変態がいると考えれば、さすがに鳥肌が立つだけじゃ済まないだろう。
途中からハングマンの心理状況がギリギリになっていき、幸せな家族の生活を見ている一方、自分の惨めさに対してなんとも言えない感情が爆発していきます。
ハングマンが直接的にどんな目的でやっているのか語っておらず、推測として孤独な彼は愛を求めていたかもしれない。
しかし、その求め方が尋常じゃなく、他人の家に忍び込んで観察して、用が済んだらあっさりと始末するサイコパス加減がラストで分かります。
相当面白いというワケじゃないけど、少しだけハングマンの視点で平凡な家族を見ていく点では疑似体験ができたような印象を受けました。
これが映画だけの話しならいいけど、人を殺さないまでも屋根裏に住むつくのはアメリカで実際にあるから恐ろしい国だと思います。
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