作品データ
公開年月 | 2015/11/19 |
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ジャンル | サスペンス |
原作 | なし |
監督 | ステファノ・ロドヴィッチ |
脚本 | イザベル・アギラル、ダヴィデ・オルシーニ、ほか |
製作 | マヌエラ・カッチャマーニ |
製作国 | イタリア |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
悪魔の格好をして子供を驚かせる祭りの日、4歳になるトンミは怖がって父マヌエルを頼るも邪険にされ、一人で森の中に入り行方不明となる。
5年後、町の地下道で少年が保護されると、一切しゃべらないが、年齢や身体的特徴からトンミだと推測されマヌエルは連絡を受ける。
DNA検査も合致して事件を後悔していたマヌエルは息子だと信じるが、少年の凶暴な態度や素行から母親や祖父は悪魔の子だと疑うのだった。
登場人物&出演者

代表作に『向かいの窓』、『バスターズ』などがあります。
トマスの父親。トマスが行方不明となり、世間からは殺人と死体遺棄の犯人にされてしまう。
その後は無実として釈放され、木こりとして働いていた時に息子と再会して喜んでいた。
あくまでトンミが戻った事を喜んでいたが、リンダやピエトロの様子で疑いを抱いでいく。
フラビオたちの告白で今のトンミが別人と知り、署長をボコボコにして真実を知った。
最後はリンダが逮捕され、身寄りのなくなった少年を養子として迎えて一緒に暮らす事に。

代表作に『輝ける青春』、『映画のようには愛せない』などがあります。
トマスの母親。トマスが行方不明になり、夫も殺人犯のレッテルを貼られて自殺未遂をする。
ずっと警察署長のハンネスと不倫をしていて、マヌエルと離婚して町を出ようと考える。
トンミが帰ってきて喜ぶが、犬が吠えてニオイも違う事に不満を感じてマヌエルに話した。
実は調子が悪く寝ていたところでトンミが帰ってきて、無意識に窒息死させていた。
最後はマヌエルが真実を知って、警察に連絡してトンミ殺害の犯人として逮捕された。

代表作に『Mr.レディMr.マダム2』、『パッション』などがあります。
トマスの祖父。トマスが行方不明になり、必死に探していたマヌエルにガッカリしていた。
リンダから連絡を受けて一緒に警察へ迎えに行き、DNA鑑定が完全に一致した事で渋々納得。
それでもずっとトンミを悪魔の子だと信じて、疑いの目でマヌエルに押しつけていた。
実はリンダがトンミを無意識に殺した現場に居合わせ、ごまかそうとするも遺体が消えた。
最後は偽物トンミを井戸に落として始末しようとするが、マヌエルに助けられてしまう。

代表作に『Colpi di fortuna』などがあります。
地元警察の署長。トマスが行方不明になって捜索をするも結局は見つける事ができず。
その後はトンミの捜査からマヌエルが殺して死体を遺棄したとして逮捕していた。
実はトンミが行方不明になる前からリンダと不倫関係にあって、マヌエルとの離婚を迫る。
なんとかしてリンダを自分のモノにしようと、保護された少年をトンミだと発表した。
最後は真実を聞こうとしたマヌエルにボコボコにされ、結果としてリンダが逮捕された。

代表作に『Un nuovo giorno』、『Classe Z』などがあります。
地元で友人のフラビオとその恋人のエルスたちとバーを経営している。
トンミが見つかった事を誰よりも恐れてしまい、彼を悪魔の子だとして叫んでいた。
森の小屋ではフラビオたちに悪魔が復讐に来たとして、あまりの恐怖に失禁していた。
トンミが帰ってきたパーティには行かず、そのまま警察に行って自首しようとする。
最後はバーに来たマヌエルに迫られてしまい、真実を話して自分の罪を認めてしまう。

代表作に『Aquadro』などがあります。
地元で恋人のフラビオと友人のディミトリとともにバーを経営している。
フラビオやディミトリたちと一緒に悪魔が子供を驚かせる祭りで悪魔役をしていた。
トンミが見つかって警察に保護されているところに遭遇し、青ざめてフラビオたちに話した。
実は祭りの時に森の小屋に来たトンミを見かけ、ディミトリが殺したと思い遺体を隠した。
最後はディミトリの行動で真実を聞きに来たマヌエルに話し、彼に謝罪をしていた。

代表作に『Mi chiamo Maya』、『Il Confine』などがあります。
地元で恋人のエルスと友人のディミトリとともにバーを経営している。
悪魔が子供を驚かせる地元の祭りの時には、悪魔の役をして盛り上げていた。
トンミが保護されて喜んでいたマヌエルを店に迎えるが、取り乱すディミトリを抑えていた。
ディミトリがトンミを追いかけて転んで死んだと思い、遺体を穴に隠してずっと黙っていた。
最後はディミトリの行動で真実を聞きに来たマヌエルに話し、彼に謝罪をしていた。

本作が長編映画デビュー作となります。
マヌエルとリンダの息子。悪魔が子供たちを驚かす祭りに参加するも怖いと父親に訴える。
酒を飲んで楽しんでいたマヌエルは無視して、そのまま森に走っていき行方不明となる。
実は森の小屋でフラビオたちを見て、逃げ出してディミトリに追いかけられ転んで失神する。
家に帰って寝込んでいたリンダに声をかけるも、ムリに抱きしめられて窒息死してしまう。
最後は帰ってきた祖父が遺体を森に運び、勘違いしたフラビオたちに隠されるのだった。

本作が長編映画デビュー作となります。
マヌエルとリンダの息子。4歳の時に行方不明となるが、5年後に地下道で保護されていた。
それまでの記憶を一切失っていて、以前と違って周囲から嫌われている事を敏感に勘づく。
飼い犬を包丁で殺してしまう非情さを持つが、実はマヌエルの息子じゃないと判明する。
本人も自覚して逃げ出すが、家に帰ったところで真実を知るピエトロに始末されようとした。
最後は真実を知ったマヌエルが見捨てきれず、養子として迎えられて幸せな家庭を手にする。
感想
[個人的な評価]
本作は『Italian National Syndicate of Film Journalists』にてシルバーリボン賞にノミネートされた作品です。
製作総指揮に『LOCKDOWN/ロックダウン』をヒットさせたロベルト・アモロソが務めます。
最近流行っている「クワイエット」の邦題があるけど、当然のようにまったく関係ないです。
単純に行方不明となった息子が帰ってきたが、以前よりも少しだけ無口である点だけが邦題に繋がっている程度でした。
更に本作はホラー映画のようなジャケットと説明になっているが、実際は単なるサスペンスでホラー要素はほぼありませんでした。
つまり、本作は本家の方に寄せようとした結果、実際に鑑賞すると別物だと騙されます。
ある意味、本作がラストに見せていたミスリードを誘うような邦題やジャケットになっているかもしれません。
物語はずっと見つかった息子が悪魔の子だと勘違いさせるようなミスリードが続き、ラストで真実が明かされていく展開です。
結果として、主人公を含めた大人たちは単純にクズで自分たちの事しか考えておらず、そのせいで息子が犠牲になっただけという結末でした。
本作は身勝手な大人たちに振り回される非力な子供たちの現状を訴えるメッセージを込めた作品だと言えるだろう。
その証拠に物語の前後では行方不明となる子供たちの多さを語り、ラストでも強調するようなテロップが出てきます。
見つかった少年は結果的に主人公の息子ではないが、身寄りのない二人が同じ道を歩むというハッピーエンドが唯一の救いでした。
一見して被害者だった家族がラストでトンでもないクズだと判明した逆転劇は、そこまでインパクトは強くないが最後まで観させる力はあったと思う作品でした。
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