作品データ
あらすじ
チアンポンは街の有力者チャーの元に、アフリカで捕獲した巨大なワニ“ギュスターヴ”と呼ばれるクロコダイル科の中でも大きく狂暴なナイルワニを運んでいた。
チャーはそのワニを街の象徴と自らの権威を誇示に利用しようとしたが、突如現れた巨大津波にチアンポンや娘のシャオフーたちは巻き込まれてしまう。
なんとか一命を取り留めたチアンポンは、流れ着いた街は浸水して、降り続く雨で更に水位が上昇していた中、解き放たれた巨大ワニが彼らに迫っていくのだった。
登場人物&出演者
・チアン・ポン(演:ロン・フェイ)
代表作に『The Zodiac Mystery』などがあります。
主人公。中華街の仲間たちを裏切って、金持ちで街を支配していたチャー・ウォの手下に成り下がっていた。
人食いワニを運んでいたが、住民たちの邪魔が入って足止めされ、津波によって解放された。
すぐにスーパーへ避難して人食いワニから逃げるが、水嵩が増していて2階へのカギを探す。
仲間が次々と人食いワニの餌食になり、救助ヘリに助けられ、チャー・ウォに取引をされる。
最後はチャー・ウォのウソを告発し、娘たちを助けようと左腕を噛み千切られ、生還をした。
・チアン・シャオフー(演:ワン・インルー)
代表作に『B for Busy』、『The Woman in the Storm』などがあります。
ヒロイン。チアン・ポンの一人娘。父親がチャー・ウォの手下になった事に対して嫌って仲違いしていた。
父親がトラックで中華街に入ろうという情報を手に入れ、住民たちと足止めして邪魔をした。
津波で中華街が水没すると、人食いワニが解放され、みんなと一緒にスーパーへ避難した。
貯水タンクを目指すも生存者が余計な事をするが、ユエの犠牲などでなんとか助けっていた。
最後はチャー・ウォの策略で地下道に囚われ、腕を噛みちぎられた父親を助けて絆を戻した。
・ジーミン(演:リー・ヤン)
代表作に『三城記』、『Destines』などがあります。
ユエの一人息子。知的障害者で常に父親が面倒をみている。ご飯の時間になったら時計が鳴って教えてくれる。
状況が理解できないまま、父親に連れられてチアン・ポンが中華街へ入れないデモに参加。
津波によって中華街が水没すると、解放された人食いワニを大きな魚と言いスーパーに避難。
中華街が水没する中で一番高い貯水タンクに行くが、父親は諦めて目の前で死んで悲しんだ。
最後は救助ヘリが墜落しケガを負うも、チアン・ポンに助けられ、家族の一員に迎えられた。
・ユエ(演:フー・ウェイミン)
代表作に『Deep in the Heart』、『Fairy Cat』などがあります。
中華街でスーパーを経営している。知的障害者の息子を男で一つで面倒をみて、みんなで仲良くしていた。
チャー・ウォが中華街を潰す事から、手下になったチアン・ポンにガッカリしてデモに参加。
津波によって中華街が水没すると、人食いワニから逃げるようにみんなをスーパーに入れた。
水嵩が増していて貯水タンクに向かっていくと、生存者が勝手な行動で逃げ遅れてしまう。
最後はジーミンに強い言葉を投げかけ避難させると、チアン・ポンに託して水の呑まれた。
・チェン夫人(演:シー・トン)
代表作に『Medical Examiner Dr. Qin: Death Redemption』、『Anecdote of the East Sea』などがあります。
チェン先生の妻で小さな診療所を二人で経営している。何もできない夫を常にサポートしていた。
中華街に入ろうとしたチアン・ポンを止めるべく、夫や住民たちと足止めを仕掛けていた。
津波によって中華街が水没すると、人食いワニが解放されてスーパーにみんなと逃げていた。
夫がシャオフーの薬とカギを取りに行くと言われると、危険だとして止めるも説得された。
最後は夫が人食いワニに食い殺され、店内に侵入されると、みんなを逃がす為に犠牲となる。
・チェン先生(演:リー・ドン)
代表作に『バレット・ヒート/消えた銃弾』、『アイランド/出好戯』などがあります。
中華街で診療所をやっている医者。妻と一緒に経営していて、中華街ではみんな顔馴染みでなんでも知っている。
シャオフーの呼びかけでチャー・ウォに反対し、中華街に行くチアン・ポンに抗議していた。
津波によって中華街が水没すると、人食いワニが解放され、みんなでユエのスーパーに避難。
シャオフーの喘息を治す薬と、2階に上がるカギを手に入れるべくダクトで診療所に行った。
最後は人食いワニがサンマオを襲い、チアン・ポンにカギを渡すも下半身を食われて死亡。
・サンマオ(演:リー・ヤン)
代表作に『ワン・セカンド/永遠の24フレーム』、『Monster Hospital』などがあります。
中華街で兄とともに中華料理店を経営している。チャー・ウォによって中華街が潰される事に強く反対する。
中華街に入ろうとした裏切り者のチアン・ポンの車を止めて、誰よりも強く抗議をしていた。
津波で中華街が水没すると、解放された人食いワニが兄を食い殺され、スーパーに避難した。
兄の為に暴走しようとシャオフーの喘息を起こさせ、チアン・ポンに殴られて冷静になる。
最後はカギを取りに行こうと診療所まで行くが、移動した人食いワニに襲われて殺された。
・チャー・ウォ(演:カンティ・ラウ)
代表作に『The First Shot』、『九龍大捜査線』などがあります。
ハサウェイ投資会社の社長。中華街を含めた土地を買い占めていて、開発事業を企画して住民を追い出そうとする。
中華街を盛り上げる為に人食いワニをチアン・ポンに依頼して、トラックで移送してもらう。
津波で中華街が水没すると、当初はすぐに救助の要請をテレビのインタビューで語っていた。
実際は津波を利用して中華街の住民を片付ける目論見で、チアン・ポンたちを無視させた。
最後はチアン・ポンに罪を被らせようとして告発され、人食いワニを解放して逮捕された。
感想
[個人的な評価]
本作はみんな大好きアルバトロスフィルムが配給した中国のパニック映画となります。
この作品はいわゆるワニ映画で、英語のタイトルでは「Crazy Tsunami」となっています。
つまり、メインは「津波」なのかと思わせる英題だけど、実際はワニもメインじゃなく、中華街の人々の絆がメインとなっていました。
こういう作品では必ず悪いヤツが金持ちであって、虐げられるのは貧しい人々で、主人公はこっちの側でみんな力を合わせていく感じです。
ただ、冒頭から主人公は金持ちに屈していて、何かあれば助けてくれると盲信していしまい、そのせいで中華街の人々だけに限らず、娘にまで反対されている。
そこでなんの前触れもなく津波が起きて、中華街が水没し、連れて来た人食いワニが解き放たれて主人公たちに襲いかかるという展開になります。
全体的に不自然すぎる流れで納得できる部分が少なく、あくまで主人公たちの絆や思い出を引き出す為の演出が多かったような気がします。
登場人物たちの繋がりがよく分からないまま、中華街を撤去しようとする金持ちとの対立も説明が最低限すぎて感情移入はできません。
上映時間も78分と非常に短いので、個々のドラマを深掘りができないどころか、中途半端に描いてしまったせいでメインとなるはずの親子の絆が薄まってしまっている。
本作では親子と中華街の絆を一気に描きたい気持ちは伝わるが、どっちも上辺だけしかやらないせいで感動の押し売りなような印象を持ちました。
もちろん、ラストでの決着についても親子の絆を強調する為に不自然な流れになっていて、残念ながら納得できるようなオチではなかったです。
それと、主人公、娘、知的障害者が生き残る展開についても、リアルなサバイバルだったら絶対にありえないだろうと思ってしまいます。
もっと親子をメインにしたエピソードを中心にすればいいのに、色々と欲張ったせいで感動の押し売りになったのは残念だと感じました。
しかしながら、粗悪な中国産の映画が多い中では比較的マシな部類であり、ワニのCGもラストだけですが、それに頑張っていたと思います。
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