作品データ
公開年月 | 2019/08/31 |
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ジャンル | ドラマ/戦争 |
原作 | なし |
監督 | アフマド・ホセイン |
脚本 | アフマド・ホセイン |
製作 | マリー=ピエール・ルマシア、ミリアム・サシーン、ほか |
製作国 | レバノン、フランス |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
イスラエルによる空爆を受けたレバノンのとある村では、24時間の一時停戦を受け、マルワンは父を救い出そうと村に向かうも見つからず近所の長老の家を訪ねる。
そこにいたのは長老と父の友人、そして空爆を逃れた夫婦で、またしても空爆が始まって5人は止むのを待っていた。
空爆が終わると、今度はイスラエル軍部隊が家のすぐ傍まで来ると、見つかれば即射殺される恐怖の中で5人は息を潜めるのだった。
登場人物&出演者

本作が長編映画デビュー作となります。
主人公。レバノンが爆撃に遭うと、村に住んでいた父親を迎えに行こうと移動していく。
村に到着すると父親の家が破壊され、隣人のナジーブと遭遇して彼の家に避難した。
父親の行方が分からないままになって、一緒に街へ行こうと誘うが車を盗まれてしまう。
途中でやって来たムハンマドから父親が迫撃砲で粉々になったかもしれないと聞かされる。
最後は敵兵が引き上げていく中で、外へ出て歩いていると、空を見上げる事になった。

本作が長編映画デビュー作となります。
マルワンの父親が住む村の隣人。爆撃を食らっても逃げる事なく自宅で待機していた。
父親を迎えに来たマルワンと遭遇し、家に案内すると友人のカサムも避難していた。
マルワンから街へ逃げるべきだと言われるが、家は絶対に安全として動こうとしなかった。
ムハンマドとジョマナの夫婦を自宅に受け入れるが、敵兵が上階にいて息を潜めていた。
最後は敵兵が引き上げる直前に外へ出たカサムが殺され、その遺体の前に立っていた。

代表作に『Good Morning』などがあります。
マルワンの父親が住む村の住民。爆撃を食らうと安全なナジーブの家に避難していた。
吸引器が必要なほど循環器系に問題があり、マルワンが街へ行く提案をされて賛同した。
結局、マルワンの車が盗まれて家に留まると、敵兵が上階にいてヘブライ語を翻訳していた。
吸引器がなくて苦しんでいたが、ナジーブやマルワンの励ましでなんとか耐えていた。
最後は敵兵が引き上げる直前に外へ出て、彷徨っていると当然のように射殺された。

代表作に『Autour de la maison rose』、『Un homme perdu』などがあります。
ナジーブの家にやって来た夫婦の夫。マルワンの父親と逃げていたが迫撃砲を受けて逃げた。
マルワンに父親が粉々になったかもしれないと話すが、人から聞いた話しで確信はない。
ジョマナから危険だと言われると、一緒に出ようとするが敵兵の存在を知って引き返した。
爆撃と敵兵がやって来た事で完全にビビってしまい、途中で一人だけ失禁していた。
最後はジョマナが勝手に外へ出て中に入るように言うが、結局は何もなく敵兵も去った。

本作が長編映画デビュー作となります。
ナジーブの家にやって来た夫婦の妻。姉を探していたが見つからずに悲しんでいた。
ナジーブから姉について聞かれるが、見つからなかったとして再び悲しみを思い出す。
ちょうど生理の周期で男性がいる家ではどうようもなく、なんとか出ていこうと考えた。
水道パイプから水が流れていると知って、シャワーとなって溢れると浴びていた。
最後は外へ出てしまうが、すでに上階にいた敵兵が引き上げていて、ただ呆然としていた。

代表作に『Le cerf-volant』、『Adam’s Wall』があります。
マルワンの妻。村まで父親を迎えに行ったマルワンを街でずっと待っていた。
連絡ができなくなったマルワンを心配する中、国外へ出るパスポートを準備していた。
最後はマルワンからの連絡が途絶えたまま、彼の安否を確認する前に国外へ出ていった。
感想
[個人的な評価]
本作はレバノンとフランスの合作による作品となります。
この作品は『ヴェネツィア映画祭』や『ロッテルダム映画祭』などに出品されています。
レバノンは近年だと爆発事故で話題となり、内戦も有名だが、実際は中東の中でも治安が良かったようです。
ジャケットにあるような煽り文句を期待してしまうと、肩透かしを食らう典型的な作品となってしまった。
確かに敵兵がすぐに家の上にいて、誰かがいる事がバレてしまうと殺される可能性があるという緊張感は分かります。
ただ、その緊張感の演出があまりにも淡々としていて、逆効果を生んでしまい、退屈さの方が強くなってしまった。
雰囲気としてはそれなりだけど、決定的に登場人物たちのドラマがなく、同じような展開がずっと続くから面白さが伝わってこない。
それにイスラム教徒らしく、何かあれば「アッラー」を引き合いに出してくるので、宗教にあまり縁のない日本人からは違和感を持つだろう。
緊張感についての演出もなんとか形にしようとしているけど、要所では粗さが目立ってリアリティを失っている。
敵兵が偵察の為に犬を放って主人公たちがいる家に入ってくるが、みんな死んだフリでやり過ごす流れはもはやギャグと思えた。
その時点で完全にリアリティを失ってしまい、その後の展開で大人しくしていれば問題ないと分かって緊張感が解かれる。
ラストでは敵兵が一斉に引き上げていくが、その直前に一人だけ外に出て殺される意味もよく分かりませんでした。
ジャケットで大きくハードルを上げてしまい、実際はドラマ性も緊張感もほとんどない雰囲気だけの作品となりました。
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