作品データ
公開年月 | 2009/03/21 |
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ジャンル | ホラー/ドキュメンタリー |
原作 | なし |
監督 | 白石晃士 |
脚本 | 白石晃士 |
製作 | 山本正、しまだゆきやす |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
2005年8月12日、風光明媚な観光地・妙ヶ崎で男が無差別に観光客を襲う通り魔事件が発生。
事件直後、犯人の松木は海へ飛び込み、死亡したと思われる死体は発見されず、犯行の動機も謎のままとなる。
3年後、多くの謎に包まれた事件の調査を始めた映像ディレクターの白石晃士は、事件の被害者で唯一の生存者である江野祥平に会うのだった。
登場人物&出演者
感想
[個人的な評価]
本作は白石晃士が監督、脚本、編集、撮影、出演までこなした作品となります。
これまで白石晃士の作品と同一の世界観を持っていて、横の繋がりがあるようです。
本作は白石晃士監督の得意とするモキュメンタリーとなっていて、一つの通り魔事件を発端に物語が始まっていくが、そこから江野祥平という男にスポットライトがあります。
江野祥平は住居を持たず、派遣でなんとか食いつないでいるフリーターで、いわゆるネットカフェ難民の一人です。
当時から社会問題の一つとなっていたが、等身大のキャラクターを宇野祥平は見事に演じ切っています。
むしろ、彼は本当にネットカフェ難民じゃないかと思えるほど、リアルで最底辺の人間というい意味でも説得力を持たせています。
当初は通り魔事件の被害者であったが、白石晃士との接触で人間性が分かっていき、その壮大な計画から危ない一面も見せています。
本作は最後になっても意味不明な展開であったが、この作品には解明など必要がないぐらい江野祥平という男の存在だけで成り立っています。
あそこまで厚かましく、図々しくて、卑屈な上に仕事でも足を引っ張るなど、まさに最底辺の人間をここまでリアルに表現するのは素晴らしい。
もちろん、そんな江野祥平を見ていて決して気分は良くないし、彼に同調していく白石晃士についても共感は一切湧きません。
本作から中東で行われる自爆テロに共通する感覚があるように思えて、実際に彼らはそんな風に感じて行動しているのだろうと考えさせる。
個人的にちょっと気になったのは映像にちょくちょく映る当時公開されていた映画たち。
史上最低の吹き替えだった『ハンコック』と、最低の出来だった『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』についても出ていました。
さすがに許可を取っていないのでハッキリと明言していなかったが、本作を撮影している時にそんな作品が世間を賑わせていたと思い出させてくれます。
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