作品データ
あらすじ
天才脳科学者の片岡友彦は、VR研究施設“シンセカイ”に招かれ、未だシャーマンが住み、古い因習が残る島へやって来る。
研究所へ案内され早速と研究に取りかかる友彦だったが、突如システムエラーが発生し、謎の赤いバグが出現して混乱してしまう。
シャーマンが“イマジョ”の祟りだと告げる中、不可解な減少や不審な死が島を襲い、人々を守る為に片岡は赤いバグとイマジョの謎を解き明かそうとするのだった。
登場人物&出演者
・片岡友彦(演:西畑大吾)
代表作に『映画 少年たち』、『KAPPEI/カッペイ』などがあります。
主人公。天才脳科学者の少年。シンセカイのプロジェクトに参加するべく、実際に開発される島まで来ていた。
バスで環と乗っていて故障すると、シゲルに誘導されてユタのトキから話しを聞いていた。
チームの一人が行方不明となり、探し出す為に脳波を使って別世界と繋ぐプログラムを作る。
イマジョが解放された事で自身も捕まるが、環たちを助ける為に抵抗して海へ引き戻した。
最後は鳥居が燃やされた事で現実世界へ戻り、帰りのフェリーで環と手を繋ぐ仲になった。
・園田環(演:山本美月)
近年の出演作に『新解釈・三國志』、『糸』などがあります。
ヒロイン。園田哲夫の娘。父親に母親とともに捨てられた事から愛情はない。死亡したと聞いて島を訪れる。
友彦と同じバスに乗っていて故障すると、シゲルの案内でユタのトキと会って怪現象を見た。
シンセカイのプロジェクトに父親が関わっていた事から、真実を知らくて友彦と会っていた。
イマジョが解放された事を知って、なんとか対処しようとしてシゲルの家でリンを助け出す。
最後は鳥居が原因だとしてマッチ1本で燃やし、解決するとフェリーで友彦と仲良くなった。
・山本春樹(演:平岡祐太)
代表作に『スウィングガールズ』、『キッズ・リターン/再会の時』などがあります。
VR研究施設“シンセカイ”のエセ関西弁プログラマー。フェリーで島へ到着した友彦をシンセカイの研究所まで連れて行く。
初めて来た友彦に対して、田舎のような島で最新の研究をしている事について説明していた。
チーフが亡くなった事を知らない友彦に話し、彼の作ったプログラムを体験して驚いていた。
仲間が行方不明となってイマジョとの関連性を知って、鳥居が鍵だとして向かっていった。
最後は鳥居を触って髪の毛が手についてしまい、イマジョが現れると抵抗できず殺された。
・金城リン(演:當真あみ)
代表作に『いつも難しそうな本ばかり呼んでいる日高君』、『水は海に向かって流れる』などがあります。
島の女子中学生。シゲルとなぜか仲良くなっている。そのせいで同級生たちからイジメを受けている。
家に帰るとすぐに作っていた弁当を取り出して、シゲルの家まで折り鶴とともに届けていた。
シゲルが度々海にある壊れた鳥居に向けて三線と歌をやっていて、その姿を何度も見ている。
イマジョを解放した事で島が荒れるとして、シゲルによって安全な場所へ閉じ込められた。
最後は環に助け出され、鳥居を燃やしてイマジョが消滅するが、現れた鳥居に吸い込まれた。
・南トキ(演:吉田妙子)
代表作に『琉神マブヤー/THE MOVIE 七つのマブイ』、『ココロ・オドル』などがあります。
ユタ。シゲルとは旧知の仲。村八分にされるシゲルの理解者であり、島では唯一のユタとして尊敬される。
バスが故障して立ち寄った友彦と環たちに運命だと話し、彼らには何かがいると説明をした。
消えた仲間を探す為に友彦から脳波が必要として、環を再びみるもイマジョに気づかない。
状況を把握する為に友彦が来ると、島で過去に起きたイマジョについての物語を聞かせた。
最後はシゲルがイマジョを解放すると聞いて、言葉だけで注意するも結局は何もしなかった。
・新納シゲル(演演:笹野高史)
近年の出演作に『沈黙の艦隊』、『映画ネメシス/黄金螺旋の謎』などがあります。
シンセカイに部屋を貸す老人。“イマジョ”と過去に何かの関係を持っていたせいで、島民から村八分にされている。
島民たちから疎まれる存在でありながら、シンセカイの人たちを出迎えて雑用などをする。
なぜか女子中学生のリンだけに好かれており、彼女から弁当と折り鶴をもらって癒やされる。
過去に母親がイマジョ憑きになったせいで男たちを誑かし、そのせいで村八分となった。
最後はシンセカイの研究がイマジョを解き放つとして、彼らに感謝しながら自殺を遂げた。
・イマジョ(演:祷キララ)
代表作に『左様なら』、『ファンファーレが鳴り響く』などがあります。
昔の島で奴隷となっていた女性。身分のせいで島民から虐待やレイプを受けていた。抵抗ができずにいる。
島の男たちにレイプされていたせいで本妻たちから恨みを買い、日常的に拷問を受けていた。
鳥居に磔にされ、石を投げつけられる状態になり、最終的に海へ沈んで恨みの塊となった。
シゲルの母親に取り憑いたせいで彼を村八分にされ、シンセカイのプロジェクトで復活する。
最後は環たちを襲おうとするが、友彦の活躍で海へ引き戻され、鳥居を燃やされて消滅した。
感想
[個人的な評価]
本作はメタバース(仮想空間)を舞台にしたホラー映画です。
この作品は『呪怨』シリーズや『村』シリーズで知られる清水崇が監督と共同脚本を務めています。
まず、清水崇という監督はホラー映画において過去の人であって、今ではホラー映画の撮り方を忘れています。
インディーズの頃は自分が撮りたい怖い映画を撮る信念がありましたが、現在は媚びてホラー映画っぽい何かを作っている。
確かに売れる作品を作っているかもしれないが、ジャパニーズ・ホラーのレベルを下げている事にも貢献しています。
ホラー映画は必ずしも怖がらせる必要性がなく、アイドルを出して、知名度のある役者を使っていればある程度売れると思います。
では、実際の評判をみると軒並み低評価であって、怖いという人はホラー映画に耐性がないだけで実際は怖くない。
そうなると、自分のようにホラー映画に慣れている人だと怖さ以前に、脚本や演出が悪すぎてそっちの方が悪目立ちしています。
本作でも言える事ですが、登場人物たちは記号でしかなく、物語も凝っているワケじゃないから全体的に薄っぺらになっています。
それっぽい設定と演出を取り入れているだけで、監督の信念や熱意がなく、資金を出してくれるところを満足させるだけの内容となっている。
登場人物が多いワリに深掘りせず、魅力的な要素は役者自身の魅力となっていて、無名の役者が演じると無味無臭になってしまう。
役者のキャスティング前提で作っているのが丸わかりで、作品の内容で勝負しようという気持ちが一切ない。
それが透けて見えてくるから尚更苛立ちがあって、こういうネームバリューしかない監督がジャンルをダメにしていく。
だからこそ、しがらみがないインディーズのホラー映画の方が面白く、無名な役者でも面白くいようとする信念や熱意が見えて応援したくなる。
以前から言っていますが、清水崇は日本のホラー映画にとってガンであって、こういう人物は早くジャンルから出ていくべきだと思います。
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