作品データ
あらすじ
ニューイングランドの静かな漁村パッターズブラフで異常な猟奇殺人が続発し、浜辺で生きたまま焼かれた男が病院が運ばれるも、注射針で眼球を刺されて絶命した。
次々と被害者が増えていく中で、事件を追う保安官のダンは死化粧を完璧に施す事に執念を燃やす葬儀屋のドッブスを疑い始める。
そんな中で墓地から死体が消える事件が発生すると、保安官の元に死んだ者たちの姿を目撃したという奇妙な噂が広がっていくのだった。
登場人物&出演者
・ダン・ギリス保安官(演:ジェームズ・ファレンティノ)
代表作に『ファイナル・カウントダウン』、『ダーティ・ボーイズ』などがあります。
主人公。ポッターズ・ブラフの保安官。大学で犯罪学を学んでいるが、地元の為に帰って保安官になっている。
ジョージの殺人未遂事件から連続で殺人未遂が発生し、独自に調査するも行き詰まっていく。
妻が隠していたブードゥーの魔術書と短剣を見つけて疑うが、説明を聞いてなぜか納得した。
ドッブスが殺人事件の首謀者だと考えて調査し、妻のフィルムから真実を知って愕然とする。
最後は妻を埋めてドッブスに迫っていくが、自分自身もゾンビだと分かって冷静となった。
・ジャネット・ギリス(演:メロディ・アンダーソン)
代表作に『ザ・シンガー』、『フラッシュ・ゴードン』などがあります。
ダンの妻。小学校の教師をしている。生徒たちの為に新しい機材を取り入れるべく、行商人のジョージを呼ぶ。
ジョージが全身火傷を負った話しを夫から聞くと、知り合いとして彼の名前を口にしていた。
タンスにブードゥーの魔術書と短剣を隠していると夫に言われ、生徒に教えると説明した。
その正体はすでに事故で溺死していて、町に来ていたドッブスにゾンビとして生き返った。
最後は夫に撃たれて正気を取り戻してゾンビだと自覚し、墓場で埋めるように頼んでいった。
・ジョージ・ルモイン/フレディ(演:クリストファー・オールポート)
代表作に『キーラ・スノーマン』、『ガーデン・パーティ』などがあります。
ポッターズ・ブラフにやって来た写真家の青年。写真などの機材を売る行商人で、ビジネスの為にやって来た。
浜辺で写真を撮っているとリサに声をかけられると、彼女の被写体として撮影をしていた。
リサから誘惑されて近寄ると町の住人に襲われ、網で縛られると火を付けられて焼かれた。
重傷を負いながらも生きていたが、個室にやって来たリサが注射針を目に刺されて死亡した。
最後はドッブスによって体を修復され、心臓を棺に置かれてゾンビとして別人として過ごす。
・リサ(演:リサ・ブロント)
代表作に『愛と青春の旅だち』、『ブラインド・フューリー』などがあります。
ポッターズ・ブラフに住んでいる若い女性。浜辺で写真を撮っていたジョージに声をかけて何者か聞いていた。
モデルになる素質があると言われて喜んでいて、彼を誘惑しようとして仲間に殺させていた。
ジョージを網で縛り付けると、仲間が火を放って燃えていく姿を無表情で見守っていた。
重傷を負って病院で治療を受けるジョージの個室に入り、目に注射針を刺して殺害している。
最後は妻の真実を知って埋めたダンの前に仲間と現れ、写真を撮るも捕まえずに見送った。
・ウィリアム・G・ドッブス(演:ジャック・アルバートソン)
代表作に『夢のチョコレート工場』、『ポセイドン・アドベンチャー』などがあります。
ポッターズ・ブラフで葬儀屋を営んでいる。どんな状態の死体も生前よりも美しく仕上げる事に命をかけている。
町で発生している殺人事件に興味がなく、運ばれてくる死体について一番気にしている言動。
殺人事件に関与しているとダンに疑われても余裕の態度を見せ、死体が盗まれたと訴えた。
その正体は別の都市で主任病理学者として務めたが、医師会から除名処分される行為をした。
最後は真相を知ったダンに撃たれるも自分を治し、戻ってきた彼に修復を快く申し出ていた。
感想
[個人的な評価]
本作は脚本としてダン・オバノンとロナルド・シャセットが執筆しています。
この作品は『地獄のサブウェイ』や『ポルターガイスト3/少女の霊に捧ぐ…』で知られるゲイリー・A・シャーマン』が監督を務めています。
ゾンビ映画の全盛期に作られた作品の1本となっていますが、本作は他とはかなり違った毛の色となっています。
なんと言っても、あのダン・オバノンが脚本の一人として名を連ねている事もあって単純なゾンビ映画になっていません。
使っているのは現代におけるウイルス感染のゾンビではなく、昔ながらのブードゥーゾンビとなっています。
ただ、そこを強調しておらず本作は全編に渡ってミステリー要素が強く主人公が謎解きしていく内容となっています。
実はすでに町の住人のほとんどはゾンビ化していて、そうじゃない部外者がやって来ると襲って仲間として迎える為に殺害している。
なんとか主人公は事件の真相を解明しようとしていくが、町ぐるみでやっていると思わずに疑心暗鬼となっていきます。
真実に迫っていく中で主人公は精神的に追い詰められていき、同時に町の正体を知っていく恐ろしい展開が待っています。
80年代のゾンビ映画はピンキリの内容が多く、特に不条理なストーリーも珍しくないが、本作はミステリーとしてもしっかりと作られています。
定番のゾンビが襲ってくるような描写ではなく、まるで生きている人間が当たり前のように殺しにやって来るところに怖さを感じさせます。
そして、なんと言ってもラストに待ち受ける主人公の真実は納得ができる流れだが、自覚のないゾンビが自分の事を知った時の衝撃は半端じゃないだろうと思います。
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