作品データ
あらすじ
アメリカの農場で暮らすアマンダと娘のクリスは、友達のように仲が良く、養蜂を営みながら自給自足の生活を送っていた。
ある日、アマンダの元に絶縁していた母親の遺骨を届けに叔父が現れ、小さい頃から虐待を受けていたという事を思い出してしまう。
アマンダは母親のようになってしまうのではないという恐怖に取り憑かれ、いつしか声が聞こえるようになるのだった。
登場人物&出演者
・アマンダ/スヒョン(演:サンドラ・オー)
代表作に『ビーン』、『ブラインドネス』などがあります。
主人公。アメリカの片田舎の養蜂を営みながら娘のクリスと二人暮らしする。電磁波過敏症を患っている。
過去に母親の虐待で電気を使った事から異常な恐怖心を持ち、娘が生まれた時に悪化した。
叔父が亡くなった母親の遺骨を持ってくると、亡霊を見るようになってパニック状態になる。
娘にウソをついていた事がバレて、素直に話すも徐々に母親のように虐待する言動に変わる。
最後は一度の乗っ取られるも娘の言葉で目を覚まし、母親と決別して明るい未来を歩み出す。
・クリス(演:ファイヴェル・スチュワート)
代表作に『ファイティング・アルティメイタム』、『ハリウッド1969/シャロン・テートの亡霊』などがあります。
アマンダの一人娘。母親と農場で養蜂を営みながら二人暮らししている。同世代の友達がおらず母親とダニーが友人。
母親が電磁波過敏症という事から電気とは無関係の生活を送るが、大学への進学を希望する。
リヴァーが家に来て一緒に話していると、電磁波過敏症じゃないと気づいて色々と疑う事に。
大学への願書を母親にめちゃくちゃにされ、ブチ切れると憑依された母親を説得していた。
最後は母親がオンマと決別を果たし、念願だった大学への進学を得てダニーに送られていく。
・ダニー(演:ダーモット・マローニー)
近年の出演作に『君と一緒に過ごした夏』、『エージェント・ゲーム』などがあります。
「クーパー&サンズ」の雑貨店を経営している中年の男性。アマンダの蜂蜜を仕入れて店に出している。
リヴァーの提案でネット販売すると大好評で入荷待ちとなり、アマンダに状況を伝えていた。
クリスが持ってきたメモからアマンダが巣箱を増やすと知って、すぐに在庫を調べていた。
アマンダの電磁波過敏症は妄想だと知っていて、病院に行くように何度も言ったが拒まれた。
最後はアマンダが母親と決別を果たし、クリスが大学生になった事で彼女を送っていった。
・リヴァー(演:オデイア・ラッシュ)
代表作に『肉』、『ギヴァー/記憶を注ぐ者』などがあります。
ダニーの姪。都会から数週間も叔父であるダニーの家に泊まる事になる。店の手伝いも一応はしている。
都会っ子らしくバッチリしたメイクで、クリスから褒められ口紅を彼女に塗ってみせた。
アマンダの誘いで叔父とともに彼女の家でゲームをして、飽きてからクリスの部屋に行った。
ずっとスマホを持っていた事が発覚し、アマンダの電磁波過敏症にクリスが疑いを持った。
最後は都会に戻っていく事でクリスを心配して、スケジュール帳をあげて別れを告げた。
・カン(演:トム・イー)
代表作に『40歳からの家族ケーカク』、『パージ』などがあります。
アマンダの叔父。母親を捨てて名前まで変えたアマンダに対して快く思っていない典型的な家父長の考えを持つ。
アマンダの母親が亡くなってから彼女を探していて、苦労してようやく見つけてやって来た。
異常に電気を怖がるアマンダの様子を不思議そうに見て、母親の遺骨を持ってきていた。
死ぬ間際にアマンダが近くにいると話していて、その怒りは死んだ後も増大すると忠告した。
最後はアマンダに家から追い出されるように言葉を受けて、素直に従って帰っていった。
・オンマ/パク・スンイ(演:メーウハ・アラナ・リー)
代表作に『Equal Standard』、『Project Pay Day』などがあります。
アマンダの母親。元々は家族で韓国に住んでいて、有名な裁縫師としてみんなから尊敬を集めていた。
夫が異国の地であるアメリカでチャンスを掴む為に移住するが、そのせいで苦しんでしまう。
娘と二人だけになって怒りと不安から虐待を始めてしまい、クローゼットに閉じ込めていた。
死んでからも娘に付きまとっていて、孫であるクリスが生意気として憑依して動かしていた。
最後はクリスの言葉で意識を取り戻した娘から決別を言い渡され、葬式を行って成仏した。
感想
[個人的な評価]
本作は人気テレビドラマシリーズ『グレイズ・アナトミー/恋の解剖学』で知られるサンドラ・オーが主演を務めています。
この作品は監督と脚本を務めるアイリス・K・シムにとって長編映画監督デビュー作となっています。
アメリカの映画であるけど、韓国系アメリカ人のサンドラ・オーが出演している事から、韓国における文化が不気味に描かれています。
日本と同じアジアという事でそこまで不気味さを感じないが、多分、アメリカ人にとって異国の文化が怪しく見えるでしょう。
テーマが母親の虐待であって、そこから逃れた主人公に同じような状況になって恐怖を覚えていくという展開になります。
恐怖の演出はまさしくアメリカン・ホラーのワンパターンであり、同じような描写のせいで慣れて飽きてしまう。
それに母親が単なる自分のワガママで娘を巻き込んでいる事になるので、どうしても主人公やその娘は運が悪いとしか思えない。
主人公が一人だけで悲劇のヒロインをやっていくが、段々と怪しい雰囲気になっているが、娘はそれなりに反抗できるから状況が少し違う。
田舎で自給自足という仙人みたいな生活をしているけど、さすがに若い子にはガマンができないのは当然だろうと思います。
肝心のオンマによる恐怖は限定的であり、ラストの方でようやくクリスまで魔の手が及んでも直接的な描写はなかったです。
ただ、序盤から母親の呪いに近い執念を描いているけど、なぜかラストではあまりにも簡単に解決してしまって微妙としか言えません。
あれだけ伏線を張りまくったのに、気持ち一つ切り替えただけで追い払ってしまうならば、最初からやっていれば問題が起きなったと言えます。
あくまでアメリカ人から見た韓国の文化に異様さを見せる為に、同じアジア人から見てしまうと特に不思議なところはなかったです。
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