作品データ
あらすじ
臨床心理士の森田奏の周りで突如、奇妙な出来事が置き始めていた。
奇妙なわらべ歌を口ずさみ、おかしくなった女性、行方不明になった兄弟、そして繰り返される不可解な変死。
それらの共通点は心霊スポットとして有名な“犬鳴トンネル”で、奏はすべての謎を突き止める為に向かうのだった。
登場人物&出演者
・森田奏(演:三吉彩花)
代表作に『うた魂♪』、『旅立ちの島唄/十五の春』などがあります。
主人公。臨床心理士。患者の診察して不思議な現象を見て「犬鳴村伝説」が気になっていく。
ちょうど「犬鳴村伝説」の自由研究をしていた康太から話しを聞いて更に興味が湧いていく。
なぜかタイムトラベルして過去の犬鳴村を訪れ、部外者だった健司から話しを聞いていた。
犬鳴村の過去へタイムトラベルし、兄と弟、それに祖母となる赤ん坊を助けて民家に置いた。
最後は兄の犠牲で現代へ戻ってきたが、遼太郎から犬化している事を見抜かれていた。
・森田悠真(演:坂東龍汰)
代表作に『EVEN/君に贈る歌』、『#バンド全力』などがあります。
森田家の長男。恋人だった明菜と「犬鳴村伝説」の真実を動画で撮ろうと向かっていった。
最初からビビっていたが、面白半分で動画を撮っていた明菜に振り回されてしまう。
犬鳴村から帰ってくると明菜の様子がおかしくなり、霊力がある奏に見てもらうとした。
明菜がトイレに行くも康太が外へ出ていく姿を見て探し、目の前で飛び降り自殺された。
最後はタイムトラベルした奏に助けられるが、明菜を止める為に犠牲となってしまう。
・森田康太(演:海津陽)
代表作に『探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。2 』などがあります。
森田家の次男。学校の自由研究で「犬鳴村伝説」について調べていて興味を持っていた。
兄の悠真と恋人の明菜が実際に犬鳴村へ行ったと知って、話しを聞こうとするが父が怒る。
明菜がおしっこを漏らしながら歩いているのを目撃し、すぐに悠真や奏に伝えていた。
どうしても犬鳴村を見たくなって悠真の後を付いて、旧犬鳴トンネルに行くが幽霊に捕まる。
最後はタイムトラベルした奏に助けられ、赤ん坊を届けてから無事に生還を果たした。
・森田綾乃(演:高島礼子)
代表作に『庶務行員/多加賀主水4』、『アパレル・デザイナー』などがあります。
奏の母親。厳格な晃に黙って従っている。康太が「犬鳴村伝説」に興味を持つ事に賛同する。
晃が「犬鳴村伝説」を否定して血筋を卑下されるが、それでも黙って見送っていた。
旧犬鳴トンネルに消えた悠真を探そうと取り乱し、犬みたい犬歯で晃を噛んでしまう。
奏が「犬鳴村伝説」の影響を強く受け始めると、完全に犬化して家に理性を失っていた。
最後は奏がタイムトラベルして祖母を助け、犬化が収まって病院で療養していた。
・森田晃(演:高嶋政伸)
近年の出演作に『仮面病棟』、『アパレル・デザイナー』などがあります。
奏の父親。厳格な性格で綾乃の血筋に偏見を持っている。「犬鳴村伝説」がウソだと主張。
「犬鳴村伝説」に興味を持つ康太に厳しい言葉を浴びせ、綾乃のせいだとブツブツ呟く。
悠真が消えた旧犬鳴トンネルまで行くと、中途半端に塞がっていた状態に文句を言っていた。
急に暴走した綾乃を止めると、鋭い犬歯に噛まれてしまい、恐ろしいモノを見る目になる。
最後は理性を失った犬化する綾乃を必死に抑え、奏の活躍で元に戻って安心していた。
・西田明菜(演:大谷凜香)
代表作に『ミスミソウ』などがあります。
悠真の恋人。「犬鳴村伝説」を気になって、悠真と一緒に訪れて面白半分で動画を撮る。
ビビっていた悠真と違って完全にふざけていたが、トイレで何かを見て顔に傷ができる。
実は悠真との間に子供ができていたが、彼に何も言わず両親にも黙っていたという。
悠真の家に帰ってわらべ歌を歌い、悠真に電話しながら鉄塔から飛び降りて自殺した。
最後は旧犬鳴トンネルに赤ん坊を求めるが、意を決した悠真によって止められてしまう。
・中村隼人(演:石橋蓮司)
近年の出演作に『居酒屋兆治』、『ラストライン/刑事 岩倉剛』などがあります。
奏の祖父。犬鳴村の近くに住んでいる。妻を亡くしているが森田家の秘密を知っている。
妻は奏と同じく見えない存在が見え、身寄りが分からず家の前に捨てられていたという。
更に犬鳴村の住民たちは独自の文化を持っていて、ダムの為に沈んだとも話していた。
タイムトラベルした奏や捕まっていた康太たちが倒れ、それを見つけて助け出した。
最後は健司と摩耶の位牌を彼らの子供である妻の墓に置いて、その魂を鎮めようとした。
・遼太郎(演:笹本旭)
本作が長編映画デビュー作となります。
病院で臨床心理士をする奏が受け持つ少年。見えないモノが見えるとして精神鑑定される。
今の両親は実の親じゃないと分かっていて、死んだ母親の幽霊を当たり前のように見ていた。
パニック発作を起こして病院に運ばれ、落ち着いたところで奏が来るも幽霊がやって来る。
なんとか病院内を逃げ回るも捕まってしまい、そのままベッドの上で目を覚ましていた。
最後は無事に退院して奏と分かり合っていたが、彼女が犬化する事を察知して見ていた。
・山野辺(演:寺田農)
近年の出演作に『陰陽師/2020年版』、『柴公園』などがあります。
ベテランの医者。臨床心理士として病院に勤める奏を知っていて、仕事について聞いていた。
明菜が自殺を遂げてしまうと、検死結果を知っていて、晃に犬鳴村との関連を言っていた。
実は過去に同じような死体を検死しており、騒がずに穏便に済ました事を晃に感謝された。
急に危篤状態で病院に運ばれてしまい、自宅で溺れたという説明を奏は受けていた。
最後は奏に犬鳴村を呟き、住民たちの幽霊を見た後、汚れた血だと幽霊となって繰り返した。
・成宮健司(演:古川毅)
代表作に『兄友』などがあります。
奏が小さい頃から姿を見せていた謎の青年。見えるのはあと祖母だけで他は見えないという。
ダムに沈んだ犬鳴村を訪れた奏の前に現れると、なぜか映写機の映像で歴史を見せていた。
犬鳴村が沈む前に映写機で撮影していた人物であり、村人だった摩耶との間に子供を授かる。
再びタイムトラベルした奏の前に現れ、摩耶の産んだ赤ん坊を託して村の外へ行かせる。
最後は犬化する摩耶を止め、体を張って明菜を止めた悠真の体に白骨死体で見つかる。
・籠井摩耶(演:宮野陽名)
代表作に『新聞記者』などがあります。
ダムに沈む前にあった犬鳴村に住んでいた娘。部外者がやって来て何かと親切にしてくれた。
ずっと映写機を回して映していた健司と恋仲となって、子供を授かるも幸せは長く続かず。
部外者たちは電力会社の回し者で村をダムに沈める為に恐怖で支配し、その犠牲となる。
タイムトラベルしてきた奏に健司が赤ん坊を渡すと、それを求めて犬化して追いかけてくる。
最後は健司が体を張ってなんとか止め、明菜を止めた悠真の体に白骨死体として見つかる。
感想
[個人的な評価]
本作は日本最凶の心霊スポットと言われる福岡県の旧犬鳴トンネルにある「犬鳴村伝説」を題材にした作品となります。
監督と共同脚本を務めているのは世界的に活躍している清水崇となります。
この作品のタイトルは題材となった都市伝説から、個人的に2000年代で有名になった「杉沢村伝説」を思い出しました。
そんな懐かしい思い出と、監督が清水崇という事で多少の期待感を持ちました。
というのはウソで、近年の清水崇は知名度に胡座をかいて駄作を連発しているイメージです。
なので、本作に関して最初から期待していなかったが、杉沢村伝説みたいに作られた話しとして多少は楽しめるのかと思いました。
それにしても、本作は邦画のダメなところが盛りだくさんで、日本人というのはあんなに感情的な民族じゃないはずです。
途中からミュージカルか舞台を鑑賞しているかのような激しい感情と、後列の観客まで聞こえる大きな声が飛び交いました。
あそこまで沸点の低い人間が集まりすぎで、肝心となる幽霊の描写が自主製作映画レベルでやる気のなさを感じました。
ジャパニーズ・ホラーを引っ張ってきた一人だった清水崇はもうおらず、そこにはホラーという名のコントとギャグを作っている残念な人になりました。
あとは主人公がいきなり時間軸をぶっ飛ばして過去に戻って、犬鳴村についての真相を知っていく構成もまたヒドイです。
ホラー映画に人間ドラマは付け合せ程度だけで充分だが、本作はそれをメインにしているし、何より分かりにくいのが更にマイナスになっている。
本作をジャパニーズ・ホラーのジャンルではなく、コメディにした方がいいぐらい舐めきったような内容でした。
当初は謎を解き明かすジメジメした感じだと思ったら、アメリカン・ホラーみたいなインパクトだけで怖さを演出する単純な手法にガッカリさせられます。
何より犬鳴村にいた謎の女性が犬みたいな変貌する意味が分からず、タイムトラベルする意味も分からず、何がしたかったのか分かりませんでした。
とにかく、本作はホラー映画を作るというより、いろんな要素を詰め込もうとして何一つ上手く相乗効果が起こらず失敗した感じになりました。
ハッキリ言って、もう清水崇監督はホラー映画を作るべきじゃないと思います。
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